【レポート】「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」完成報告会に小泉孝太郎、泉里香、薮宏太、陣内孝則、内片輝監督が登壇

連続ドラマW 松本清張 眼の壁

「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」(全5話/WOWOWにて6月19日(日)午後10:00放送・配信スタート)の完成報告会が5月30日(月)に東京国際フォーラムにて行われ、主演の小泉孝太郎をはじめ、泉里香、薮宏太、陣内孝則、内片輝監督が登壇した。

「或る「小倉日記」伝」で芥川賞を受賞し、「点と線」「砂の器」ど数々のベストセラー作品を世に送り出した松本清張。そんな彼が「点と線」に次いで発表、社会派推理小説の起点になった記念碑的な作品でもある「眼の壁」(新潮文庫刊)が、没後30年となる節目の年にWOWOWにて待望の連続ドラマ化。昭和32年に発表した傑作ミステリーをバブル終焉期の1990年に舞台を移し、松本清張原作のミステリアスな世界観を蘇らせる。

イベントは、まずプロモーション映像が流れ、簡単な作品紹介からスタート。そして、手形詐欺の真相を追いかける正義感あふれる主人公・萩崎竜雄を演じる小泉孝太郎を筆頭に、事件の鍵を握るとみられる「謎の美女」上崎絵津子役・泉里香、巧妙な手形詐欺で主人公らを翻弄する堀口勝役・薮宏太、金融業者である山杉商事の社長・山杉喜太郎役の陣内孝則、「連続ドラマW 殺人分析班」シリーズなど数多くのクライム・サスペンス作品を手掛けてきた内片輝監督が登場した。

当日は、この模様がYouTubeで生配信されているということで、登壇者はカメラに向かって笑顔で手を振り、なごやかな空気のもとでイベントが始まった。

主演の小泉は、台本を最後まで読んだときに「苦しかった」と告白。「光栄でしたけど、本当に苦しくなる役柄なんです。僕が関わる人はみんな、台本を読んでいるときからゾクゾクするような、一体何を考えているのかわからない人たちばかりで。まともなのは僕が演じた萩崎くらいです。誰を信用したらいいのか、何を信じて進んでいけばいいのか、あの苦しさは、なかなか味わえない。1話から苦しい作品になる覚悟を決めましたし、やりがいがあった。今はものすごく達成感、満足感に包まれていますし、素晴らしい作品と出会えたことを心から感謝しています」と晴れやかな表情で伝えてくれた。

また、現場の雰囲気については「陣内さんなんて怖すぎますからね!普段は本当に優しいんです。でも作品では途中から、目を合わせるのも本当に怖かった。今だって(陣内のいる)左側は向きたくない。あ、思い出してしまうとね(笑)」と振り返った。

その反対側には、ドレスアップした艶やかな姿の泉の姿が。萩崎を翻弄する上崎絵津子役のは、「(演じた)絵津子はミステリアスで謎に包まれた女性。山杉社長と堀口さんに囲まれた絵津子は、強い女性で賢く、上手く人生を生き抜いてきた強さがある。楽しみながら、参加させてもらいました」と感慨深げに語った。

また、ホステス役としての所作や劇中で出てくるダンスシーンに関しても、「レッスンを受けて、学ばせてもらうことが多かった。細やかな動き、女性として美しく見せるふるまい方は勉強になりました。ダンスはコツを掴むまでが難しかったので、そこは苦労しましたね」としみじみと振り返ると、「ダンスをリードする側なので大変だったと思う」と小泉がフォロー。「もっと色っぽく!もっと色っぽく!」と監督がディレクションしていたことも明かした。「至近距離で終始ドキドキしていました」「こちらこそ。唯一、癒やされたシーンかも(笑)」という2人のやりとりから、劇中のダンスシーンに期待が高まる。

陣内も「内片監督の演出は細かく、中華料理を食べるところでも上品に食べようと思っていたのに、もっと下品に音を出して!」といったエピソードを語ると、「必見です、怖かった」と小泉も太鼓判を押した。

手形詐欺の実行犯を演じつつも実際は嘘がつけないタイプだというは、「自分たちの、Hey! Say! JUMPでやっている番組でも、僕が嘘をついて騙せるかどうかという企画では、大体騙せないんです。今回、このドラマで詐欺師役というのが出たときに、ツイッターのほうでエゴサーチってやつをしてみたら、“あの薮ちゃんが詐欺師なんてできるわけないじゃん”って。なんだと!? 詐欺師役だってちゃんとできるんだぞってところを見せなければと思いました」とクランクイン前のリアルな気持ちを報告。役作りについても、「騙すことに慣れつつ、どこか本当に詐欺をしたいって思ってやっているのか、そういうものが透けて見えたらおもしろいよね、と監督がおっしゃっていたので、そこを大切にしながら演じていました」と語ってくれた。

そしてここで、この日登壇が叶わなかった上地雄輔からのコメント動画が公開された。上地は、「小泉孝太郎とは3歳からのつきあいで、学生時代は夢を語ったり、他愛もない話をしたりと、たくさんの思い出がある。共演した中で一番仲がいい作品ができたこと、本当にうれしく思います。縁のある人たちとの作品で、温かい現場の雰囲気が画の中に詰まっていると思いますので、ぜひご覧になってください」と、明るい表情で語っていた。

幼少期からスイミングスクールなども一緒に通い、夢を共有してきた2人。「そんな特別な存在と本作では親友役ということで、実は甘えが出ないか不安だった」と語る小泉。「結果的に僕は、ものすごく雄輔の存在に救われた。役で親友同士であるように、昔から親友で家族のように付き合ってきた雄輔には心から感謝して、ご飯をおごりました」。

最後に、監督は「原作とは時代設定をずらしているが、時代は違っていても、松本清張先生の持っているもの、ミステリアスなものは損なわないように、みなさんのキャラクターを深堀りしていった。登場人物がそれぞれ単純ではない、重層的なキャラクターになっているところを堪能して欲しい」と、この作品に懸ける思いを語った。

トークのあとは、ムービー&フォトセッションへ。ガッツポーズや笑顔などリクエストに応え、ムービーカメラにもにこやかに手を振り、報告会が終了した。

「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」(全5話)は、6月19日(日)午後10時00分より放送・配信スタート。

原作紹介

眼の壁

松本清張『眼の壁』(新潮文庫刊)
白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた手形詐欺。責任を一身に負って自殺した会計課長の厚い信任を得ていた萩崎は、学生時代の友人である新聞記者の応援を得て必死に手がかりを探る。二人は事件の背後にうごめく巨大な組織悪に徒手空拳で立ち向うが、せっかくの手がかりは次々に消え去ってしまう……。複雑怪奇な現代社会の悪の実体をあばき、鬼気迫る追及が展開する。

【松本清張・プロフィール(1909-1992)】
小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した「西郷札」が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、「或る「小倉日記」伝」で芥川賞受賞。1958年の「点と線」は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。


ストーリー
1990年、資金繰りに苦しむウキシマ電業製作所の経理課長・萩崎竜雄(小泉孝太郎)は、部長の関野(甲本雅裕)と共に融資交渉に奔?していた。しかし資金の目途が立った矢先、関野が2億円の手形詐欺に遭ってしまい、手形を奪われた関野も姿を消してしまう。経営陣は体面をつくろうため、事件を隠蔽することを決めるが、萩崎は父の恩人でもある関野のために新聞記者の友人・村木(上地雄輔)の力を借りて真相追求に乗り出す。しかし、調べれば調べるほど、事件の闇は深まって行く。背後にうごめく、権力者や組織の影。そして萩崎は、事件の鍵を握るとみられる謎めいた美女・上崎絵津子(泉里香)に辿り着く。

作品タイトル:「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」
出演:小泉孝太郎 泉里香 上地雄輔 薮宏太
山崎銀之丞 忍成修吾 中島ひろ子 飯田基祐
甲本雅裕 金田明夫 加藤雅也 陣内孝則
原作:松本清張『眼の壁』(新潮文庫刊)
監督:内片輝(「連続ドラマW 殺人分析班」シリーズ、「連続ドラマW 孤高のメス」他)
脚本:深沢正樹(「警視庁捜査一課長」シリーズ他)
音楽:諸橋邦行
チーフプロデューサー:青木泰憲
プロデューサー:井口正俊 的場政行
企画協力:ナック 菊地実
製作:WOWOW ファインエンターテイメント

「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」
6月19日(日)放送&配信スタート(全5話)

毎週日曜午後10:00 WOWOWプライム放送[第1話無料放送]・WOWOWオンデマンド配信[無料トライアル実施中]
https://www.wowow.co.jp/drama/original/menokabe/

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