【レポート】『ひらいて』遂に公開を迎え、撮影裏話を告白…!山田杏奈&首藤凜監督「現場では、静かに闘っていた」

ひらいて

芥川賞作家・綿矢りさの原作を実写映画化した『ひらいて』の公開記念舞台挨拶に、主演の山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、芋生悠、首藤凜監督が登壇した。

映画『ひらいて』公開記念舞台挨拶 概要

日時:10月23日(土) 11:45~12:15(30分間)※本編上映後
登壇者(敬称略):山田杏奈、作間龍斗、芋生悠、首藤凜監督
場所:新宿ピカデリー

全国62劇場の映画館で生中継された舞台挨拶。遂に10月22日(金)に公開初日を迎え、主人公の愛を演じた山田が「本日はお越しいただきありがとうございます。映画はいかがだったでしょうか?」と満席の会場のお客さんへ呼びかけると、大きな拍手が贈られた。

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続いて、愛に激しく恋焦がれられるたとえ役を演じた作間は「映画をご覧になって、恐らく中身にいたたとえ君と全然違う自分だと思うんですが、ここに立っているのはジャニーズ事務所からきました作間龍斗です(笑)。今日はよろしくお願いします!」と笑顔で挨拶。

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たとえの秘密の恋人・美雪役を演じた芋生は「昨日初日を迎えて、今日もこんなにたくさんのお客さんが入ってくださって嬉しく思います」と語り、首藤監督は「観ていただく前だと気負わずに話せるのですが、観ていただいた後だと全部さらしてしまったというか、劇中の愛じゃないですけど全部服を脱いでからまた着て出てきたような不思議な気持ちで立たせていただいています(笑)」と笑顔で挨拶した。

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「この作品を撮るために映画監督になった」と公言している首藤監督だが、遂に公開を迎え「原作を読んだのが17歳の時で今は26歳になっていて、当時恋愛というのは好きな人に好かれることという価値観の中で生きてきたんですけど、3人のとてもいびつな三角関係に出会って感銘を受けた作品を、こうして観て頂けてとても嬉しいです」と明かし、「自分にとっては救われた作品」とも以前語っていたが「それぞれの不思議な関係というのが人生で色んなことが起きる前だったので、いつか自分にもこういう事が起こるかもしれないという予感のような感覚を受けて…本当に今日まで生きてこられた理由の一つだと思っています」と語る。

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非常に難しい役となった主人公の愛だが、演じた山田は「私自身、愛というキャラクターをなかなか理解できない部分もあったんですけど、ただ愛のパワーの強さみたいなのはすごい面白いなとお芝居していました」と撮影を回顧。さらに愛に対しては「羨ましい部分はあります。あそこまで思いきって行動できたらなとか、ごみ箱を投げるシーンとかすごい楽しくて(笑)。私は絶対投げられないから、ごみ箱をあのように投げる人とか面白いなって思ったり、羨ましくもありつつつ、でも近くにいて欲しくないなとも思いつつ、映画の中で愛は人間臭くて、素敵なキャラクターだなと思いました」と心境を語った。

また、寡黙なたとえ役を演じた作間は「僕自身、第一印象はたとえ君みたいなクールな寡黙な感じだと思ったんだけど、喋ってみるとぶっ飛んでるねと言っていただく事が多かったので、中身の作間を封印して、佇まいだけの作間で挑んでいました」と役作りについて語った。

さらにオーディションで決まった美雪役の芋生は「美雪という役を私ができるかという不安があったのですが、監督が選んで下さって、それに応えられたらいいなというのがまずあって、嬉しさと同時に不安もありつつ。美雪はミステリアスで透明感があってという印象だったんですけど、やっていく中で美雪の人間味が増していってどんどん好きになりました」と述懐した。

まさに正反対の2人に愛されるたとえだが、作間は「すごい所にたとえ君は立っていますよね。僕自身たとえ君がそんな状況にいるのも羨ましいですけど、まぁちょっと大変そうですが…2人と接する時は全然違う人になっているんだろうなと感じながらやりました」と語り、愛に対してかなりきつい言葉を言い放つたとえについては「なかなか苦しかったですね。普段はあんまり喋らないが、本当に伝えなきゃだめだなっていう時に結構エグい『貧しい笑顔だね』に始まり…あそこは作間自身も結構苦しみながらやっていました」と語った。

その部分だけは、作間から監督にセリフの変更の提案があったといい、「あの言葉が結構苦しくて…言っている僕自身泣きそうになってきたので『さすがにちょっとだけ変えてみてもいいですか?』と提案させていただきました」と当時を振り返った。

愛と美雪の関係も複雑だが、芋生は美雪について「愛を哀れむことはしたくないというか、哀れみというより一番近くに愛がいたし、一番近くで愛と触れ合っていたから私が愛ちゃんのことを一番分かっているという愛情だと思う。一番深い愛を愛ちゃんに対して持っているなと」感じたと語った。

そんな芋生については、作間も「本当に優しい雰囲気を現場中にばらまきまくっていて、美雪がいる現場の日は、こういう感じ(笑)。ふわふわーっとした感じで、本当に助かっていましたね。忙しいスケジュールだったので、芋生さんの存在はすごく助かりましたね!」と現場の癒やしだったと語った。

また、山田について首藤監督は「山田さんは最初から愛のことが分からないという所で苦しんでらっしゃいましたし、直接ぶつかることはなくても、静かに駆け引きみたいな闘っている感じだったんですけど、途中から分からない事を受け入れてくれたような気がして、そこからは分からないままやっているというのがモニターを見ていてもこんな顔なんだとか、新しい表情が見られて嬉しかったです」と語る。

一方、作間は本読みの際、首藤監督から地味な高校生ということで猫背で意識して歩いてみてと言われたといい、「そこから私生活を猫背にして過ごしてみたんですけど、今見事に猫背になったんですよ(笑)。完璧な猫背で、最近もう首とか痛めるくらいの猫背になってたんですけど」と会場を笑わせた。

さらに、芋生について首藤監督は「私が原作の美雪がすごく大好きで、自分の憧れの好きな女の子という枠に当てはめてしまうのがすごく恐かったんですけど、芋生さんとお会いしてから具体的に見えてきて。芋生さんは本当に演じることにストイックで素敵な女優さんなので、一つ一つの衣装選びから髪型選びまで、細かくディテールを美雪として膨らませて相談していくという時間があって、とても頼りにしている存在でした」と語ると、芋生も「首藤さんとはすごく姉妹みたいで距離感が近くて。美雪って愛ちゃんのことを考えている時間が長くて、現場に入ると自分のことをあまり考えていなくて、監督も私もずっと愛ちゃんのこと考えていました」と語った。

そんな芋生は、山田との共演は今作が3回目。「信頼関係があって、2人で向き合っている時間というのは本当に嘘が無くて。全力でぶつけてくれるから、それが嬉しかったし幸せでした」と振り返った。また、「現場自体はずっと愛が大変という感じでしたよね」と首藤監督が語ると、山田も「愛が本当に大変過ぎて…」と吐露し、首藤監督が「よく演じ切っていただいて、嬉しいです」と心からの言葉で伝えると、山田も「ありがとうございます」と安堵の笑顔を見せていた。

最後には、芋生が「いろんな人たちがみてくれて、皆さんの感想があると思うんですけど、自分のことが好きになれなくて迷っている人とかにみてもらって、自分のことを肯定してもらいたいし、大丈夫だよって伝えられるような作品になっています。いろんな方に勧めていただきたいなと思います」とメッセージを贈り、作間も「作品として色んなものをもらえる、人生がまたひとつ豊かになる作品なので、たくさんの方に観ていただけたら」と呼びかけた。

そして、山田は「昨日公開になって、すごくエゴサしているんですよ(笑)。すごく思い入れのある作品になっていて、闘った記録みたいなものを一人一人が感じていただけたらすごく幸せだと思います」と語り、首藤監督も「映画をご覧になって色んな気持ちになった方がいらっしゃると思うんですけど、私が原作を読んだ時に、愛・たとえ・美雪の3人に出会えて嬉しかったんですが、今回3人に出会いなおすことができて、本当によかったなと今思っています。映画を観て、色んな想いを持っていただけたら幸いです」と笑顔で語った。

ストーリー
高校3年生の愛(山田杏奈)は、成績優秀、明るくて校内では人気者。
そんな彼女は、同じクラスの“たとえ”にずっと片思いをしている。
彼はクラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子。だが寡黙さの中にある聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえに、愛はずっと惹かれていた。
自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。
しかし、彼が学校で誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまった事で事態は一変する。
「たとえに、恋人がいるのではないか―」その疑惑がぬぐいきれず、愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。
手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える地味な少女・美雪。その時、愛は、初めてふたりが密かに付き合っていることを知るのだった。それが病気がちで目立たない美雪(芋生悠)だとわかった時、いいようのない悔しさと心が張り裂けそうな想いが彼女を動かした―。「もう、爆発しそう―」
愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで…。

作品タイトル:『ひらいて』
出演:山田杏奈
作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)芋生悠
山本浩司 河井青葉 木下あかり
板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人
監督・脚本:首藤凜
原作:綿矢りさ『ひらいて』(新潮社文庫刊)
音楽:岩代太郎
主題歌:大森靖子「ひらいて」(avex trax)
制作プロダクション:テレビマンユニオン
製作:「ひらいて」製作委員会
配給:ショウゲート

公式サイト:hiraite-movie.com
公式twitter:@hiraite_movie
コピーライト:(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

10月22日(金)全国ロードショー

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