カンヌ国際映画祭でも話題を呼んだ異色作がいよいよ日本公開!富田克也最新作『典座 -TENZO-』予告編&ビジュアルが解禁

10月4日(金)よりアップリンク吉祥寺・渋谷ほかにて公開となる空族・富田克也最新作『典座 -TENZO-』の予告編、メインビジュアルが解禁された。

何の為の信仰か?誰の為に祈るのか?
福島と山梨に生きる二人の若き僧侶の苦悩。そして青山俊董との対話。3.11以降の現代日本における“仏教”、そして“信仰”とは何かが描かれる。

10年前、本山での修行を共にした兄弟子の隆行(リュウギョウ)と弟弟子の智賢(チケン)は福島と山梨のそれぞれのお寺に戻った。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。

一方の兄弟子・隆行は福島県沿岸部にあったかつてのお寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまい、今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住みながら本堂再建を諦めきれずにいた――。

解禁された予告編の冒頭には、曹洞宗の高僧、青山俊董「私自身は誰にもこの命にも差し上げていない。その私が一日生きるだけにどれだけの命を頂戴しているかわかりません」と告げるシーンから幕を開ける。

今回、全国曹洞宗青年会から依頼を受け、映画の製作にあたった富田監督は、僧侶たちに「今、一番話を聞いてみたい曹洞宗の高僧はいますか?」と尋ねた。その時に名前が挙がったのが青山俊董だった。本作は、その青山と智賢の対話が映画の随所に挿入されている。

青山俊董

続けて智賢が、アレルギーで倒れた息子を抱きかかえて病院へ急ぐ姿、日々の職務に疲れた様子などが描かれる。一方の福島では、隆行が津波によってなぎ倒された墓石の前で読経する場面、軽トラックの中で泣いている姿などが捉えられている。
続く対話では智賢が「一時はお寺を継ぐということも、家に帰ることもやめてしまった」と告白する。それを受けて青山が「結構ですね。反発されて結構だと思います」と動じずに答える姿が印象的だ。

また「アレルギーとは、食べ物だけでなく作られてしまった世の中に対する拒絶反応ではないか」と富士の裾野でカメラに向かって自身の考えを述べる智賢。一方、福島の仮設住宅で、コンビニ弁当に丁寧に手を合わせて念仏を唱える隆行の姿。福島にやってきた智賢に「お前、それをこの福島で言えるか?」と隆行が語気強く語る場面が使われている。そして最後は、青山と智賢とが緑豊かな庭の縁側で静かに語らう印象的なシーンで予告編は終わっている。
予告編と併せて解禁されたメインビジュアルには、「何の為の信仰か?誰の為に祈るのか?」とキャッチコピーが添えられ、法衣を着た智賢、作業着で手を合わせる倉島、中央に青山が静かに微笑んでいる姿が採用された。

映画のタイトルである「典座」は、禅宗において“食”を司る役職。そこから端を発し、現代社会において仏教、そして信仰がどのような役割を果たすのか。そして、3.11以後の日本の姿を鋭く捉える富田克也監督の最新作に益々の期待が高まるところだ。

作品タイトル:『典座 -TENZO-』
出演:河口智賢、近藤真弘、倉島隆行/青山俊董
監督:富田克也/脚本:相澤虎之助、富田克也/プロデューサー:倉島隆行/アソシエイトプロデューサー:小山内照太郎、大野敦子、筒井龍平/撮影・照明:スタジオ石/録音・整音:山﨑巌/編集:富田克也、古屋卓麿/音楽:右左口竹の会、Suri Yamuhi And The Babylon Band、NORIKIYO
題字:藤田喜彦/デザイン:今村寛/ウェブ・デザイン:山田俊哉/スチール:山口貴裕/VFX:定岡雅人
宣伝:岩井秀世/配給:空族/製作:全国曹洞宗青年会
2019年/62分/DCP/ビスタ/5.1ch

公式サイト:http://sousei.gr.jp/tenzo/
コピーライト:(C)空族

10月4日(金)よりアップリンク吉祥寺・渋谷にて公開!以降全国順次


関連記事:
■ 『典座 -TENZO-』カンヌ国際映画祭「批評家週間」公式上映にて富田克也監督ら登壇!海外版特報も解禁―2019年秋公開予定

↑上に戻る