【映画感想】『ジュディ 虹の彼方に』女優・レネー・ゼルウィガー復活!圧巻のステージパフォーマンスに注目-3/6(金)公開

ハリウッド黄金期を象徴する映画『オズの魔法使』(39)で、17歳にして一躍スターダムを駆け上がり、その波瀾万丈の人生と圧倒的なステージパフォーマンスで、伝説のミュージカル女優として知られるジュディ・ガーランド。彼女が47歳の若さでこの世を去る半年前、1968年の冬に行われたロンドン公演の日々を鮮烈に描いた映画『ジュディ 虹の彼方に』が3月6日(金)に公開となる。

ジュディ・ガーランドを演じるのは、「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズで女性からの絶大な支持を受け、『コールド マウンテン』(03)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したレネー・ゼルウィガー。本作では見事、2月10日に発表された第92回アカデミー賞にて主演女優賞を受賞した。

レネーはこれまで、『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)と『シカゴ』(02)で主演女優賞にノミネートされたが惜しくも受賞には届いておらず、主演女優賞は17年ぶり3度目のノミネートにして初受賞となる。その他、英国アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など、世界の映画賞で主演女優賞を席巻している。
そしてこの受賞によって、ヘレン・ヘイズ、イングリッド・バーグマン、マギー・スミス、メリル・ストリープ、ジェシカ・ラング、ケイト・ブランシェットに続き、レネー・ゼルウィガーは主演女優賞と助演女優賞を制覇した史上7人目の人物となる。

 

レネー・ゼルウィガーの圧巻の演技力に感涙!
愛に飢え、希望を求め続けた伝説の大スターの物語

ジュディ 虹の彼方に

日本では知名度の低い印象のあるジュディ・ガーランドだが、ハリウッド黄金期において、オードリー・ペプバーンやマリリン・モンローと肩を並べる、名女優の一人である。2歳の頃からステージに立ち、圧倒的な歌唱力と演技力を兼ね揃えたジュディは、あのミュージカル映画の金字塔『オズの魔法使』において主演のドロシー役を務め、若干17歳にしてミュージカル女優としての不動の地位を獲得している。その後も数多くの大作映画に出演し、映画「スタア誕生」ではゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、輝かしい栄光を手にしている。

とはいえ、この映画では、彼女の全盛期や煌びやかな経歴が描かれることはない。描かれるのは、彼女が生涯拭い去ることができなかった、強烈な“孤独感”である。

ジュディ 虹の彼方に

大スターとしてハリウッドに君臨する一方で、私生活では5度の結婚や、薬物中毒、自殺未遂などの度重なるトラブルを起こし、お騒がせ女優としても有名なジュディ。彼女はデビュー当時から、過酷なスケジュールをこなし、スタイルを維持するために複数の薬物を投与されていたのだ。

うたた寝も許されず、自分の意志はねじ曲げられ、一切の自由を奪われていた彼女にとって、ハリウッドは牢獄のようなものだったに違いない。本編で、ステージに立つ直前まで大スターとは思えぬほどに極度の緊張を見せるのは、子役時代からずっと自尊心を傷つけられてきた経緯があるからなのだろう。ステージを終えた後、抜け殻のように椅子にもたれ煙草を咳き込む姿は、彼女のタイムリミットが刻々と迫っているのを見せ付けられているようで、ただただ切ない。

ジュディ 虹の彼方に

ジュディを演じるレネー・ゼルウィガーの繊細な演技力と圧巻のステージパフォーマンスにも、終始目が釘付けになった。ステージ上の歌だけでなく、話し方や声色、目線の動きから指先、歩き方などの細部に至るまで、ジュディ自身を相当研究したことが覗える。言われなければ、彼女がレネーだと気づく自信がないほど、ジュディに成りきっていた。レネーの表現力と歌唱力がなければ、この映画は絶対に成り立たなかっただろう。

才能を持つがゆえに、自由と夢の間でもがき苦しんだ若きジュディと、希望を追い求めた晩年のジュディ。ずっと孤独と闘い続けてきた彼女だからこそ、ラストシーンは涙なくして観られない。
すべての鎖を捨て名曲「オーバー・ザ・レインボー」を歌うジュディを、きっとあなたは抱きしめたくなるに違いない。

ジュディ 虹の彼方に

 

ジュディ 虹の彼方に

 

ジュディ 虹の彼方に

 

ジュディ 虹の彼方に

 

ジュディ 虹の彼方に

 

ジュディ-虹の彼方に

ストーリー
かつてはミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨していたジュディ・ガーランドが、窮地に立たされていた。1968年、度重なる遅刻や無断欠勤のせいで映画出演のオファーも途絶え、今では巡業ショーで生計を立てているのだが、住む家もなく借金は膨らむばかり。まだ幼い娘と息子をやむなく元夫に預けたジュディは、起死回生を賭け、ロンドン公演へ独り旅立つ。英国での人気は今も健在だったが、いざ初日を迎えると、プレッシャーから「歌えない」と逃げ出そうとするジュディ。だが、一歩ステージに上がると、たちまちディーバと化して観客を魅了する。ショーは大盛況でメディアの評判も上々で、新しい恋とも巡り会い、明るい未来に心躍るジュディ。だが、子供たちの心が離れていく恐れと疲労から睡眠薬とアルコールに走り、ついには舞台でも失態を犯してしまう──。

作品タイトル:『ジュディ 虹の彼方に』
出演:レネー・ゼルウィガー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、ジェシー・バックリー、マイケル・ガンボン ほか
監督:ルパート・グールド
脚本:トム・エッジ
原作:舞台「End Of The Rainbow」ピーター・キルター
原題:「JUDY」
配給:ギャガ

公式サイト:gaga.ne.jp/judy
コピーライト:(C) Pathé Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

3月6日(金)全国ロードショー!

 


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