【レポート】『PLAN 75』倍賞千恵子が生を全うする主人公への共感語る「頂いた命は粗末にしてはいけない」 ―公開中

PLAN 75

第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門に出品され、カメラドール特別表彰を授与された映画『PLAN 75』の公開記念舞台挨拶に、倍賞千恵子、磯村勇斗、ステファニー・アリアン、そして早川千絵監督が登壇した。

映画『PLAN 75』公開記念舞台挨拶 概要

日時:6月18日(土) 13:35~14:05
登壇者(敬称略):倍賞千恵子、磯村勇斗、ステファニー・アリアン、早川千絵監督
会場:新宿ピカデリー スクリーン1

超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行された近未来の日本を舞台に、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描き出す本作。

この日、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、中国、台湾、フィリピンなど、海外での上映決定の吉報がもたらされると、倍賞は「ビックリしています!みんなよかったね~!凄く嬉しい!」と喜色満面。磯村は「テーマ性を持った日本映画が海外に届くのはありがたいこと。このような作品がもっと増えたら嬉しい」と喜び、ステファニーも「驚いているし本当に嬉しいです!」と笑顔を浮かべた。早川監督は「カンヌで上映したときにも反響が大きくて、映画の力を感じていました。この作品がもっと多くの国に広がっていけば」と世界規模での広がりに期待を寄せた。

倍賞は本作について「脚本を読み始めたときはひどい話と思ったけれど、どんどん惹かれていって…。特に私が演じたミチが生きることを大切にしていることがわかるラストシーンに惹かれ、出演を決めました。頂いた命を粗末にしてはいけない、最後まで全うするんだというミチの強い意志に共感しました。撮影では山の中が静まるくらいに夕日が綺麗で、私はミチとしてこれからも生きていけると実感しました」とクライマックスを見どころに挙げた。

PLAN 75

磯村は「演じる上では、現場で生まれるものをどう感じるかを大切に演じました」と熱演を報告。ステファニーは「世界中で働いているフィリピン人を代表してこのような役を演じることができたのは、貴重な経験。皆さんとの共演にも、そして私が上手く演じられるように早川監督が導いてくれたことに感謝しています」と撮影を思い返していた。

PLAN 75

そして、今月誕生日を迎える倍賞に、早川監督からサプライズで花束が贈呈された。早川監督から「おめでとうございます。そしてありがとうございました」と花束を渡された倍賞は、「どうもありがとう。本当にびっくり!でも本当は監督に差し上げないといけないのに…」とカメラドール特別表彰を授与された早川監督に気遣いを見せつつ、「ちなみに私は今月29日で81歳になります。これからも精進していきたいと思います!」と抱負を述べていた。

PLAN 75

最後に早川監督は「これまで様々なメディアの方に取材をして頂きましたが、皆さん質問するよりも先にご自身の感想や思いをたくさん語ってくださいました。それが本当に印象的で大変嬉しく思いました。この作品は余白のある映画なので、皆さんにも自由に受け取っていただき、一緒に観た方と語り合ってほしい。そして、もし良かったと思う方がいたら、ぜひほかの方にもこの映画を勧めていただきたいです」と本作の魅力を語り、観客へのメッセージで締めくくった。

イントロダクション
脚本・監督を手掛け、本作が長編初監督作品ながら、2022年カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門への正式出品、カメラドール特別表彰授与という快挙を成し遂げた早川千絵「経済的合理性を優先し、人の痛みへの想像力を欠く昨今の社会に対する憤りに突き動かされて生まれた映画です。倍賞千恵子さん演じるミチという女性の姿を通して、人が生きることを全肯定する。そんな映画にしたい」と、是枝裕和監督が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN75』を再構築、キャストを一新し、長編映画化した。

ストーリー
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。
夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチは78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリアは幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に臨む日々を送る。果たして、<プラン75>に翻弄される人々が行く着く先で見出した答えとは―。

作品タイトル:『PLAN 75』
出演:倍賞千恵子
磯村勇斗 たかお鷹 河合優実 ステファニー・アリアン 大方斐紗子 串田和美
脚本・監督:早川千絵
脚本協力:Jason Gray
エグゼクティブ・プロデューサー:小西啓介 水野詠子 國實瑞惠 石垣裕之 Frédéric Corvez Wilfredo C. Manalang
プロデューサー:水野詠子 Jason Gray Frédéric Corvez Maéva Savinien
企画・制作:ローデッド・フィルムズ
製作:ハピネットファントム・スタジオ ローデッド・フィルムズ 鈍牛倶楽部 WOWOW Urban Factory Fusee
配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/plan75/
公式Twitter:@PLAN75movie #PLAN75
コピーライト:(C)2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

新宿ピカデリーほか大ヒット上映中!!

関連記事:
『PLAN 75』早川千絵監督×磯村勇斗×河合優実のスペシャルトーク映像&ストーリーを紐解く公開記念番組2本解禁!
【レポート】『PLAN 75』早川千絵監督、ステファニー・アリアン、水野詠子プロデューサーが外国特派員協会で記者会見
『PLAN 75』「身震いするほどのリアル。」上野千鶴子、武田砂鉄ら著名人16名からの絶賛コメント到着&場面写真解禁!
本年度カンヌ国際映画祭でカメラドール特別表彰『PLAN 75』貴重な劇中CM映像が全編解禁! ―6月17日(金)公開
【レポート】『PLAN 75』倍賞千恵子、カンヌ帰国後の磯村勇斗、早川監督に「みんなの笑顔が浮かんだ!追い風になれば」
【レポート】『PLAN 75』早川千絵監督、カンヌ国際映画祭でカメラドール スペシャル・メンション受賞!コメント到着
『PLAN 75』磯村勇斗が<プラン75>の申し込みに笑顔で対応する本編映像解禁!役どころについて早川監督のコメントあり
【レポート】第75回カンヌ国際映画祭で『PLAN 75』公式上映!磯村勇斗、ステファニー・アリアン、早川千絵監督が登壇
『PLAN 75』磯村勇斗と河合優実の新場面写真解禁!早川千絵監督が語ったキャスティングの理由とは ―6/17(金)公開
【応募終了】倍賞千恵子主演『PLAN 75』舞台挨拶付き凱旋プレミア試写会に20組40名様ご招待☆
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品『PLAN 75』制度に翻弄される人々の姿を切り取った予告編・本ビジュアル解禁
倍賞千恵子主演『PLAN 75』第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品決定!長編初監督の早川千絵が快挙
倍賞千恵子主演『PLAN 75』ティザービジュアル解禁!75歳から自らの生死を選択できる制度…この制度、是か非か?
倍賞千恵子主演『PLAN 75』公開決定 ―75歳を迎えた人々に“命の選択”を与える国の政策が実行された社会を描く

↑上に戻る