【レポート】『いのちの停車場』公開記念舞台挨拶に吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行ら超豪華キャストが登壇!

いのちの停車場

『いのちの停車場』が5月21日(金)より公開され(緊急事態宣言による映画館の休業要請のあった一部地域を除く)、翌22日(土)に実施された公開記念舞台挨拶に主演の吉永小百合をはじめ、松坂桃李広瀬すず西田敏行南野陽子柳葉敏郎みなみらんぼう泉谷しげる田中 泯、原作者の南杏子、そして本作のメガホンをとった成島出監督が登壇した。なお、イベントの模様は、全国259館(一部地域を除く)へ中継配信された。

※新型コロナウイルス感染防止のため、配信元会場は無観客にて実施

『いのちの停車場』公開記念舞台挨拶 概要

日時:5月22日(土) 13:15~13:50
登壇者(敬称略):吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、南野陽子、柳葉敏郎、みなみらんぼう、泉谷しげる、田中 泯、南杏子(原作者)、成島出監督
場所:丸の内TOEI①

いのちの停車場

イメージソングの「Amazing Grace」が流れる中、ゆっくりと幕が開け、豪華登壇者たちが登場。まずは主演の吉永から、「この映画は、2020年の始めに準備が開始されて、9月、10月に撮影いたしました。大変な時期でしたが、スタッフの皆様が昼も夜も頑張ってくださいました。そして、全員が心を合わせて撮影を終えることができ、そして昨日、映画は封切られました。映画の公開はとても嬉しいことですが、とても残念なことがありました。緊急事態宣言が延長になり、映画は休業要請が出てしまったんです。演劇は大丈夫だけど、映画はダメと伺って、大変ショックを受けましたし、悲しかったです。挫けそうになりました。でも今日このように、全国の皆様へ向けてご挨拶ができるというのは、この(イベント会場の)劇場にお客様がいらっしゃらないから、と思って気持ちを取り直しております。きっとこれから、日本中のみなさまに映画をご覧いただけると思っております。」と挨拶し、無事公開できた喜びと、緊急事態宣言により一部の映画館では休業要請が出ていることに対しての心境を述べた。

また、都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として本作を世に送り出した原作者の南杏子は「”生きききる”ということをこの作品の中で伝えたいと思って小説に書きました。おそらく、このような環境の中でご覧になってくださった方には、心に迫るものがあったと思います。皆様、ディスタンスをとって、大変な中で生活をされていることと思います。今日は本当にありがとうございました」と挨拶。

本作は、とある事件をきっかけに、金沢にある小さな「まほろば診療所」で在宅医として勤めることになった咲和子(吉永)、咲和子を追いかけてまほろばにやって来た、医大卒業生で運転手として働く野呂(松坂)、亡くなった姉の子を育てるしっかり者の訪問看護師・麻世(広瀬)、彼らを見守る院長の仙川(西田)が、患者たちに寄りそい、最後の願いを聞き入れていく中で前に向かって歩み始めていくという物語。そんな「まほろばメンバー」が、共にいのちに向き合う個性豊かな患者とその家族を演じたのが、泉谷柳葉南野だ。

妻の老老介護に疲弊する男性・並木徳三郎を演じた泉谷は、「たいして出ていないので、登壇する価値はないんですが」と前置きし、会場の笑いを誘いながら、「撮影現場では、長い付き合いだった岡田さん(故・岡田裕介東映グループ会長)と久しぶりに会ってたくさん喋りました。楽しくて、すごく充実した時間を過ごせました。岡田さんは『劇場で観てこそ映画だろう!』と言っていたので、今日は複雑な思いです(笑)。『岡田、申し訳ない!こう言う状況だからそういうことだ!』と伝えたいです。俺はどのような状況でも映画は公開すべきだと思っています」と映画公開への思いを語り、「死を扱うのは難しいが、よく考えてみれば生きるも死ぬも日常な訳で、そういうことを普通に乗り越えていかなければならない、ということがこの映画には込められていると思いましたので、どうやって日常感を出そうかなと心がけていました。」と撮影を振り返った。

最期の時間を穏やかに過ごすことを望んでいるが、長年会えていない息子を気に掛ける元高級官僚・宮嶋一義を演じた柳葉は、「この作品に入る前、顔合わせのときに、監督から『3シーンの中で宮嶋という男の一生を表現してくれ』と言われました。1シーン目は固い鎧で身を守っている姿、2シーン目はその鎧を脱いだ姿、3シーン目は全てを脱ぎ去った宮嶋という男の生き様を表現しました。正味2日間の撮影でしたが、参加させていただいて、改めてどんなに小さくても、しっかりとした覚悟をもって、その先にある希望に向かって生きようと考えました。この(コロナ禍の)環境だからこそ、この作品がみなさんの心に響くんじゃないかなと思います。ぜひ、多くの方に観ていただき、たくさんの人としての気持ちを考えていただけたらと思います」と、本作を通して伝えたいメッセージを述べた。

また、共演シーンのあった松坂は「野呂が宮嶋の手を握り、(息子ではないが)『親父ありがとう』というセリフがあるんです。宮嶋は言葉を返すことができないんですが、柳葉さんが演じながら手の握り方を変えて感情が波のように伝わってきて。その度に感情が揺れ動かされました。」と撮影時の感想を柳葉に伝える場面も。

小児癌を患う娘に迫る死を受け入れられずにいる母親・若林祐子を演じた南野は、「人っていつの間にかパッと生まれてきて、生きた意味もわからないまま亡くなって。亡くなるときに、家族でも、友達でも、会社でも、病院の先生でも、人と“ぎゅっ”と関係を持てれば、人生は成功じゃないと思いながら撮りました。キャスト、スタッフ今まで以上に言葉を掛け合って、大切な宝物にしていこうと思いながら撮影していました。本作を観られた方も感じてくださったのではないかなと思います。もし、一度観てもやもやする時は、二度観てください(笑)」と冗談も交えながら想いを述べた。

南野が出演していたシーンでは、松坂と広瀬にとっても印象的な場面が多かったようで、広瀬が「萌ちゃん(南野演じる祐子の娘)に寄り添うシーンは、患者さんと一番深く関わるシーンだったので、色々なことを思いながら撮影に臨んでいました。南野さんの顔を見ると、看護師として耐えなきゃいけなくても、それを超えて溢れ出る苦しさがあり、役として受け入れるのが難しいくらい苦しかったです」、松坂が「萌ちゃんの家族3人と海に行くシーンが印象的でした。本当に素敵で、胸がギュッとされるような思いがありました。その後、僕が萌ちゃんを背負って海に入るシーンがあるんですが、両親を差し置いて萌ちゃんと心を通わせて、、、「南野さん、すみません!」と思いながら演じました笑。」と振り返ると、南野は「最初は娘が取られてしまったと思って(松坂さん演じる野呂に)やきもちを焼いたんですが、娘が好きになっちゃんたんだと思いながらも、夫と二人で生きていくんだという決意もしました」と、当時の心境を語った。

咲和子の父親で、自らの”いのちのしまい方”を咲和子に託す白石達郎を演じた田中は、「(ライブビューイングで)カメラの向こうの方へお話しするのはとても不思議な感覚でいます。映画はライブだと思っております。映画の中で生きている、今も生きている、皆さんも生きている、生きていることはすごく大事なことだと思います。みなさん、大切に生きていきましょう」と本作を鑑賞する人々にエールを送った。

「まほろば診療所」メンバーが集う憩いの場「BAR STATION」のマスター・柳瀬尚也を演じたみなみは、「僕の演じる柳瀬という男は、世界中を旅して、金沢に落ち着いて、BARを出しました。そのお店の造りが遊牧民の家を模していて、とてもいい出来だったので、皆様にも見ていただきたいなと思ったんですが、終わると同時にさっと壊されてしましました。とても残念です。その中でゆっくり一杯飲みたいなと思っていたんですが…」と冗談を交えて挨拶した。

そして、世界がコロナウイルスと戦う中で、観客へのメッセージにについて質問されると、吉永は「南先生が”生ききる”と仰っていましたが、この言葉は心に留めておかなくてはと思いました。日々を精一杯に生きるということが、明日に繋がるのだと思いますし、それが最期までできれば、自分は幸せだったと思えるのではないかなと感じました。なかなか難しいかもしれないですが、この大変な時代を努力してきましょう」と温かいメッセージを贈った。

また、松坂が「体を治すだけが全てではなくて、その人、その家族、それぞれの幸せの形があり、その小さな日々の積み重ねによって、”いのちのしまい方”に繋がるのだなと強く感じました。自分の”いのちのしまい方”というものを改めて考えさせられました」と述べると、「早すぎますよね、そんなこと仰るの」(吉永)、「早すぎますよ、そういう発言が70歳を越えた人間が言うものだよ」(西田)とすかさずツッコミが入り、「一日いちにち充実できるようにします。生ききります!」と松坂は改めて自身の気持ちを語った。

広瀬は「訪問医療の世界は聞いたことはあったんですが、寄り添い方など(病院での医療とは)こんなにも違う世界なんだと知りました。役作りをしていく上で、麻世ちゃんの優しさや、寄り添い方についてなるほどと思う部分がありました。さっき松坂さんが仰っていた『その家族にあった幸せの形をつくる』という通り、最期を迎えるときに、近くに味方でいてくれる人がいると思える環境があるといいなと思いました」撮影時を振り返ってコメント。

西田は、「自分の死を自然死で迎えられる人は幸せだと思います。世界では、自分の同胞から鉄砲で撃たれて亡くなる方もいるし、過去の戦争では原爆で、震災では津波に飲まれたいのちたちもあります。それに比べると、自然死を迎えられることは本当に幸せだと思います。私も幸せな死に方を模索して、どのようにして受け入れるかを考えております。それは、“生ききる”こと、自分に与えられたことを一生懸命やっていくということしかないと思っております。死ぬということを常々考える年齢になりましたので、どう”いのちを畳む”か、夜寝る前には明日死んでいたらどうしようかな、と考えております。そんな人生は幸せだなと思っています」と自身の”いのちのしまい方”との向き合い方について語る。

最後に、吉永は「今日は本当にありがとうございました。そして、今ここで特にお礼を申し上げたいのは、今回この映画を製作するにあたって、医療関係者の皆様です。大変温かいサポートをいただきました。ご指導いただいたり、映画を観て感想をお寄せいただいたりしました。こんな大変な時期にこの映画を観てくださって、私たちに力を与えてくださったこと、感謝しております。また、マスコミの皆様が温かい記事を書いてくださったことも大変嬉しいことです。そして、今日映画を観てくださっている皆様、心から御礼を申し上げます」とコメント。

続けて、成島監督が「このコロナの中で、この素敵なメンバーで、心を一つにして不安の中撮り切って、こうして初日を迎えることができました。この映画の製作総指揮を務めた岡田裕介さんは、映画の完成直前に残念ながら亡くなってしまいましたが、原作の発掘から、現場、キャスティングの話まで、吉永さんと一緒に二人三脚でやってきました。最期に映画を観てもらえなくて残念でしたが、きっと今日、みなさんと一緒に『おーい』と言って笑って観てくださっていると思います。我々も岡田さんと一緒に一生懸命作りました。皆様の心のどこかにそれが伝われば幸いです」と想いを語り、温かい雰囲気の中イベントは締め括られた。

いのちの停車場

ストーリー
東京の救命救急センターで働いていた、医師・白石咲和子(吉永小百合)は、ある事件の責任をとって退職し、実家の金沢に帰郷する。これまでひたむきに仕事に取り組んできた咲和子にとっては人生の分岐点。久々に再会した父(田中泯)と暮らし、触れあいながら「まほろば診療所」で在宅医として再出発をする。「まほろば」で出会った院長の仙川徹(西田敏行)はいつも陽気な人柄で患者たちから慕われており、訪問看護師の星野麻世(広瀬すず)は、亡くなった姉の子を育てながら、自分を救ってくれた仙川の元下で働いている。ふたりは、近隣に住むたった5名の患者を中心に、患者の生き方を尊重する治療を行っており、これまで「命を救う」現場で戦ってきた咲和子は考え方の違いに困惑する。そこへ東京から咲和子を追いかけてきた医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)も加わり「まほろば」のメンバーに。野呂は医師になるか悩んでおり、そして麻世もまた、あるトラウマに苦しんでいた。様々な事情から在宅医療を選択し、治療が困難な患者たちと出会っていく中で、咲和子は「まほろば」の一員として、その人らしい生き方を、患者やその家族とともに考えるようになってゆく。野呂や麻世も「まほろば」を通じて自分の夢や希望を見つけ、歩みはじめた。
生きる力を照らし出す「まほろば」で自分の居場所を見つけた咲和子。その時、父が病に倒れ…。父はどうすることもできない痛みに苦しみ、あることを咲和子に頼もうとしていた―。

作品タイトル:『いのちの停車場』
出演:吉永小百合
松坂桃李 広瀬すず
南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 みなみらんぼう 泉谷しげる
石田ゆり子 田中 泯 西田敏行
監督:成島出
脚本:平松恵美子
原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎)
配給:東映

公式サイト:https://teisha-ba.jp/
公式Twitter:@Teishaba_movie
公式Instagram:@inochi_teishaba_movie #いのちの停車場
コピーライト:(C)2021「いのちの停車場」製作委員会

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