映画『マイ・ブロークン・マリコ』の公開記念舞台挨拶に、主演の永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊、タナダユキ監督が登壇した。これまで永野と奈緒、そしてタナダ監督の登壇で行われてきた本作の舞台挨拶だが、今回はじめて窪田、尾美、吉田と、物語を支える名俳優たちが参戦し、改めてこの作品の持つ魅力と、撮影時のエピソードを振り返った。
イベント概要
日程:10月1日(土)11:05~11:35 ※上映後イベント
登壇者(敬称略):永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊、タナダユキ監督
会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7
いよいよ公開を迎えた今の気持ちを「純粋にうれしいです」と語る永野は、「ただもちろんうれしいんですけど、(プロモーションのために)いろんなところでこの作品を観てくださいとお話しさせていただいた時間が今日でひと区切りしちゃうんだなと思うと、どこかさみしくもあって。ここからは観てくださった皆さんにつないでいってもらえたら」とコメント。
続く奈緒も「映画の話が決まった時から、本当に早く届いてほしいと思っていました。原作も本当に大好きだったので、待ち遠しくてたまらなかったこの日がやっと来たという気持ちで。今は本当にうれしくて胸がいっぱい。またこうやって皆さんにどんどんと広げていただいて、シイちゃんの旅がいろんな方に広がっていくんだなと思うと、すごくドキドキしています」と晴れやかな顔を見せた。
試写で本作を鑑賞した際、隣で観ていた奈緒と一緒に、人目もはばからずに号泣してしまったという永野。「自分自身がやっていながらも、内容を分かっていながらも“くらう映画”ってあるんだなと思っていたんですけど、実は昨日の初日もここ六本木ヒルズの映画館に観に来て。昨日はようやく冷静に観ることができましたが、それでもやっぱりいい映画だなと思いました」とかみ締めるようにコメント。
奈緒も「わたしは(永野)芽郁ちゃんとのシーンがほとんどだったので、自分が見られなかったシーンが多かったんですけど、全部がつながって、そこにすばらしい音楽が入って、パワーを持った原作がこうやって映像になったのを観た時に、より多くの人に届く作品になったんじゃないかなと思って。本当に感無量でした」としみじみした様子で続けた。
また、旅先で途方に暮れていたシイノに手を差しのべる青年・マキオを演じた窪田は「現場でも、芽郁と奈緒ちゃんが本当に仲が良くて。その姿を見ていたし、その二人のお芝居を、タナダ監督がわが子を見るようにしてカメラの横にいたことを思い出します。原作は疾走感がある絵で、躍動感があって。人生ってはかないものだなと感じさせるけど、映画の中ではシイノが立ち止まったり、イライラしていたり。人生を凝縮した時間だという風に見させてもらって。なんだか二人の一生というか、そういうものをこの映画の時間で見ることができた気がしましたね」と述懐。
そんな永野にとって、窪田は事務所の先輩ということもあり、「窪田さんは本当に頼もしくて」と全幅の信頼を寄せている様子。さらに「前回ご一緒した時が10代で。その時もいろいろと助けていただきました。そして今回の映画でもシイノがマリコと旅に出て、気付いたら救われるという関係性なんですが、撮影現場でも窪田さんが普通にいるだけで救われたり助けられたりしてもらっている部分がすごく大きかった。事務所の先輩でもあるので、本当に一生ついていきます、という感じです」と窪田に呼びかけるなど、二人の信頼感の高さをうかがわせた。
さらにマリコの実父を演じた尾美が「自分が演じた父親は本当に嫌なヤツだなと自分でやっていても思ったので、(役者としては)良かったなと思ったんですが、とにかく皆さんの演技が本当にすばらしかったですよね。感情の出し方が大げさでなく、心が震えるようなお芝居をなさっていたので本当にすばらしいなと思いました」とコメント。
そして、マリコの義母・タムラキョウコを演じた吉田も「原作を拝読させていただいた時は、シイちゃんとマリコは、友情とも愛情とも違う、魂の結びつきを持った二人なんだなという感想だったんですけど、実際にリアルで演じられている二人を見た時に、二人でひとつなんだなと感じました。そういう自分の片割れをなくしてしまった悲しみとか痛みというのは計り知れないですけども、そういう存在に出会えた二人というのは、ほんの少しだけ幸せだったのかなと。わたしもこれから生きていく上で、そういう存在に出会えたらいいなと思いも感じながら拝見しました」とコメント。その言葉に永野も静かにうなずいていた。
そんな役者陣の言葉を横で聞いていたタナダ監督は「毎日撮っていて、ここにいる方たちのお芝居が想像を超えていて、とてつもなくすばらしいので。その分、仕上げは1ミリも気を抜けないなというプレッシャーがあった。それをなんとかしようと試行錯誤しながら、仕上げチームとも一生懸命やったという感じでした」としみじみと振り返った。
そして、あらためて「わたし自身が好きだなと思える映画ができたこと、そしてそこに携わることができたことを本当に誇りに思います」と語った永野は、「生きていたらいいことも悪いこともきっとあると思うんですけど、それでもこの世界で生きていこうかと思えるような、前向きになれるような作品ができたと思うので、ぜひ何度も観てください」と観客に呼びかけた。
イントロダクション
原作となった平庫ワカの「マイ・ブロークン・マリコ」は、2019年に無料WEBコミック誌「COMIC BRIDGE」で連載(全4回)されるやいなや毎話SNSでトレンド入りし、翌年出版された単行本(全1巻)では即重版が決定するなど、爆発的な反響を呼んだ。
また、「輝け!ブロスコミックアワード2020」大賞を受賞、「この漫画がすごい!2021年オンナ編」第4位にランクインしたほか、2021年に文化庁が主催するメディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞するなど、ほぼ無名に近い新人作家の初連載作にも関わらず、異例の快挙を成し遂げ話題となった。「親友の遺骨を持って旅に出る」という今までにない斬新な物語設定と、見る者に投げかける答えの見つからない問いかけが、多くの読者の心に刺さり一瞬にしてその世界に引き込む。
映画では、タナダ監督の力強さと繊細さを兼ね備えた演出、永野のこれまでのイメージを大胆に覆す役柄と演技、そして原作の持つ物語の力がひとつになり、人間の儚さと逞しさが、優しく熱をもって描かれる。
ストーリー
鬱屈した日々を送るOL・シイノトモヨは、テレビのニュースで親友・イカガワマリコが亡くなったことを知る。学生時代から父親に虐待を受けていたマリコのために何かできることはないか考えたシイノは、マリコの魂を救うために、その遺骨を奪うことを決心する。「刺し違えたってマリコの遺骨はあたしが連れてく!」。マリコの実家から遺骨を強奪、逃走したシイノは、マリコの遺骨を抱いて“ふたり”で旅に出ることに。マリコとの思い出を胸にシイノが向かった先は…
作品タイトル:『マイ・ブロークン・マリコ』
出演:永野芽郁
奈緒 窪田正孝 尾美としのり 吉田羊
監督:タナダユキ
脚本:向井康介 タナダユキ
音楽:加藤久貴
原作:平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』(BRIDGE COMICS/KADOKAWA刊)
音楽:加藤久貴
エンディングテーマ:「生きのばし」Theピーズ(P)2003King Record Co.,Ltd.
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介
コー・エグゼクティブプロデューサー:堀内大示 大富國正
企画・プロデューサー:永田芳弘
プロデューサー:米山加奈子 熊谷悠
共同プロデューサー:横山一博 岡本圭三 成瀬保則
撮影:高木風太 照明:秋山恵二郎 録音:小川武 美術:井上心平 装飾:遠藤善人 編集:宮島竜治 VFXスーパーバイザー:諸星勲 音響効果:中村佳央
スクリプター:増子さおり スタイリスト:宮本茉莉 ヘアメイク:岩本みちる キャスティング:山下葉子 助監督:松倉大夏 制作担当:村山亜希子
製作:映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会(ハピネットファントム・スタジオ/KADOKAWA/エキスプレス)
製作幹事:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:エキスプレス
制作協力:ツインズジャパン
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
配給:ハピネットファントム・スタジオ/KADOKAWA
公式サイト:https://happinet-phantom.com/mariko
公式twitter:@mariko_movie
コピーライト:(C)2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会
全国公開中
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