ケン・ローチ監督作『オールド・オーク』より、場面写真3点と監督スチルが解禁された。あわせて著名人コメントも到着した。

市井の民を見つめ、彼らの生活と闘争を描き続けてきたローチ監督が自ら「最後の作品」と語っている本作は、2023年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く「イギリス北東部3部作」の最終章となる本作の舞台は、とある炭鉱の町で最後に残ったパブとして親しまれていた「オールド・オーク」。人々が集い、安らぎを見出す場所だったはずのパブは、シリア難民の受け入れにより、諍いの場に変貌してしまう。オーナーのTJはパブの先行きに頭を抱えていたが、シリアから来たカメラを携えた女性ヤラと出会い、思いがけず友情を育むことに。そして喪失や未知への恐怖、希望を見つけることの難しさについて知っていくことになるが―。

寂れゆく町に根を張る住人たちと、戦禍から逃れてきた難民たち。ケン・ローチ監督は、実際にシリア難民がとある北東部の町に到着した際の出来事に着想を得たと語ったうえで、このように述べる。「まずは双方を理解する必要がありました。二つのコミュニティが隣り合って暮らす現実がある。それぞれに深刻な問題を抱えつつも、一方には想像を絶する残酷な戦争から逃れてきたというトラウマがあり、失った者への悲嘆と、残された者への心配に苛まれている。異国の地で見知らぬ者同士となった彼らは、果たして共存できるのかー?相反する反応が生まれるでしょう。このような暗黒の時代に、希望はどこにあるのか?難しい問いですが、ポール・ラヴァティ(脚本家)とレベッカ・オブライエン(プロデューサー)と私は、その答えを探すべきだと考えました」。

ケン・ローチ監督
そしてこの度、『家族を想うとき』のパンフレットでの対談他、ケン・ローチ監督と交流を深めてきた映画監督の是枝裕和、ラジオパーソナリティとしての顔も持つRHYMESTER宇多丸、音楽プロデューサー・作家の松尾潔、英文学者の北村紗衣から、コメントが寄せられた。
コメント
世界でも、日本でも至る所に蔓延している人と人の「分断」。この最も厄介な手に負えない病巣を前にしてもケン・ローチは諦めない。『オールド・オーク』は人と人が差異を超えてどうしたら共に生きられるかを正面から問い続ける。これほどまでに一貫した「眼差し」を世界に、人間に向け続ける彼の存在こそが、映画にとっての希望であると改めて確信した。
是枝裕和(映画監督)
押しつけられた理不尽に苦しむ者同士、噛みつき合うのか、助け合うのか、それとも黙ってやり過ごすのか……それは明らかに、2026年現在の日本社会に生きる、我々自身にも向けられた問いだろう。ケン・ローチ渾身のまたしても大傑作、劇場公開されて、本当に良かった!
宇多丸(RHYMESTER)

ローチが見つめるのは、難民そのものではない。「分断を生む社会の構造」だ。怒りと不信の底に、なお残る連帯の可能性を探る。2016年の英国北東部を描いたこの物語が、2026年の日本に重なって見えるとき、私たちは何を選び取るのか。
松尾潔(音楽プロデューサー・作家)
パブはpublic house、つまり「公共の家」という単語からきています。お酒を飲むだけではなく、人々が集まるコミュニティの中心としての公共的な機能を持っています。そんなパブが地域社会のためにどういう機能を果たせるのか、果たすべきなのかを描いた映画です。
北村紗衣(英文学者)
『オールド・オーク』
出演:デイヴ・ターナー、エブラ・マリ、クレア・ロッジャーソン
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ
2023/イギリス、フランス、ベルギー/英語・アラビア語/113分/カラー
原題:The Old Oak
映倫:G
配給:ファインフィルムズ
文部科学省特別選定(高等学校生徒、青年、成人向き) 文部科学省選定(中学校生徒、家庭向き)
東京都推奨映画
後援:ブリティッシュ・カウンシル
(C) Sixteen Oak Limited, Why Not Productions, Goodfellas, Les Films du Fleuve, British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2023
https://oldoak-movie.com/
4月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館他全国ロードショー