『ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ』レフトリス・ハリートス監督のインタビューが到着!11/29公開

ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ

映画『グラン・ブルー』で知られる伝説のダイバー、ジャック・マイヨールの生涯を追ったドキュメンタリー、映画『ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ』が、11月29日(金)より新宿ピカデリー、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開となる。

この度、本作の監督・レフトリス・ハリートスのインタビューが公開された。

レフトリス・ハリートス監督 インタビュー

 

■本作を撮ることになった経緯を教えて下さい

当初は、ギリシャの伝統的な海綿漁をしているスポンジダイバーのドキュメンタリーを撮ろうと考えていたのですが、資金的な問題で実現しませんでした。海綿漁を調べていくうちに、ジャック・マイヨールの名前が浮上しました。マイヨールはスポンジダイバーたちと交流を持っていました。そこで、彼に焦点を当てようという話になっていきました。マイヨールは世界的に有名な人物ですが、生前に撮られた映像はたくさんあっても、死後に作られたものはありませんでした。それで、彼のフィルムを作るのにちょうどいいタイミングなのではないかと思ったのです。

 

■ジャック・マイヨールのどこに魅かれましたか?

マイヨールは、自分がもっとも愛したダイビングで世界を旅しながら、海とイルカの命に自らを捧げ、人生をめいっぱい生きた人物でした。深海にもぐれば、人間の身体について全てを知ることができると、彼は発見したのです。海に囲まれて育ったギリシャ出身の私にとって、“海”は大きなひらめきになりました。それと、やはり1つの物事に一生を捧げるというマイヨールの生き方から、インスピレーションを得ました。彼はエコロジーを最初に語った人物の一人でもありますし。ただし、同時に、型破りな有名人にありがちですが、彼は強いエゴの持ち主で、女好きで、フリーダイビングを始めるまで放浪生活を送っていたような、私生活で非常に問題のある人でした。つまり、誰しもがそうであるように、さまざまな顔を持つ複雑な人間だったわけです。しかし彼のポジティブな側面は、寓話にしておくよりもよっぽど素晴らしいものですから、この映画で本当の彼を発見しようと思いました。

 

 

■本作の撮影で訪れた国や地域の中で、特に印象に残っている場所はありますか?

マイヨールの親友だった成田均さんの日本での取材は特に忘れられません。やはりマイヨールの人生を語る上で、日本はなくてはならない場所だったのです。彼は日本を訪れてからというもの、ポジティブな側面が多く見られるようになりました。日本という国が彼をそうさせたのかもしれません。私も日本を訪れて多くの人たちと接する中で、他の国ではあまり感じなかった、他者への敬意というものを強く感じました。成田さんと高砂さんのお二人に会えたおかげで、この映画はずいぶん違うものになりました。ジャックは自ら命を絶ちましたが、日本と西洋とでは、自死の捉え方が違います。西洋では恥ずかしいことと捉えられがちですが、日本では個人の尊厳という考え方もあります。日本にいたマイヨールは、そう感じるところもあったのかもしれません。日本での取材を通して、欠けていたものが埋まり、マイヨールについての理解がより深まったと思います。

 

■この映画に込めたメッセージを教えてください

本作には、私個人のメッセージは入れないよう心がけました。そのため、映画をまとめるのに非常に苦労したのですが、観た人が何を考えるかは、受け取り方によって違っていいと思うのです。いろんな要素が入った映画なので、娯楽作品としておもしろかったという人もいるでしょうし、人と自然との関わりについて考える人もいるでしょう。一般の人とフリーダイバーとでは、受け取り方が大きく違うかもしれませんし、国によっても異なると思います。実際に、これまでに多くの国で上映してきましたが、反応はさまざまでした。
私自身の本作の捉えは、“海”と“死”です。“死”と言うと、皆さんに観ていただけないかもしれないので、表向きには海にフォーカスしています。“死”にはネガティブな意味だけではなく、ポジティブな意味もあると思うのです。ただし、私の個人的なメッセージは前面に出さず、ジャック・マイヨールという人の物語を客観的に伝える中で、観る人が何を感じるかが大事だと思っています。

 

レフトリス・ハリートス
1969年10月18日、ギリシャ生まれ。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで映画を学ぶ。これまでに制作したギリシャのテレビ番組の中には、高い評価を受けた歴史ドキュメンタリー『1821』や『The Journey of Food』がある。またフィリッポス・ツィトスとの共同でフィクションのクライム・シリーズ『Zone Defense』を監督した。本作は初の長編ドキュメンタリー作品である。監督業の傍ら、アテネのSAEクリエイティブ・メディア・カレッジでデジタル映画製作コーディネーターを務めている。

 

作品タイトル:『ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ』
監督:レフトリス・ハリートス
出演:ジャック・マイヨール、ジャン=マルク・バール、ドッティ・マイヨール、ジャン=ジャック・マイヨールほかナレーション:ジャン=マルク・バール
(2017年/ギリシャ、フランス、日本、カナダ/78分/カラー、モノクロ)
製作・提供:WOWOW
配給・宣伝:アップリンク

公式サイト:https://www.uplink.co.jp/dolphinman
Twitter:https://twitter.com/DolphinmanMovie
Facebook:https://www.facebook.com/DolphinmanMovie

作品コピーライト
(C)2017 ANEMON PRODUCTIONS/LES FILMS DU BALIBARI/GREEK FILM CENTRE/IMPLEO INC./STORYLINE ENTERTAINMENT/WOWOW

写真のコピーライト
(C)Mayol family archive/Daniele Padovan/Daan Verhoeven/Junji Takasago/Mehgan Heaney-Grier/Bruno Rizzato

11月29日(金)より新宿ピカデリー、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開


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