『ザ・ホエール』特殊メイクで変身する様子を捕らえたメイキング映像解禁!ブレンダン・フレイザーがハードな撮影を振り返る

ザ・ホエール
(C)courtesy of A24

A24製作・配給、ダーレン・アロノフスキー監督の最新作『ザ・ホエール』(4月7日(金)公開)より、主演のブレンダン・フレイザーが特殊メイクで変身する様子を捕らえた映像が解禁となった。

恋人を亡くしたショックに打ちひしがれ、現実逃避をするように過食を繰り返してきたチャーリー。歩行器なしでは移動もままならず、親友の看護師リズに頼って生活している。病状の悪化で自身の死期が近いと悟ったことで、長らく押し込め続けたトラウマと向き合うことを決意。さらに離婚して以来音信不通だった娘エリーとの絆を取り戻そうとする彼の最期の5日間を描く。

映像ではブレンダンがスタッフ二人の手によって次第に肉付きのよいチャーリーに変貌していく様子がタイムラプスで切り取られる。メイクの途中に寝落ちしてしまうブレンダンの姿もしっかり収められているが、なんとこのメイクにかかった時間は4時間超。撮影期間はおよそ40日間に及び、毎回スタジオに早入りし4時間かけてチャーリーになるための特殊メイクを施し余命幾許もなく身を削るような役を演じるという肉体的にも精神的にもハードな撮影を行っていた。

体重272キロのチャーリーの姿は、人間として精神の極限状態であること、命を脅かすほど深刻な状態であることが伝わらなくてはいけないと考えていたアロノフスキー監督。しかし、顔を分厚いメーキャップで覆いすぎて、様々な感情を示す表情が見えづらくなることは絶対に避けなくてはならないと考えていたアロノフスキーは、『ファウンテン 永遠につづく愛』『ノア 約束の舟』『マザー!』でも度々タッグを組み、絶大な信頼を寄せるプロセティック・メーキャップ(特殊メイク)アーティストのエイドリアン・モロットに相談することに。

そしてモロットは本作のために史上初の100%デジタル技術による特殊メイクを開発。役柄の身体と彼を演じるフレイザーとの境目が分からないようにし、さらにブレンダンが顔の筋肉を自由に動かせるようにするために、3Dモデリングを使ってデジタル・スカルプチャーを作成。その後、クレイを使ったスカルプチャー作りを省いて、すぐに3Dプリントを行った。すべての特殊メイクをデジタル技術で作りだす方法は今回が長編映画初の試みとなり、見事、本年度アカデミー賞<メイクアップ&ヘアスタイリング賞>へのノミネートへと繋がった。

またボディも同様にデジタル技術で制作が行われた。ファットスーツは5人がかりで着脱せねばならないほどの重みがあり、ブレンダンは「あれを着た状態で動けるようになるまで、徹底的なトレーニングを行った。そんなところに筋肉があったのか、と思うような筋肉がたくさん鍛えられたよ。肉体的には今まで演じてきた役の中でダントツでハードだった。若い頃、砂漠の中で走り回ったことなんて、これに比べればなんてことないよ!(笑)」と振り返る。スーツの中にはF1ドライバーのクールスーツに使われているような冷却システムも内蔵されていたが、暑いことには変わりはなかった。しかし最終的には、スーツを脱いだ際にバランスを失い、眩暈を覚えるほど体に馴染むようになっていたというエピソードも。

先日トーク番組に出演した際「『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』の撮影で死にかけたことがある」と暴露していたブレンダンだが、その撮影よりもハードだったと語る本作でいかに過酷な撮影に挑んでいたかが伺える。まもなく発表が控えるアカデミー賞授賞式を前に、SAGアワード(全米映画俳優組合賞)の主演男優賞を受賞し勢いに乗っているブレンダン。心理的にも物理的にも負荷を抱えながら、この役柄に全身全霊を懸けた渾身の演技は、最終的にどんな評価が下されるのか――

ザ・ホエール
(C)courtesy of A24
ザ・ホエール
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ザ・ホエール
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ストーリー
ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。アランの妹・看護師のリズの助けを受けながら、オンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てているが心不全の症状が悪化し、命の危険が及んでも病院に行くことを拒否し続けている。しかし、自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意。彼女との絆を取り戻そうと試みるが、エリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた…。

作品タイトル:『ザ・ホエール』
出演:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
監督:ダーレン・アロノフスキー(『ブラック・スワン』『レスラー』)
原案・脚本:サミュエル・D・ハンター
【2022年/アメリカ/英語/117分/カラー/5.1ch/スタンダード/原題:The Whale/字幕翻訳:松浦美奈】
PG12
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ

公式サイト:whale-movie.jp
コピーライト:(C) 2022 Palouse Rights LLC. All Rights Reserved.

4月7日(金)、TOHO シネマズ シャンテ他全国ロードショー

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