カンヌが驚愕、そして喝采!キリル・セレブレンニコフ監督最新作『インフル病みのペトロフ家』4/23(金)公開決定

インフル病みのペトロフ家

ロシア演劇界の鬼才にして気鋭の映画作家 キリル・セレブレンニコフ監督が、大ベストセラー小説を原作に描いた最新作『Petrovʼs Flu』が、『インフル病みのペトロフ家』の邦題で2022年4月23日(土)より全国順次公開となることが決定した。

濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が脚本賞を受賞し、日本でも⼤きな話題を呼んだ昨年のカンヌ国際映画祭。他にもレオス・カラックス監督『アネット』やアピチャッポン・ウィーラセタクン監督『MEMORIA メモリア』など話題作が目白押しの中で、名だたる批評家を驚かせ、喝采を浴びたのが本作だ。

『The Student』(2016/日本未公開)や『LETO -レト-』(2018)でカンヌをはじめとする数々の映画祭で多数の賞を受賞するなど、すでに映画監督としても世界から注目を浴びているキリル・セレブレンニコフ。若くして2012年からモスクワのゴーゴリ・センターの芸術監督に任命された演出家でありながら、2017年に国からの予算を横領した疑いで逮捕されて自宅軟禁状態に。日本でも公開された『LETO -レト-』がカンヌで絶賛され、サウンドトラック賞最優秀作曲家賞を受賞した際には、多くの映画人がセレブレンニコフの無罪を訴え、解放を求めたがカンヌには参加できなかった。本作の脚本は、その軟禁という不条理な環境の中で書いたという。

原作は、2016年に発売され、ロシア文学界でセンセーションを巻き起こしたアレクセイ・サリニコフによるベストセラー⼩説「Петровы в гриппе и вокруг него(インフル病みのペトロフ家とその周囲)」(邦訳未出)。ソヴィエト崩壊後、2004年のロシア、エカテリンブルグでインフルエンザが流行する中、主人公のペトロフは高熱にうなされる。妄想と現実の間を⾏ったり来たりするうちに、次第にペトロフの妄想は、まだ国がソヴィエトだった子供時代の記憶へと回帰していく…という物語だ。

映画は、ロシア社会への強烈な風刺を孕みながら、妄想と現実の境目が曖昧な原作の世界観そのままに、セレブレンニコフ監督らしい型破りな芸術的感性と刺激的なアクションに彩られ、強烈なインパクトに溢れた⼀編。いくつものプロットが絡み合い、頻繁に幻覚のトリックにすり替わっては次々に展開され、熱に浮かされたような刺激的な映像体験をもたらす本作。どのように撮影されたのか気になってしまうほど複雑な長回しショットや、めくるめく場面転換は必見だ。

なお本作は、カンヌ国際映画祭で芸術的貢献を認められるCST Artist-Technician Prizeを受賞。上映後、アメリカのザ・プレイリスト紙は「映画の熱病的譫妄。(中略)純粋で、粗野で、⼼かき乱す映画」、イギリスのリトル・ホワイト・ライズ誌は「驚くほどに奇妙な、ポスト・ソヴィエト時代のロシア像。幻想的で、刺激的。息を呑む映画作りだ」と大絶賛。世界中の観客を混乱させ、魅了し、映画の迷宮を疾走していく本作は、今年、映画ファン必見の1本になりそうだ。

インフル病みのペトロフ家

作品タイトル:『インフル病みのペトロフ家』
出演:セミョーン・セルジン、チュルパン・ハマートワ、ユリヤ・ペレシリド
監督:キリル・セレブレンニコフ(『LETO -レト-』)
原作:アレクセイ・サリニコフ著「Петровы в гриппе и вокруг него(インフル病みのペトロフ家とその周囲)」(邦訳未出)
原題:Петровы в гриппе/英語題:Petrov’s Flu
2021年|ロシア=フランス=スイス=ドイツ合作|146分|DCP|カラー|R15
日本語字幕:守屋愛
配給:ムヴィオラ

コピーライト:(C) 2020 – HYPE FILM – KINOPRIME – LOGICAL PICTURES – CHARADES PRODUCTIONS – RAZOR FILM – BORD CADRE FILMS – ARTE FRANCE CINEMA -ZDF

4月23日(土)よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開

 

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