映画『白鳥とコウモリ』公開前夜祭が9月3日に東京・丸の内ピカデリーにて開催され、松村北斗、今田美桜、柄本佑、吉田羊、そして岸善幸監督が登壇した。

東野圭吾氏による、シリーズ累計発行部数195万部突破の同名小説を実写映画化した本作。
善良な弁護士・白石健介が刺殺された事件をめぐり、事件の犯人として自供した男の息子・倉木和真と、殺害された被害者の娘・白石美令が、それぞれの父の言動に違和感を抱き、共に事件の真相を追い始める物語。出会うはずのなかった<容疑者の息子>と<被害者の娘>による“禁断のバディ”を通して、事件の謎を追うミステリーと、それぞれの葛藤や人間模様を重厚に描き出す。

松村は上映前のイベントということで「ネタバレをとにかく気をつけます。ミステリーですので」と笑いを誘いつつ、「上映に向けて、皆様の期待とか楽しみが膨れ上がるような時間を一緒に過ごせたら」と挨拶。

今田も「今日は前夜祭ということで、このイベントと、そして映画を最後まで思う存分楽しんでいただけたらうれしいです」と笑顔で呼びかけた。

柄本は「今日は本当にたくさん集まっていただきありがとうございます。ぜひとも楽しんでいっていただければ」と観客へメッセージを送り、この日が本作のイベント初登壇となる吉田も「公開前夜、明日公開ということで、この舞台挨拶の時間が、皆さんの映画鑑賞をより楽しくする時間になったら」と期待を込めた。


最後に岸監督が「今日は楽しんでいってください。よろしくお願いします」と呼びかけ、和やかな雰囲気の中、本作についてのトークへ。

まず、翌日に迫った全国公開を前に今の心境を尋ねられた松村は、「物事には白と黒があるけども、それに伴う感情っていうのは、ずっとグレーかもしれない」と本作から感じた思いを告白。「それが、見てくれた人にとって救いだったり、今自分を否定していることを肯定できるチャンスになるかもしれない。たくさんの方に見てもらうチャンスが始まることが本当にうれしい」と公開への喜びを語った。
今田も「撮影が終わって、宣伝期間を重ねて、いよいよ前夜というところで、私自身ワクワクしております」と笑顔を見せ、「皆様に早く見ていただきたいという思いでいっぱいです」と明かした。
続いて話題は、岸監督との役作りへ。容疑者の息子・倉木和真役の松村は「監督としてのアドバイスやヒントはたくさん持ちながら、常にこちらの心地みたいなものを気にしてくださっていた」と振り返り、「よくよく考えないと、自分の力で導き出したお芝居だと勘違いしてしまうぐらい自然で、本当にすごい演出の仕方だった」と称賛。
被害者の娘・白石美令役の今田も、「美令は感情を抑えながら真相を追っていく役なので、どこで感情を出すかという部分には悩んでいました。監督から『ここはもう少し力強く』『もう少し感情を出してみるのはどうですか』と提案をいただいて、そのアドバイスが本当にありがたかったです」と振り返った。
事件を追う警視庁捜査一課の刑事・五代努役の柄本は「僕らが考えて解釈して持っていったものを、本当に吸収して考えてくださる方。自分なりに五代という人物を考えて監督に伝えながら、二人で少しずつキャラクターを構築していきました」と、岸監督と共に五代像を作り上げていった過程を回想。
あるシーンでは岸監督から「今のはちょっと、佑さんが言っている五代の答えじゃなかったですね」と言われたことが印象に残っているというが、岸監督本人は「忘れました」と即答し、柄本が「覚えてないだろうなと思ってましたけど」と笑う一幕もあった。
一方、美令の母・白石綾子役の吉田は、白石家3人についてA4用紙6枚にも及ぶ人物設定の資料を受け取っていたことを明かし、「健介さんと綾子が大学のゼミで知り合ったことなど、本当に細かく書き込まれていて、家族の日常が見えるような資料でした」と説明。
さらに衣装合わせの際、岸監督から「綾子さんにはボロボロになっていただきます」と告げられたといい、「当初は理性的で強い女性だと思っていましたが、ただただ健介さんが好きで、大切な人を亡くした喪失感に包まれている女性なんだと理解して、役作りを少し切り替えました」と振り返った。
さらに完成した本編の印象を尋ねられると、吉田は「全シーン山場っていう感じですね」と即答。「役者さんのお芝居ももちろんそうですけど、本当に一つ一つのシーン、一つ一つのセリフが胸に響いて、もう見応えしかない映画だなと思いました」と太鼓判を押した。

そして、まもなくこの日の観客にも本編が上映されることから、それぞれの“推しシーン”についてトーク。
松村は和真と美令が喫茶店で語り合う場面を挙げ、「二人の距離も近いし、声のボリュームも変わっていく」と説明し、「映画館のスピーカーで、感じながら見てほしい」と大きなスクリーンでの鑑賞を勧めた。
今田が挙げたのは、柄本演じる五代が“お茶を飲んでいるシーン”。柄本は「出されたお茶は絶対に飲むって決めてたんです」と自身で作った設定だったことを明かしたが、岸監督からは意外な裏話も。
元刑事による警察監修では、捜査先で出されたお茶には手をつけないことが多いと聞いていたものの、後になって東野がプロデューサーに「五代はお茶を飲む刑事なんです」と伝えていたことが判明。岸監督が「正解だったんです」と明かすと、柄本は「マジですか? すごい話。俺、全然知らなかった」と驚きをあらわにした。
吉田は「二人のお父さんの嘘」を挙げ、「大切な人を思うからこそつく嘘というのがテーマの一つでもある」と語り、「結末を知った上でもう一度見ると、お父さんの告白のシーンが違って見えてくる」と見どころを明かした。
岸監督も、キャストたちの芝居には「背筋が震えるシーン」「目頭が熱くなるシーン」がそれぞれにあったと振り返り、「本当に胸が熱くなるような表情を撮影できたので、現場が幸福でした」と語った。
ここで、本作を試写で鑑賞した東野から、「ラストシーンがとても素晴らしかった」との感想が寄せられていたことがサプライズで明かされた。
初めてその言葉を聞いた松村は、「ラストシーンに向けて少しずつ積み重ねていっている感覚はあるので、ラストシーンが一番良かったと言っていただけたことが本当にうれしい。この作品の親である原作者の方にとって“いい映画だった”ということが、最大の安心であり、賛辞だと思います」と感謝。
今田も「ちょっと驚きすぎて……。美令にとってはすごく複雑な感情になる場面でもあり、希望になるシーンでもあるので、私自身も大切に撮影させていただきました。そういう言葉をいただけて、すごくうれしいです」と喜びをかみしめた。
本作の奥深い魅力が次々と紐解かれていく中、イベントもクライマックスへ。
岸監督は「僕の大好きな役者さんと、この原作をもとに一生懸命作った作品です」と語り、「このミステリーの中にたくさんの表情があると思います。その俳優たちの顔をじっくり見ていってください」と呼びかけた。
今田も「この作品はミステリーとしてもちろん見どころがたくさんありますし、それぞれの登場人物が抱える思いや人間模様もとても繊細に描かれています。一つ一つの表情や仕草にも、その人物の感情がにじんでいて、見逃せないものばかりなので、ぜひ最後までじっくり観ていただけたらうれしいです」と作品の魅力をアピール。
最後に松村は「この映画の登場人物たちはみんな、それぞれいろんな種類の優しさで人生が動いていく登場人物たちばかりです。この映画が生み出したメッセージも、皆さんへ向けての優しさに満ちあふれたものだと僕は感じています。映画を見るタイミングによって、皆さんそれぞれいろんな心でいらっしゃると思いますが、どうぞ身構えずに、その優しさに委ねるように映画館の座席に座って楽しんでいただけたらと思います」と、作品に込めた思いを届けた。
そして公開前夜祭のフィナーレには、全国公開を祝う特別な演出も。本作の世界観を思わせる、白と黒を基調に淡いブルーやピンクの花々を織り交ぜた特製のくす玉がステージに登場。松村と今田が紐を持ってスタンバイし、MCの掛け声を合図に二人が紐を引くと、くす玉が華やかにオープン。全国公開を登壇者全員で盛大に祝福した。

最後まで大きな拍手に包まれる中、登壇者たちはステージを後にし、イベントはキャスト・監督の熱い思いがたっぷりと語られる特別な一夜となった。
映画『白鳥とコウモリ』は、9月4日より全国公開。
『白鳥とコウモリ』
出演:松村北斗 今田美桜 柄本佑 前原滉 井之脇海 宇野祥平 松岡依都美 松尾諭 丸山智己 三浦誠己 斉藤陽一郎 原田琥之佑 のせりん 漆山拓実 五頭岳夫 中村芝翫(特別出演) 井川遥 吉田羊 風吹ジュン 三浦友和
原作:東野圭吾『白鳥とコウモリ』(幻冬舎文庫)
監督:岸善幸
脚本:向井康介
主題歌:大森元貴「灰色」(ユニバーサル ミュージック / EMI Records)
制作会社:テレビマンユニオン
配給:松竹
(C)2026「白鳥とコウモリ」製作委員会
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9月4日(金)全国公開