『騙し絵の牙』監督業もこなすキャスト陣 池田エライザ・斎藤工・塚本晋也が語る吉田大八監督の現場の空気感 ―3/26公開

ミステリー⼩説「罪の声」の著者・塩⽥武⼠が、俳優・⼤泉洋を主⼈公にあてがきし、2018年本屋⼤賞にランクインするなど注⽬を集めた⼩説「騙し絵の⽛」(⾓川⽂庫/KADOKAWA刊)を映画化した『騙し絵の牙』が3月26日(金)全国公開となる。監督は『桐島、部活やめるってよ』『紙の⽉』の吉⽥⼤⼋

主⼈公の雑誌編集⻑・速⽔役には、もちろん本作の主⼈公としてあてがきされた⼤泉洋。そして、⼤泉と映画初共演で吉⽥組には『桐島、部活やめるってよ』以来となる松岡茉優のほか、佐藤浩市宮沢氷⿂池⽥エライザ中村倫也佐野史郎⽊村佳乃和⽥聰宏坪倉由幸斎藤⼯塚本晋也リリー・フランキー⼩林聡美國村隼など⽇本を代表する俳優陣が集結。それぞれがクセモノ揃いのキャラクターを演じ、崖っぷち出版社を舞台に繰り広げられる仁義なき騙し合いバトルが誕⽣した。

そして本作には、監督業もこなす俳優がキャスト陣の中に3⼈加わっている。それが昨年公開された『夏、⾄るころ』の企画・原案・監督を務めて話題となった池⽥エライザ、『blank13』や、移動映画館プロジェクト「cinema bird」、コロナ禍での⾃粛期間に企画製作された『TOKYO TELEWORK FILM』など多岐に渡る活動を展開する斎藤⼯、そして、国内外にファンを持つ『鉄男』をはじめ、『KOTOKO』『野⽕』『斬、』など海外でも⾼い評価を得ている塚本晋也だ。今回、吉⽥⼤⼋監督の撮影現場を体験した3⼈がその様⼦や感想を語った。あわせて、斎藤と塚本の新たな場⾯写真も解禁されている。

池田エライザ(“闇を持つ人気ファッションモデル” 城島咲 役)

監督の現場での印象は?
現場での印象は、すごく紳⼠的でスマートだなと思いました。演出される時は、すごく少年的な感覚を持っていて、お芝居の時に流れている空気感とか細かいところまで気付いてくださって、野性的だなと思いました。「あともう少しこういうエッセンスを⾜して欲しい」とおっしゃるので、答えだけ渡されるわけではなく、「こうやってみてはどうだろう」と提案していただけるので、チャレンジングな感じが楽しいです。

斎藤工(“クールな投資家”である外資ファンド代表 郡司一 役)

本作に出演してみて
吉田大八というフィルムメーカーの大ファンとして、その一部になれたことがとても光栄です。大八監督のビジョンが、現場ではより明確に充満していて、すごくロジカルな繊細でとても大胆な現場で、エキサイティングな時間を過ごさせていただきました。

騙し絵の牙

吉田監督の演出について
的確なんです。現場だけではなく、本打ちや美打ちの際にスタッフさんとしっかりと「ここはこういう画が欲しい」という(話が出来ている)明瞭なビジョン、スムーズさ、良い意味で現場が作業的、同じ方向に皆が向いている現れだと思います。

僕の場合は、現場の空気感やノリみたいなものを、生モノだからといって優先して撮っていってしまうのですが、それってどこか無責任でもあって、準備したものと出来上がりの差が多く有るんですね。でも大八監督はその差はほとんど無いんじゃないかっていうくらい職人的な現場だと思います。さらに重箱の隅をつつくような内容じゃないところが面白いというか、とてもユーモアに富んでいて、遊びの利いた内容の裏側の緻密さというところにプロフェッショナルさを感じます。

郡司という役のオファーを受けて
自分のことは客観的に分からないですが、役柄的に程良い活かし方をしてくださっているなと思います。演じるキャストの方の性質を全体的に見た時に、僕の成分(性質)の抽出の仕方というのは「ですよね、さすがです」というか(笑)。見抜かれたなという感じがしました。正義の味方とか徹底的な悪とか、両極端なカラーリングというよりは、正義と悪が同居している中間色というか。いい奴でもないけれど、殺したいほど嫌な奴でもないというか。頭ではなく舌を武器に生きてきたようなところがあって、特殊な肩書きや状況下にいる人間ではあるんですが、日本人の真ん中ってこういう人なんじゃないかと、台本を読んだ時に思いました。

佐藤浩市さんと対峙してお芝居ということにビビり過ぎないように、自分に唯一課していたかもしれないです(笑)。現場の空気が、良い緊張感がずっと漂っていたので、現場の帰り道も脳の緊張が解ける感じがあって、自分もこんなに神経を集中させていたんだなと。多分この現場に関わるスタッフさんの多くもそうだったと思うんですけど。監督の人柄みたいなものが現場に宿るんじゃないかなと、今回より思いました。

騙し絵の牙

主演の大泉洋について
多才な方です。特に僕は「水どう(水曜どうでしょう)世代」なので、彼らの感覚みたいなものが基準になっているっていうくらいなんです。大泉さんは、どの球種もナチュラルに持っているというか、無敵なんじゃないかと思っています。その大泉さんと(大泉さんが演じた)速水は、弱点が弱点じゃないというか。一見弱みに見える部分も人に愛させてしまう人物だと思います。同じ時代にいるクリエイター・表現者として、大泉さんが選んでいくものを進行形で見られるというのは幸せです。そのくらい偉大な人です。

作品について
日本映画の強さが集合していると思いました。言葉です。日本語という言葉で展開していくものの緻密さみたいなもの。日本語で構成された秀逸な一枚の騙し絵というか。味付けがソースでもケチャップでもなく、醤油ベースであるという(笑)。今の時代だからこそ、より意味を持っていると思います。今までと違ううねりが訪れている昨今、心の景色も変わってきていると思います。そんな中、この作品が目に見えているものの裏側に本当があり、一枚目にある情報では通用しない時代、それを剥がしたところから始まる現実みたいなものがどんどん浮き彫りになっていく一筋縄ではいかない時代、そんな時代にユーモラスにこれからの兆しを見せてくれる一作になるのではないかと、個人的に映画ファンとしても期待しています。

塚本晋也(“優しき本屋の主”であり、松岡茉優演じる高野恵の父・高野民生 役)

脚本について
吉田監督の新作ということで楽しみに脚本を読ませていただいた後に「もうすごく面白い」と思いました。吉田監督の映画だから出演させていただきたいというのは勿論あったんですけれど、自分の役がどうかの前に、脚本全体が面白かったので、とにかくこの映画に参加したいという思いがありました。この(私が演じる)本屋の主人の役も共感がすごくあって。僕が、本に頬ずりするほどの“本フェチ”といってもいいくらいの本好きなものですから、紙の質感がある本が、段々売れ行きが悪くなって、ネットの世界にどんどん移行していく、本が置き去りになっていくことに、心配とか、不安とか、懸念みたいなものがあったので、そのことを一本のドラマの中で解決していくような映画に思えました。また、ドラマの調べ事がすごく緻密に、リアリズムに則ってやっていて、未来の展望のことまで描かれているので、私の書籍へのフェティシズムのことも含めて、面白いな、興味深いなと思いました。脚本を読んですぐに吉田監督に「面白い!スゴイ!」というメールを書かせていただきました。

騙し絵の牙

吉田監督の演出について
自分も映画を作っているんですけれど、他の監督に呼んでいただいた時は、監督目線で全然行かないんです。監督にのびのびやっていただきたいという気持ちが常にあるので、一番の協力者のつもりで一緒にモノを作っていく感じです。監督ごとに映画の作り方や考え方がまるで違うので、そこが面白いわけなんです。「自分だったらこうするのになと思わないんですか?」と訊かれるんですが、全くそういう風には思わなくて、監督の個性を浴びに行くのが楽しみなんです。吉田監督は自分の中に一貫した強いビジョンがあって、そのことに良い意味で頑固で崩さないこだわりの強さを感じました。最初に脚本を読んだ時に、感情を豊かに分かりやすく出す演技モリモリ感で読んでいたんですけれど、(現場では)自分のシーンも意外に「あっさりやって」という感じだったんです(笑)。そのあっさりの中の日常のリアリティの雰囲気の中に情感をかもし出していくということが分かったので、そのことになるべく応えようとしていました。

ご自身も本好きとのことですが?
きっと心の奥底に本屋さんへの憧れが自分にあるかもしれないです。映画を作っている時以外は、映画を観に行くか、本屋さんに行くかなので。本屋さんにいる時間が相当長いものですから、本屋さんの店長役をやるというのは、居心地が良いというか、腑に落ちるというか、自然に出来た感じがしました。

作品について
書籍という手に触れてなんぼのもんだという愛しいものの危機と、ネットが本に対して悪とか否定するものではないですけれど、ネットの隆盛によって本が消えていくかもしれないことをドラマの軸のひとつに据えています。非常に細かくリアルに濃密なドラマで、びっくりするくらいの豪華俳優陣がうねりを見せながら、観客の皆さんを感動にまで連れていくので、本当に見応えがある映画です。

騙し絵の牙

ストーリー
最後に笑うのは誰だ?全員クセモノ!仁義なき騙し合いバトル、遂に開幕!
大手出版社「薫風社」に激震走る!かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに。会社のお荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされる…が、この一見頼りない男、実は笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めていた!嘘、裏切り、リーク、告発。クセモノ揃いの上層部・作家・同僚たちの陰謀が渦巻く中、新人編集者・高野(松岡茉優)を巻き込んだ速水の生き残りを賭けた“大逆転”の奇策とは!?

作品タイトル:『騙し絵の牙』
出演:大泉洋 松岡茉優
宮沢氷魚  池田エライザ/斎藤工 中村倫也 佐野史郎 リリー・フランキー 塚本晋也 / 國村隼 木村佳乃 小林聡美 佐藤浩市
監督:吉田大八
脚本:楠野一郎 吉田大八
原作:塩田武士「騙し絵の牙」(角川文庫/KADOKAWA刊)
音楽:LITE
配給:松竹

公式サイト:movies.shochiku.co.jp/damashienokiba/
公式Twitter:@damashienokiba
公式Instagram:@damashienokiba
コピーライト:(C)2021「騙し絵の牙」製作委員会

3月26日(金)全国公開

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