映画『私はあなたを知らない、』の完成披露舞台挨拶が7月27日に新宿ピカデリーで開催され、坂口健太郎、早瀬憩、堀田真由、倉田瑛茉、滝藤賢一、原田美枝子、中野量太監督が登壇した。

本作で坂口が演じるのは、狂おしいまでに”家族“という幸せの形を追い求め、愛する人を殺めるという重い罪を犯してしまった孤独な青年・西山夕平役。愛とは、憎しみとは、そして人を赦すこととは何か。日仏共同製作で描くヒューマンサスペンス。
坂口は「とても丁寧に一瞬一瞬を切り取った作品です。今日の舞台挨拶で作品の良さが伝われば良いなと思います」と挨拶。脚本を読んで「愛情とある意味の生々しさ、監督の正直な気持ちみたいなものを一気に全部受け取った気がした」と明かし「とあるシーンに描かれている気持ちが痛いほどわかって、そのシーンを読んだ瞬間に是非ともご一緒させていただきたいという気持ちになりました」とオファーを即決したという。

13年前に夕平に母を殺され、天涯孤独となった東浜朝子役の早瀬は、オーディションを経ての抜擢で「監督とご一緒したいという気持ちと朝子を演じたいという気持ちで、オーディションの結果がわかるまでウズウズしていました。決まったと聞いた時は安心もありながら、朝子の人生を自分が背負う事に対するプレッシャーもすごく強かったです」と心境を打ち明けた。
朝子の母であり、夕平と恋に落ちる東浜紗月役の堀田は、『湯を沸かすほどの熱い愛』からの中野監督の大ファンだという。「デビュー1年目くらいに映画館で観て凄く感銘を受けました。そこから自分のキャリアの中でいつか中野組に参加したいという思いがずっとありました。実は昨日も見返したんです」と中野組初参加に喜色満面で「この作品も長く愛される作品になれば良いなと思っております」と語った。

朝子の幼少期を演じた倉田は「今日は来てくれてありがとうございます」と5歳らしくはにかんで挨拶しながら「初めて坂口さんと会った時は一緒にお弁当を食べました。監督さんは沢山演技を教えてくれました」と可愛らしく感謝していた。

夕平の弁護を引き受けた町村弁護士役の滝藤は「49歳、滝藤賢一です」と倉田に対抗して笑いを誘いながら「中野監督と切磋琢磨、苦しみながら戦いながら作った作品です」とコメント。13年ぶり3作品目となる中野監督作だが「あの頃と変わらず、情熱的で作品に対する思いが深くて演出も明確。だから凄く安心して臨めました」と全幅の信頼を寄せていた。

母をなくした朝子を一人で育てた祖母・東浜道代役の原田は「中野監督は本当にナイーブで、静かに物事が進んでいくような現場でした。登場人物たちも愛情深いけれど、愛情表現が下手。そのちょっとしたずれのニュアンスを芝居で表現するので、淡々と撮影は進んでいきました」と回想した。

『湯を沸かすほどの熱い愛』以来、約10年ぶりの完全オリジナル脚本となる中野監督は「オリジナルは自由度が凄く高いけれど、それだけに答えのないものを探して作っていく面白さがありました。ここにいるメンバーと共に毎日頑張ってこの物語を作り上げました。自信作です」と手応えを口に。人を殺めるというテーマにも初めて挑戦し「ずっと避けていた事だけれど、新しい事をしたくて今回チャレンジしました。でも答えが出るような話ではないので、登場人物はこの先どう生きていくのかを真摯に描く事が一つの答えだと思ったので、ひたすらに考えて二人の未来を描きました」と述べた。

13年前の事件の真相を探っていくストーリーにちなんで、最近知った真実や出来事をフリップに書いて発表。坂口は「泣く芝居」と書いて「ドラマや映画だけではなくて、ちょっとした映像作品でも泣くことが凄く多い」と自己分析。本作にも泣きの芝居があり「面会室のシーンでは、ありがたいことに幼い頃の朝子と過ごした後に大人になった朝子とのシーンが撮れたので、憩ちゃんの声を聞いてるだけで過去の思い出が蘇って泣いちゃう。いつの間にか僕も涙腺が緩くなった」などと打ち明けていた。
早瀬は「坂口さんと好きな食べ物が同じだった」といい、坂口と「せーの!」で「卵!」と答え合わせをして大喜び。「私も1番好きな食べ物が茹で卵なので、一緒だ!と思ったのが最近知った真実です」と嬉しそうだった。
堀田は「体内時計が狂ってる!?」と明かして「仕事で体内時計を測るゲームをやって1分間目を瞑って60秒数えて目を開いたらみんながクスクスと笑って『え、マジ?』みたいな感じになっていて…。私は自信満々で1分だと思って数えたけれど…それが2分だった」とカミングアウトして登壇者を驚かせた。「時計はチクタクチクタクなのに、私はお風呂みたいな感じで数えてしまっていて…。人よりマイペースに生きてるんだな、というのが最近知った出来事でした」と照れ笑いだった。
倉田は「夜の挨拶がおやすみなさいじゃなくて、こんばんはだったことです」と可愛らしい回答を披露。植物を育てることが趣味という滝藤は「レモンの実だけが3年くらい出来なくて、何故だろうと思って今年はメッチャ鉢を小さくして根っこをイジメて育てたら…メッチャ実が出来ました。皆さんもやってみてください」と嬉しそうだった。
最後に中野監督は「なんとかこの映画はヒットさせたいです。今日観ていただいて面白いと思っていただければお力を貸していただきたいです。どうぞ宜しくお願い致します」と期待。
坂口は「一瞬一瞬を凄く丁寧に撮影した作品です。夕平の選択は肯定されるべきことではないけれど、そこがこの作品の一番伝えたいことではなくて、夕平の生きた証や登場人物それぞれの感情は観客の皆さんに伝わると思います。観る環境によって捉え方も変わってくる作品だと思うので、大げさな事を言うと、本当に心の一本にしてください!というそれだけです」と語った。

ストーリー
西山夕平(28)は天涯孤独の身。粛々と働き、自分の中で決められたルーティンで生活をし、たった一人のその環境を寂しいとも感じずに生きてきた。職場にやってきた新しいパート職員・紗月と出会うまでは。彼女と出会い、生きる喜びを得て夕平の毎日は輝いていった。そしてある日、紗月から自分の5歳の娘を紹介される。彼女は実はシングルマザーだった。紗月と彼女の娘との生活が、狂おしく家族を渇望していた夕平の心を解放していくが…。
『私はあなたを知らない、』
出演:坂口健太郎 早瀬憩 堀田真由 倉田瑛茉 稲垣来泉 和田光沙 片山友希 畦田ひとみ 田牧そら 渡辺真起子 足立智充 黒田大輔 滝藤賢一 原田美枝子
原案・脚本・監督:中野量太
音楽:世武裕子
製作:「私はあなたを知らない、」製作委員会
共同製作:Pyramide Productions
制作プロダクション:パイプライン
2026年/日本・フランス/カラー/シネマスコープ/5.1ch/126分 映倫区分G
配給:クロックワークス
(C)IDKYPs./Pyramide Productions
watashiramovie.com
2026年8月28日(金)新宿ピカデリーほか全国公開