【レポート】『花と雨』東京国際映画祭に笠松将、大西礼芳、土屋貴史監督が登壇!SEEDAとの深夜ドライブエピソード語る

花と雨

日本のHip Hop界で歴史的名盤と言われるSEEDAのアルバム「花と雨」を原案とし、笠松将が主演を務める映画『花と雨』が、2020年1月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国公開となる。

第32回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門に正式出品された『花と雨』の主演笠松将、大西礼芳、土屋貴史監督が舞台挨拶に登場した。

イベントレポート

日時:11/1(金)17:35~舞台挨拶
ゲスト:笠松将、大西礼芳、土屋貴史(監督)
上映後Q&A ゲスト:笠松将、土屋貴史(監督)

満員御礼の中、主演の笠松将、大西礼芳、土屋貴史監督が登壇。

緊張気味の土屋監督は「今回は一般的の方にはじめての公開される機会になります。皆さんでこの作品を育ててくださると嬉しいです。」と挨拶。

花と雨

主演の吉田を演じた笠松は「平日なのにこんなにたくさんの方に集まって頂いて嬉しいです。親切な映画ではないですが、今ここにいる三人だけじゃなく、他のキャストやスタッフで気持ちを込めて作った作品です。みなさんのいい意見だけ受け止めるんで(笑)よろしくお願いします。」と挨拶。

花と雨

吉田の最愛の姉・麻里を演じた大西は「みんな歳が近く、準備期間も長く取ってくれたので、キャスト全員の気持ちがとても合わさった作品です」と映画への思いを話した。

初めての長編映画作品の上映となる土屋監督。気持ちを聞かれると「ともかく緊張しています。舞台挨拶以上にみなさんの前のお披露目ということで、口の中パサパサです。」と大滝の汗を拭くと会場から笑いが。

本作でラップを初挑戦した笠松は「もともとSEEDAさんの曲も聞いていたし、ラップもヒップホップも好きで。歌える曲もあった。だからそんな難しくないと思っていたんです。最高峰のMC・仙人掌(センニンショウ)さんが演技指導を担当してくれたんですが、初めてヘッドホンをつけて歌った時に、音程も外れるし、難しいし、焦って満足いくものができなかった。奥の深い分野だなと思いましたね。」とヒップポップの大変さを吐露。

役作りについて聞かれた大西は「弟(笠松)がひたむきに音楽に向き合っていながら、ストレスフルな人生を送っているので、日々現場でも麻里と同じように笠松くんに接していました。私達がイギリス育ちという設定なので、英語の練習しなくてはいけなくて、笠松くんもノートを真っ黒にしながら、歌詞や英語の練習をしている姿を観ていたら、自然とそれが私の役作りになっていたんだと思います。」と微笑ましいエピソードを語った。

花と雨

SEEDAとの出会いについて笠松は「一言で片づけられない人。一番のエピソードが、クランクインの前日にSEEDAさんから2人で会いたいと言われて、何を言われるんだろうとドキドキしながら会ったんです。深夜に高速道路を走りながら“このシーンではあんなことがあったんだよ”“この時はこんな歌詞を書いたんだよ”といろいろと話してくれた。笠松さんにこの作品を託したいと言ってくれた時には、自分も期待に応えられるように一生懸命作ろうと思った。」とこの作品に懸ける意気込みを話した。

上映後に行われたQ&Aでは、笠松さんの起用に対して「オーディションのお芝居が圧倒的に良かったんです。お芝居の途中で“もういいです”と言ったらキレて帰っちゃって(笑)主人公そのままじゃないですか(笑)」と笠松に突っこまれながら監督が暴露。仙人掌との練習に関しては「5ヶ月ぐらい。自分で撮影して送ったりしたんですけど、最初は褒めてくれるので調子に乗ってたんですよね。でも最後の1ヶ月スパルタでした。仙人掌さんの家に行ったり、深夜に電話したり、音楽以外でもいろいろ話しました。」と語った。

上手い方が書くラップの違いは「役者さんは態度を売りにしているので、態度の大きさを表現できる人。」と監督笠松は「僕が歌詞を書いたシーンがあって、それをSEEDAさんが足したり引いたりした。どんなジャンルでも引き算が上手な人が凄いんだと思いました。」とSEEDAさんへのリスペクトを伝えた。

この映画の見どころであるビジュアルや色について監督は「撮影の際も感情を色に表せるようにいろいろ試しました。」と撮影へのこだわりを話した。

花と雨ストーリー
幼少期、ロンドンで育った主人公の吉田は、閉塞的で村社会的な日本の空気に馴染めないまま、高校生活を送っていた。同級生や現実を冷めた態度で見つめ満たされない日々。そして次第に学校から距離を置くようになった時、”Hip Hop”と出会った。Hip Hopを通じて日本で初めて自分が表現できる場所・仲間とも出合い、身も心も”Hip Hop”にのめり込んでいく。吉田は、いつか海外での活躍を目指す姉・麻里との約束を胸にラッパーとしての練習や活動をしながらストリートでは、ドラッグディールで実績と自信をつけていく。しかし、物事はそう簡単にうまくはいかなかった。ラップバトルで再会する同級生には負け、掴みかけたチャンスは仲間に裏切られ次々と失った。初めて自分の居場所だと思えたからこそ、その現実の厳しさに晒され、自分を見失って行く。Hip Hopへの情熱も薄れ、いつしか単なるドラッグディーラーに成り下がっていた。夢に邁進する姉の麻里とも距離を置くようになり、いつまでもうまくいかない現実から逃げる吉田は、ついに逮捕されるはめに。そして追い打ちをかけるように、ある悲劇が訪れる。これが、自分のやりたかったことなのか?吉田はラッパーとして、1人の人間として、現実を乗り越えられるのか・・・。

作品タイトル:『花と雨』
出演:笠松将 大西礼芳 岡本智礼 中村織央 光根恭平 花沢将人 MAX サンディー海 木村圭作 紗羅マリー 西原誠吾 飯田基祐 つみきみほ 松尾貴史 高岡蒼佑
監督:土屋貴史
原案:SEEDA・吉田理美
脚本:堀江貴大・土屋貴史
音楽プロデューサー:SEEDA・CALUMECS
製作:藤田晋・中祖眞一郎
制作プロダクション: P.I.C.S.
配給:ファントム・フィルム

公式サイト:Phantom-film.com/hanatoame/
コピーライト:(C)2019「花と雨」製作委員会

2020年1月17日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国公開


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