【レポート】『大河への道』中井貴一、松山ケンイチ、北川景子、それぞれが勘違いした「大河」とは?

大河への道

『大河への道』(5月20日(金)全国公開)の先行プレミア上映イベントが実施され、主演の中井貴一をはじめ、共演の松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、和田正人、溝口琢矢、平田満、橋爪功が勢ぞろいした。

千葉県香取市では地元を盛り上げるために、郷土の偉人「伊能忠敬」を主役にした大河ドラマの開発が進むが、驚くべき新事実が発見される。それは1821年に史上初の日本地図を完成させたのは、あの伊能忠敬ではなかった、ということ。では一体、初の日本地図は誰が、どのように作ったのか。そこには、歴史に埋もれてしまった、涙なしには語れない秘密の物語が隠されていた―。

原作は立川志の輔の新作落語「大河への道―伊能忠敬物語―」。その画期的な“伊能忠敬が出てこない伊能忠敬物語”は、2011年の初演以来、「落語を超えた究極の話芸」と評され再演を繰り返す。映画『大河への道』は、前途多難な大河ドラマ実現を描く現代の喜劇と、200年前の日本地図完成に隠された感動秘話を描く時代ミステリーの二つでドラマが描かれる。

映画『大河への道』先行プレミア上映イベント

■日時:5月9日(月)
■会場:新宿ピカデリー シアター1
■登壇者(敬称略):中井貴一、松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、和田正人、溝口琢矢、平田 満、橋爪 功

本編上映後の舞台挨拶とあり、作品に感動した観客から割れんばかりの拍手喝采で迎え入れられたキャスト一同。企画・主演の中井は「今回は自分も企画から入らせてもらい、今日という日を迎えることができて感無量です」と挨拶した。本作は立川志の輔の新作落語「大河への道―伊能忠敬物語―」が原作だが、『大河への道』というタイトルを先に知った中井は、中国を舞台にした歴史ものと勘違い。すると松山も「僕ももっと壮大な、人はどう生きていくべきなのか?みたいな人生を教えてくれそうなタイトルに思えた。でも落語を聞いて『あ、そっちね!』と思った」と照れ笑い。北川も「私は大河ドラマというものが生み出されるまでの物語だと思ったけれど、全然違いました」とヒストリーものだと勘違いしていたことを恐縮しながら明かしていた。

大河への道

松山はプライベートでも親交のある中井との共演に「普段話している雰囲気そのままというか、こんなに笑わせてくれる方はいない。僕は貴一さんのリアクションや話術でずっと笑っている。その雰囲気が役柄の間柄として出ています。だから仕事をした感じがしない」と楽しそう。それに北川も「二人ともずっと笑っていて、子ども同士がじゃれ合っているみたいで。見ていてうらやましかった」と目を細めて「何を話しているのかなあと思っていた」と興味津々。当の中井は「僕は芝居をやるときに子役や動物たちと仲良くなるけれど、そのような感じで松山君とはやり取りしていた(笑)」と仲睦まじそうだった。

地図作りに命をかける伊能隊の測量のシーンでは、とんでもない天候の中で撮影が敢行されたという。平田が「すごい天気の移り変わりで台風が直撃。撮影もさすがに中止かと思ったら、『これで撮ろう!』と。みんなで死ぬ気で撮りました」と回想すると、和田も「重いものを背負っても流されるくらいの暴風雨。でも中井さんら皆さんの目を見るとキラキラ。おいしい画が撮れるぞ!みたいな。まるで遠足前夜の小学生みたいだった」と状況説明。さらに溝口が「台風で大変な中、後ろから中井さんの『撮ろう!いける!』という声が印象的でした」と中井の役者魂エピソードを重ねると、その中井は「さっきから子どもだとか台風でもやれるとか…。ひどい奴みたいに言われているな!」と笑いを誘うも「どんな大型扇風機を使ってもあの画は撮れません。これはチャンスだと思った」と迫力あるシーンの完成に胸を張っていた。

大河への道

また撮影の終盤では、橋爪の一言でキャストとスタッフが大慌てになった一幕があったという。それは岸井が橋爪にお茶を出す場面。ほとんどの種類の飲み物が用意されていたというが、しかし現場にはなぜか日本茶だけがなく、岸井は「橋爪さんから『いいんだよ、日本茶で!』と言われても何一つお気に入りのものがなくて…。ロケ弁に付いている缶のお茶を使用することになりました!」とプチハプニングを爆笑報告。一方の橋爪は「全然覚えてない!まあ、まさにお茶を濁したような感じですね」と粋な一言を放っていた。

さらに55歳から地図作りを始めた伊能忠敬にちなんで、「55歳から始めたいことは?」との質問が飛んだ。これに松山は「家を一人で立ててみたい。職人の手を借りず、基礎から作ってみたい。基礎とか作ったことがないので、穴を掘ってやりたいですよね。一人でやってみたいです。そうなると重機の免許も必要」と本格的DIYを希望。北川は「肉体改造をしたい!55歳を超えるとだんだん体が衰えていくので、そこで私は逆行したい。55歳からさらに若返る。山登とかをして足腰を鍛えて体の中から」とインナーマッスル重視の美ボディにあこがれ。すると岸井が「ムキムキになるのかと思った!」と勘違い爆笑で、北川を「変なこと言っちゃった!?」と照れさせていた。

大河への道

そんな岸井は「学生時代にやっていた器械体操を55歳で始めたらどうなるのかなと思う」、駅伝経験者の和田は「学校の先生になって駅伝の監督になりたい」と回答。一方、溝口が「国内で行ったことのない場所に行ってみたい。世界旅行もいいかな?と思ったけれど、でも55歳になると飛行機乗るのも大変そうだし」と口にすると、還暦の中井は「大変じゃねえよ!飛行機くらい乗るよ!(笑) だったら橋爪さんはどうなるんだよ!?」と聞き捨てならぬと言い返すと、口を滑らせた溝口は「す、すいません!」と平謝りをする一幕もあり、ステージ上は和気藹々とした雰囲気に。

また映画の内容にちなんで「人生で一番鳥肌が立ったこと」を聞かれた中井は、今から約20年前の中国で起こった出来事を回想。中国での撮影がトラブルで上手くいかず、帰国しようかどうしようか迷いながら荷造りをしていた最中に、ホテルの部屋の電話が鳴ったという。出てみると、その相手は日本にいる高倉健だった。「『きいちゃんどうしてる?高倉ですけど』と。それは日本にいる高倉健さんでした。まさに荷造りをしていた最中。現在の状況を話して『こらえろ』と言われたりして。そんなタイミングで普通電話なんてありえますか?そういうところが凄い人っていうのは凄いんだなあと思った」と貴重な鳥肌エピソードを紹介した。

大河への道

最後に中井は「ここ数年、コロナというものでエンターテインメントの世界は苦しめられました。不要不急という言葉はこの世界にいる人間にとっては一番こたえる言葉でした。しかしその中でも僕らを救ったのはエンターテインメントだった気がします。まだこの時代が続くかもしれないけれど、僕らも負けないように前を向いて続けていきたいと思っています。それを支えているのはお客様!ぜひ映画館に来ることを恐れず、映画館に足を向けていただきたいです」と客席に向けてメッセージを送っていた。


ストーリー
現代→1821年〈初の日本地図完成〉→1818年〈伊能忠敬亡くなる〉!?
千葉県香取市役所では、観光促進として地元を盛り上げるために、“大河ドラマ”の開発プロジェクトが立ち上がる。主人公は伊能忠敬!そう、あの初めて日本地図を作ったことで有名な、郷土の偉人である。しかし、その脚本作りの最中に、ある驚くべき事実を発見してしまう。なんと伊能忠敬は、地図完成の3年前に亡くなっていたのだ!
「伊能忠敬はドラマにならない。地図を完成させてないんだ!」「え、じゃあ、誰が?」
舞台は江戸の下町へー。弟子たちに見守られ、伊能忠敬は日本地図の完成を見ることなく亡くなった。動かぬ師を囲んですすり泣く声が響く中、ある人物が静かに口を開く。
「では、今しばらく先生には、生きていていただきましょうか…」
忠敬の志を継いで地図を完成させるために、弟子たちによる一世一代の隠密作戦が動き出す。そこには、歴史に埋もれた、涙なしには語れない感動のドラマがあった―。

作品タイトル:『大河への道』
出演:中井貴一 松山ケンイチ 北川景子
岸井ゆきの 和田正人 田中美央 溝口琢矢
立川志の輔 西村まさ彦 平田満 草刈正雄 橋爪功
原作:立川志の輔(河出文庫刊)/漫画:柴崎侑弘(小学館ビッグコミックス刊)
企画:中井貴一
脚本:森下佳子
音楽:安川午朗
監督:中西健二
主題歌:玉置浩二「星路」(みち)
製作幹事:木下グループ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
配給:松竹

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/taiga/
公式Twitter:@taiga_michi
コピーライト:(c)2022「大河への道」フィルムパートナーズ

5月20日(金)全国公開

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