『すばらしき世界』主演・役所広司がシカゴ国際映画祭でベストパフォーマンス賞受賞! ―19年ぶり、自身2度目の快挙

すばらしき世界

直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした西川美和監督(『ディア・ドクター』『永い言い訳』)の最新作『すばらしき世界』が2021年2月11日(木・祝)より全国ロードショーとなる。

第56回シカゴ国際映画祭(10月14日~25日)インターナショナルコンペティション部門に出品された本作。現地時間 10月23日(金) 11:00am(日本時間:24(土) 深夜1:00am)にオンラインにて授賞式が行われ、主演の役所広司がベストパフォーマンス賞を受賞した。本受賞にあたり、役所広司、西川美和監督から、喜びのコメントが到着した。

なお、本映画祭において、2001年の今村昌平監督作品『赤い橋の下のぬるい水』でも役所は主演男優賞を受賞しており、19年ぶり自身2度目の演技賞受賞という快挙となる。

またこの快挙にとどまらず、本映画祭の過去56回の古い歴史の中で、日本人唯一の演技賞受賞者となる役所。今回の受賞で、長きにわたって国内外で高い評価を受け続ける名優・役所広司の圧倒的な演技力を、改めて世界に証明する結果となった。

シカゴ国際映画祭は1964年に創設され、国際コンペティション(審査)部門を持つ映画祭として北アメリカで最も古い歴史を持つ映画祭の1つ。受賞したベストパフォーマンス賞は主演男優賞、主演女優賞を、1つの演技賞として統合した賞で、インターナショナルコンペティション部門に出品された全11作品の中から最も優れた演技を披露した役者に贈られる栄誉ある演技賞に輝いた。

今回の受賞理由について映画祭の審査委員は「役所広司は、巧みながらかつ違和感なく、主人公に深みと様々な真に迫った感情を与えている。その演技により、一見容赦ない社会の中でしっかりとした普通の生活を手にいれようと奮闘する主人公の姿を我々も共に辿ることができ、彼の力強い演技によって映画全体がしっかりと築き上げられている。」と社会の中で奮闘する主人公の三上を演じた役所の力強い演技について称賛のコメントを寄せた。

【日本語訳】
役所広司は巧みながらかつ違和感なく、主人公に深みと様々な真に迫った感情を与えている。その演技により、一見容赦ない社会の中でしっかりとした普通の生活を手にいれようと奮闘する主人公の姿を我々も共に辿ることができ、彼の力強い演技によって映画全体がしっかりと築き上げられている。

【原文】
Yakusho Koji, skilfully and yet organically, brings to his character depth and a true range of emotions that allow us to journey with him as he struggles to gain a certain normal life in an apparently not easily forgiving society, solidly building the whole film on his strong performance.

 

なお、役所広司、西川美和監督の受賞コメントは以下の通り。

 

■役所広司

この度はベストパフォーマンス賞というすばらしい賞をいただき、本当にありがとうございます!
シカゴ映画祭では2001年にも『赤い橋の下のぬるい水』で主演男優賞を受賞させていただきましたが、実は当時、受賞の報告を受けたのは映画祭が終わって随分経ってからでした。トロフィーや賞状なども目にしていなかったので本当に受賞したのか実感が沸いていませんでした。この『すばらしき世界』での受賞で、今回はもしトロフィーなどがあるようでしたら、19年前の分も合わせて頂けると嬉しいです(笑)。
また、この受賞は西川監督のおかげでもあります!スタッフ、キャスト皆様にもお礼を言いたいです。
世界中の映画界が大打撃を受けている今、各国の映画祭はリモートやオンラインで実施し、映画の灯を絶やさないようにがんばっています。現在なかなか海外に行くことが難しい状況下ですが、映画は世界中を渡ることができます。日本という国や私たち日本人について世界中の人たちに紹介することができる素晴らしい外交手段の一つだと思います。私も映画人の端くれとして、映画のために何か力になれればと思っております。

 

■西川美和監督

最高です。こんな嬉しいことはありません。役所さんは、心から役を任せられる人です。現場でも、誰にも気づかれないところでひたすら準備をして、私たちの目の前で、育んできた花をパッと咲かせてくれる。役所さんのお芝居を撮ると、映画をやってきてよかった、と心から感動できるんです。日本には役所さんという俳優がいる。そのことを世界の人により広く、もう一度知ってもらえる機会になったことを、何より嬉しく思います。


また、過日のトロント映画祭、今回のシカゴ映画祭のほかにもローマ国際映画祭、ハワイ国際映画祭、ジュネーブ国際映画祭など、続々と国際映画祭の出品が決定している本作。各国の映画祭の絶賛評、称賛を得て、2021年の日本公開へ向けて、期待は膨らむばかりだ。

 

『すばらしき世界』国際映画祭出品状況(2020年10月24日時点)

◇第45回 トロント国際映画祭
◇第56回 シカゴ国際映画祭
◇AFIフェスト(アメリカン・フィルム・インスティチュート)
◇第15回 ローマ国際映画祭
◇第43回 デンバー映画祭
◇第29回 フィラデルフィア映画祭
◇第21回 サンディエゴアジアン映画祭
◇第40回 ハワイ国際映画祭
◇第26回 ジュネーブ国際映画祭

イントロダクション
国内外からその新作が切望される西川美和監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ本作。生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうと悪戦苦闘する実在の男を通して「社会」と「人間」の今をえぐる問題作だ。

主演に、国内外でその演技力を高く評価され続ける名優の役所広司。人生の大半を刑務所で過ごし、社会から“置いてけぼり”を食らいながらも、まっすぐ過ぎるその性格と、そのどこか憎めない人間味で周囲の人々とつながっていく三上正夫役を情感豊かに演じている。

そのほか、共演に仲野太賀長澤まさみ橋爪功梶芽衣子六角精児北村有起哉安田成美らが名を連ね、名実ともに豪華なキャスト陣が西川監督のもとに集結した。

すばらしき世界

ストーリー
下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上は、強面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎる性格の男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だった――。一度社会のレールを外れるも何とか再生したいと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンがすり寄り、ネタにしようと目論むが…。三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく――。

すばらしき世界

作品タイトル:『すばらしき世界』
出演:役所広司
仲野太賀 六角精児 北村有起哉 白竜 キムラ緑子
長澤まさみ 安田成美 / 梶芽衣子 橋爪功
脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:subarashikisekai-movie.jp
コピーライト:(c)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

2021年2月11日(木・祝)全国公開

 

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