映画『花と雨』なぜSEEDAの「花と雨」発売から14年経ての映画化だったのか、土屋貴史監督がアルバムとの出会いを語る―

花と雨

日本のHip Hop界で歴史的名盤と言われるSEEDAのアルバム「花と雨」を原案とし、新進俳優、笠松将が主演を務める映画『花と雨』が、2020年1月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国公開となる。

なぜSEEDAの「花と雨」発売から14年経ての映画化だったのか。土屋監督が語った。

SEEDAとは同年代の土屋監督。
「もともとSEEDAさんの曲は聞いていましたね。最初に聴いたのはI-DeAさんのコンピレーション『self expression』(2004年)でした。アルバム『花と雨』(2006年)もリリースされたタイミングで聴いていて。ただ自分の人生とは遠い話だと思って、その頃は個人的にはそこまで響かなかったんです。時間が経ってから、その真価がわかってきたという感じですね。」と『花と雨』との出会いを語る。

『花と雨』のリリースから、なぜ14年を経ての映画化になったのか。
機が熟したのだと思います。当時は日本でこの映画製作に踏み出せるような内容ではなかったでしょうし、今はアルバムとしての評価も不動のものになっているので、映画という別の角度からアルバムを捉えてみることにも必然性があると考えています。日本のヒップホップにとって重要な作品を映画化する機会を自分に任せて頂き本当に光栄と同時に怖気づいています。リアルで本質的な物語は自分も映画にしたい想いが常にあるので本当にありがたい機会を頂きました。」と感動の想いを語った。

「SEEDAさんというラッパー、そして『花と雨』というアルバムは、日本のヒップホップの中でもリアルを追求している側のラッパーであり作品であるので、『花と雨』を映画化するということが、リアルを追求する作業であったのは間違いないです。『花と雨』のリリックの内容やそこで起こっていることをなぞるのではなく、あの作品の中にあったリアルを追求していった。」と答えた。

花と雨

花と雨

花と雨

花と雨

数々のアーティストに影響を与えた
SEEDA伝説のアルバム「花と雨」を原案に、
観客が映画と一緒にドライブするリアルユースムービーが誕生

主演に笠松将。向こう意気の強さと脆い雰囲気で主人公吉田を見事に演じ切っている。

監督はミュージック・クリップやCMで数々の受賞歴を持ち、「Perfume」や「水曜日のカンパネラ」「ゆず」「Bjork」など多くのアーティストのMVを手掛け、大友克洋がデザイン監修し「AKIRA」の世界観を再現し話題となったNHKスペシャル『東京リボーン』オープニング映像の演出なども務める、映像ディレクター土屋貴史。長編映画初監督作とは思えない、計算し尽くされた抒情的な映像美、独特のリズム、大胆なカメラワークで新時代の映画を誕生させた。

原案は、2000年代から今日に至るまで、独自の感性でその最先端を走り続けてきたアーティスト・SEEDAが2006年に発表し、多くのアーティストに影響を与えた日本のHipHopにおける伝説的アルバム「花と雨」。彼の自伝的なエピソードも交え、“何者かになりたい”一人の青年が葛藤しながら成長する姿を描く。

本作ではSEEDA自身が音楽プロデュースを、MC・仙人掌が演技指導を担当。

第32回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門出品。

花と雨

花と雨

花と雨

花と雨

ストーリー
幼少期、ロンドンで育った主人公の吉田は、閉塞的で村社会的な日本の空気に馴染めないまま、高校生活を送っていた。同級生や現実を冷めた態度で見つめ満たされない日々。そして次第に学校から距離を置くようになった時、”Hip Hop”と出会った。Hip Hopを通じて日本で初めて自分が表現できる場所・仲間とも出合い、身も心も”Hip Hop”にのめり込んでいく。吉田は、いつか海外での活躍を目指す姉・麻里との約束を胸にラッパーとしての練習や活動をしながらストリートでは、ドラッグディールで実績と自信をつけていく。しかし、物事はそう簡単にうまくはいかなかった。ラップバトルで再会する同級生には負け、掴みかけたチャンスは仲間に裏切られ次々と失った。初めて自分の居場所だと思えたからこそ、その現実の厳しさに晒され、自分を見失って行く。Hip Hopへの情熱も薄れ、いつしか単なるドラッグディーラーに成り下がっていた。夢に邁進する姉の麻里とも距離を置くようになり、いつまでもうまくいかない現実から逃げる吉田は、ついに逮捕されるはめに。そして追い打ちをかけるように、ある悲劇が訪れる。これが、自分のやりたかったことなのか?吉田はラッパーとして、1人の人間として、現実を乗り越えられるのか・・・。

作品タイトル:『花と雨』
出演:笠松将 大西礼芳 岡本智礼 中村織央 光根恭平 花沢将人 MAX サンディー海 木村圭作 紗羅マリー 西原誠吾 飯田基祐 つみきみほ 松尾貴史 高岡蒼佑
監督:土屋貴史
原案:SEEDA・吉田理美
脚本:堀江貴大・土屋貴史
音楽プロデューサー:SEEDA・CALUMECS
製作:藤田晋・中祖眞一郎
制作プロダクション: P.I.C.S.
配給:ファントム・フィルム

公式サイト:Phantom-film.com/hanatoame/
コピーライト:(C)2019「花と雨」製作委員会

2020年1月17日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国公開


関連記事:
【プレゼント】笠松将、仙人掌 登壇『花と雨』試写会10組20名様☆SEEDAの歴史的名盤を原案に青年の儚く激しい葛藤を描く
【レポート】『花と雨』東京国際映画祭に笠松将、大西礼芳、土屋貴史監督が登壇!SEEDAとの深夜ドライブエピソード語る
笠松将 主演×日本のHip Hop界の寵児・SEEDAの歴史的名盤が原案『花と雨』本ビジュアル&予告編解禁 ―2020/1/17公開

↑上に戻る