『君の名は。』『すずめの戸締まり』のアニメーションスタジオ、コミックス・ウェーブ・フィルム最新作となる短篇アニメーション映画『しらぬひ』(読み:しらぬい)より、新規カット全13枚が公開された。

物語の舞台は1996年、夏の終わり。熊本の海辺の町で暮らす10才の少年・湊(みなと)は、酒に溺れる父とふたりきりで、息をひそめるように生きていた。 唯一の心の拠り所は、弁天島に現れる少女の神さま“べんちゃん”。 彼女と過ごすひとときだけが、自分を取り戻せる時間だった。

しかし湊が児童保護施設に一時保護されることが決まり、べんちゃんとの別れの時が迫る。 湊は、ひとつだけ願いを叶えてくれるという、海に浮かぶ不思議な光<しらぬひ>に祈りを捧げるが、 父への憎しみが募るにつれ、その“祈り”は取り返しのつかない“呪い”へと姿を変えていく。

監督は、商業アニメーション映画初挑戦となる片野坂亮。そして、湊の声を担うのは、あの。あのは、「少年の声を吹き込むのは初めてで挑戦的でしたが、子供でありながら子供らしくいることのできない環境に身を置く10才の揺れ動く感情を精一杯演じさせていただきました」とコメントを寄せている。

湊の唯一の友である少女の神様・べんちゃんは、花澤香菜が務める。世の中から忘れ去られ、その姿は次第に消えていく運命にあるという儚さを帯びつつも、湊に優しく寄り添う存在という役どころだ。また湊の父親・マサルは、三木眞一郎が担当。酒に溺れ、家を出ていった妻への思いをこじらせたまま、湊と向き合うことができず、少年の心に深い影を落としていく。

片野坂監督は、「本作の登場人物は、心のどこかで愛を求めながら、すれ違い続け、やがて自分でも止められない衝動へとたどり着いていきます。願いは祈りであると同時に、誰かを縛り続ける呪いでもある。彼らの生きる様をありのまま描きました。この映画が、孤独な夜を過ごす人たちの心に、そっと寄り添えたらと思います」と語る。

新場面カットには、海に浮かぶ弁天島に幻想的な光が立ち上がり、その神秘に息をのむ表情の少年・湊を全面に映したカットのほか、危うげな瞳から大粒の涙を堪え、鼻血を出しながら感情を爆発させる湊の様子も。

また、湊が暮らす町の海に浮かぶ小学校の印象的なカットも。日本で唯一“海の上にある学校”としてテレビ等で取り上げられたこともあり、すぐ目の前には弁天様の祠のある通称“弁天島”も実在するという熊本県葦北郡津奈木町の旧赤崎小学校をモデルとした風景が、コミックス・ウェーブ・フィルムの美しい美術背景で表現され、情感豊かな本作の世界観に彩りを添えている。




独学でアニメーションの技術を習得し、本作で商業アニメーション映画初挑戦となった片野坂監督は、「高校生の頃、福岡から熊本県八代市まで自転車で行くという挑戦をした際に、道中に海に浮かぶ旧赤崎小学校が一瞬見えたんです。その時からこの学校が気になってしまい、いつかここで映画を撮りたいと思っていました」とこの地を描いたきっかけを明かしている。



『しらぬひ』
出演:あの 花澤香菜 三木眞一郎
原作・脚本・監督・作画監督:片野坂 亮
音楽:梅林太郎
主題歌:青葉市子「しらぬひ」(hermine)
アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
製作:しらぬひ製作委員会
2026年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/36分
配給:ギャガ
(C)2026 片野坂亮/しらぬひ製作委員会
https://gaga.ne.jp/shiranuhi/
8月21日(金)新宿バルト9ほか全国順次ロードショー