【レポート】『PLAN 75』倍賞千恵子、カンヌ帰国後の磯村勇斗、早川監督に「みんなの笑顔が浮かんだ!追い風になれば」

PLAN 75

第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別表彰を受けた映画『PLAN 75』(6月17日公開)のプレミア試写会が5月30日に都内で行われ、主演の倍賞千恵子、共演の磯村勇斗、そして早川千絵監督が参加した。

本作は、映画監督・是枝裕和が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN75』を新たに構築し、キャストを一新した早川監督のオリジナル脚本による作品。早川監督は本作が長編初監督作品ながら、2022年カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門への正式出品、カメラドール特別表彰授与という快挙を成し遂げた。

映画『PLAN 75』凱旋プレミア試写会イベント

日時:5月30日(月)18:15~18:45
会場:ニッショーホール(旧ヤクルトホール)
登壇ゲスト(敬称略):倍賞千恵子、磯村勇斗、早川千絵監督

超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作。主人公の角谷ミチを演じた倍賞は「ドキドキしちゃって、舞台袖でも監督と『心臓が喉元まで来ている』と話していました。でも皆さんがどのような感想を持っていただけるのか、私も楽しみにしています」と凱旋上映にニッコリ。カンヌでの特別表彰には「本当に良かったと思ったし、監督の顔も、そして撮影で寒い中一緒に山登りをしたスタッフのみんなの顔も思い浮かんで、それが笑顔に変わっていくようで嬉しかった。これが追い風となり、映画館に足を運んでくれる人が増えたらいいと思いました」と喜んだ。

PLAN 75

<プラン75>に携わる市役所職員・岡部ヒロム役の磯村は「寒い中での撮影でしたが、特別表彰という知らせを聞き、寒かった体が温まるような気持ちがしました」としみじみ。カンヌにも参加したが「自分が出演している映画が海外で上映され、エンドクレジットの時にスタンディングオベーションというのは人生で経験したことがなかった。言葉にできない感動を味わいました。これからも映画を愛していきたいと強く思いました」と感動。レッドカーペットも闊歩しており「こんな景色をこの年齢で見ていいのか?と思うものを見てしまいました。これからも貪欲に頑張ろうと思いました」と気持ちを新たにしていた。

PLAN 75

早川監督は「この映画に携わってくれた多くの皆さんの力によってできた映画なので、その努力が報われてこのような評価をいただいた」と受賞を噛みしめ、「日本の物語ではありますが、国籍関係なく伝わるものがあったと思います」と海外の観客のリアクションに手応え。主演を引き受けた倍賞については「倍賞さんにやってもらえたからこそ、この映画が完成しました」と感謝を述べていた。

最後に特別表彰を祝して、倍賞と磯村が早川監督に花束贈呈。早川監督は「余白を残した演出をしているので、皆さんの感じるままに自由に観ていただきたいです」とアピールし、磯村も「考えることが重要。今日本で起きている社会問題に関心を持ってもらえるきっかけになれば嬉しいです」と期待。主演の倍賞は「もう二人にほとんど言ってもらえたので…私は歌を歌います」と宣言し、劇中で歌う『林檎の樹の下で』のワンフレーズをアカペラ歌唱。美声を響かせた後「続きは映画の中で歌っていますので、ぜひ聴いてください」と予告して拍手喝さいを浴びていた。

PLAN 75

イントロダクション
超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自らの生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作の主人公・角谷ミチを演じるのは、9年ぶりの単独主演作となる倍賞千恵子。<プラン75>に携わる側には磯村勇斗河合優実を配し、他にたかお鷹ステファニー・アリアン大方斐紗子串田和美らが顔を揃えた。

2025年には日本の国民の5人に1人が75歳以上になると言われる今、ここに映し出される状況は絵空事と言い切れるほど遠くはない。不寛容や人の痛みへの想像力を欠いた世の中への危機感とともに、命の尊さを静かに、そして強く訴える。

ストーリー
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。
夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチは78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリアは幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に臨む日々を送る。果たして、<プラン75>に翻弄される人々が行く着く先で見出した答えとは―。

作品タイトル:『PLAN 75』
出演:倍賞千恵子
磯村勇斗 たかお鷹 河合優実 ステファニー・アリアン 大方斐紗子 串田和美
脚本・監督:早川千絵
脚本協力:Jason Gray
エグゼクティブ・プロデューサー:小西啓介 水野詠子 國實瑞惠 石垣裕之 Frédéric Corvez Wilfredo C. Manalang
プロデューサー:水野詠子 Jason Gray Frédéric Corvez Maéva Savinien
企画・制作:ローデッド・フィルムズ
製作:ハピネットファントム・スタジオ ローデッド・フィルムズ 鈍牛倶楽部 WOWOW Urban Factory Fusee
配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/plan75/
公式Twitter:@PLAN75movie #PLAN75
コピーライト:(C)2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開

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