【レポート】『こんにちは、母さん』山田洋次監督92歳の誕生日を祝い、豪華キャスト&観客からサプライズプレゼント!

こんにちは、母さん

映画『こんにちは、母さん』の公開中舞台挨拶に、吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、寺尾聰、山田洋次監督が登壇した。

映画『こんにちは、母さん』公開中舞台挨拶 概要

日時:9月13日(水)14:10~14:50
登壇者(敬称略):吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、寺尾聰、山田洋次監督
会場:新宿ピカデリー

本作の鑑賞を終えたばかりの観客から盛大な拍手で迎えられる中、吉永、大泉、永野、宮藤、寺尾、山田監督が登壇。

今月1日(金)より公開を迎え、週末興行収入ランキング邦画No.1を獲得し、満足度94.9%、口コミ推奨度94.3%と高い口コミでも話題を集めている本作。舞台挨拶では、観客からの感想や口コミをもとにトークが繰り広げられた。

まずピックアップされたのは、10代の観客からの「観ている時、一人で見たが映画館全員のお客さんと笑って一緒に観ているように感じた」という感想。本作を映画館で観たという吉永は「私が観に行った劇場ではおとなしいお客さまが多かったのですが、私のお友達からはたくさん笑って楽しかったと感想をいただいて、監督にもお伝えしたところです」と明かし、笑顔を見せた。

続いて、本作を3回リピート鑑賞したという一般客からは「初回は昭夫さんが労しく心配で身につまされながら、2回目は細かいところで結構笑いながら。今日はカメラアングルや台詞回しの懐かしさ、暖かさを感じながら観ました。煎餅になぞらえて心情を吐露する大泉さんの台詞回し、とても寅さんを思い出しました。作品世界みんながとにかく可愛くて、暖かったです」という熱量の高い感想が。

昭夫を演じた大泉について、監督は「本当に素晴らしい演技者だと思います。大泉さんを主人公にすれば、別の寅さんみたいな映画ができるんじゃないかと。それだけの力を持っている人だと感心しております」と手放しで称賛。

そんな監督からの言葉に目を閉じて深く頷き、感動を噛み締めていた大泉は「言わせてるんじゃないかという気もしますが…(笑)こんなにありがたいお言葉はございません」と恐縮しつつも、嬉しさを隠しきれない様子だった。

三世代の親子が織りなす物語でありながら、吉永演じる福江と寺尾演じる荻生の恋模様も描かれる本作。続いて紹介されたのは、「吉永小百合さん演じる福江と、大泉洋さん扮する昭夫が、これからどのように生活していくか。また、寺尾聰さん扮する荻生と、永野芽郁さん演じる舞のその後も気になりました。吉永小百合さん若い、恋する乙女!きっと、(荻生が移り住む)北海道まで追いかけていき、昭夫が足袋屋を継ぐと信じています」という、物語の続きを妄想した感想。

そんな予想外の展開に、「いきなり足袋屋を継がされてもねぇ。“頼むよ母さん”、“母さんの出番だね”なんていう掛け合いをしていたのに出て行っちゃうんですか」と思わずぼやく大泉監督も「息子ひとりになっちゃうわけだよね」と反応し笑いをこぼすと、大泉が「ハハハ、じゃないんですよ!監督」とツッコミを入れ、仲睦まじい掛け合いを見せる一幕も。物語の行方を想像した観客の感想に、監督は「こんなに嬉しいことはありません。あの3人はその後どうなるんだろうと想像してくださるのは、作り手にとっては本当に幸せなことですよね」と頬を緩めていた。

そのほか、「舞ちゃん(永野芽郁)が涙を流すシーンがとても印象に残り、感動しました」という感想が紹介されると、永野は「舞が思っていることを初めて吐露するシーンですね。緊張感もある撮影で、1回目の撮影で自分では思ったよりも涙を流してしまったなと思っていたら、監督が“舞ちゃんは綺麗に泣く必要はない。顔を崩していいから、もう一回”と言ってくださって。綺麗に泣かなくていいというのも分かってはいながらもどこかでセーブしていたと思うので、監督が気づいてくださった自分の中でも思い入れ深いシーンです」と撮影を振り返った。

舞の繊細な心情を丁寧に演じ切った永野に対し、そばで見守っていた大泉も「役者としてはすごい大変なシーンだったなと。監督から“君は辛くてしょうがないんだ。大人になって本当に大変なんだ”と演出が入る中で、最後に“期待してます!スタート!”っていう掛け声で撮影が始まったんですよ」と衝撃のエピソードを証言すると、熱すぎる演出に会場は爆笑!そんな監督の姿を、大泉が「あれはすごい技だなと思いましたね。テレビでワールドカップを見ている視聴者の声が選手に直接届いているようなね」と例え、再び会場の笑いを誘っていた。

続いて、宮藤に対しては「昭夫と木部(宮藤官九郎)の取っ組み合いの喧嘩が迫力があり、思わずクスッと笑ってしまいました」という感想が。宮藤はこのシーンの撮影でクランクアップを迎えたというが、「セリフはなく揉み合っている声だけだと思って撮影に向かったら、予想以上にセリフがあって。大泉さんとその場で覚えて演じていると、監督が“違う違う!”と入ってきちゃうんですよね(笑)3人で喧嘩しているようなシーンになっちゃいそうでしたが、楽しかったです」と回顧し、再び監督の熱量が垣間見えるエピソードも飛び出した。

さらに寺尾には、「50歳も近い昭夫に、“あなたはいくらでもやり直せる。あなたを羨望の眼差しで見つめている”と言われた時、自分に言われているような気持ちになり涙が出てきました。何か原点に戻れるような映画です」という温かな感想も。

寺尾は「監督から牧師さんという役を聞いて、当初はためらいがありお断りしたいとお伝えしたこともありました。こんなに懺悔したいことがある男が牧師を演じるのかと思っていましたが、徐々にだからこそやってみたいなと。このセリフからも、年を重ねてもやり直せるだろうという監督の思いを感じ、“寺尾もまだやり直さなきゃいけないことがあるぞ”とぶつけられたような気持ちになりました」と振り返った。

そう語る寺尾の隣で、「余談ですが…」と切り出したのは大泉。「あのセリフの後、“牧師さんがそう言ってたわよ”と福江が昭夫に言うんです。そして昭夫は“聞いてたよ”と繰り返すんですね。あのシーンで、僕ちょっと寺尾さんの真似が入ってたんですよ。するとそのシーンで笑いが起きていて、“ウケてる!”と思って。笑うシーンじゃないんですけどね」と秘話を明かし、会場を盛り上げていた。

そしてイベントの後半には、この日誕生日を迎えた監督へのサプライズプレゼントとして、登壇したキャスト陣&会場に集まった観客からのお祝いコメントで埋め尽くされた特大サイズの寄せ書きが贈呈された。

こんにちは、母さん

会場からは大きな拍手が湧き起こる中、代表して吉永から「お誕生日おめでとうございます!これからは、監督作100本を目指して歩んでいただきたいなと思います。私たちもついていきます」とお祝いの言葉が贈られると、監督は照れ笑いを浮かべながらも「小百合さんにお祝いの言葉をいただくなんて、最高ですね。どうもありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。

その後フォトセッションが行われ、イベントの最後には監督から「本日はお越しいただきありがとうございました。僕のつまらない挨拶よりも、大泉さんに話してもらった方がいい」と大泉にマイクが渡された。

予想外の展開に戸惑いながらも、大泉は「本日で宣伝活動も一区切りだと思うと寂しい思いがしますが、私としては毎週大ヒットで舞台挨拶したいくらいですけれども…(笑)これからもぜひ劇場へ足を運んでいただき、また本作をご覧いただければ嬉しいです。ありがとうございました」と締めくくり、会場は盛大な拍手で包まれた。

こんにちは、母さん
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こんにちは、母さん
こんにちは、母さん
こんにちは、母さん

ストーリー
大会社の人事部長として日々、神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉洋)は、久しぶりに母・福江(吉永小百合)が暮らす東京下町の実家を訪れる。
「こんにちは、母さん」
しかし、迎えてくれた母の様子が、どうもおかしい…。
割烹着を着ていたはずの母親が、艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活している。
おまけに恋愛までしているようだ!
久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っいたことに気付かされてゆく。

作品タイトル:『こんにちは、母さん』
出演:吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、寺尾聰、宮藤官九郎、田中泯、YOU、枝元萌
加藤ローサ、田口浩正、北山雅康、松野太紀、広岡由里子、シルクロード(フィッシャーズ)、明生(立浪部屋)、名塚佳織、神戸浩
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
原作:永井愛
上映時間:110分
配給:松竹

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/konnichiha-kasan/
公式Twitter:https://twitter.com/konnichihakasan
公式Instagram:https://www.instagram.com/konnichihakasan/
コピーライト:(C)2023「こんにちは、母さん」製作委員会

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