映画『東京パラリンピック 愛と栄光の祭典』初のデジタル化&50年ぶり上映決定!! “世界初の”「パラリンピック」が甦る

東京パラリンピック 愛と栄光の祭典

東京2020パラリンピックまで500日を切り、盛り上がりを見せるパラリンピック。このパラリンピックという名称を世界で初めて用いたのが、1964年の東京パラリンピックであった。この度、その1964年大会の様子を収めた貴重な映像の1本である、『東京パラリンピック 愛と栄光の祭典』が発見され、初のデジタル化を経て、50年ぶりに上映されることが決定した。本作は1965年の公開以降ほとんど人の目に触れることがなく、当時の大会の様子は、関係者にすら知られていなかった。本作は、記録に残る中では最長の映像で、且つ、選手のインタビューや競技中の音声も収められている。“誰も知らない・世界初の”パラリンピックの映像が、東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向けて機運が盛り上がる中、50年の時を経てよみがえる。

作中では、大会開催に合わせて急遽集められた参加者たちが、海外の選手たちとの交流を通じ、競技の経験や社会保障制度の違いを見せ付けられながらも、スポーツによって希望を取り戻していくと同時に、社会からも注目されていく様子が描かれており、日本の障がい者スポーツが今日に至るまで発展してきた礎となった、まさに原点ともいえる大会を映し出しています。また、大会名誉総裁であった上皇陛下と上皇后陛下がご臨席された開会式の映像も残されており、両陛下が社会福祉活動に深い関心を抱かれたきっかけとなった場面が映し出されている。本作に映し出された、障がい者スポーツの黎明期を振り返ることによって、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けての意識がより高まる1本だ。

JPCのコメント

本作品は、1964年の東京パラリンピックがどのようなものであったかを客観的に知ることができる大変貴重な映像です。加えて特筆すべき点は、参加した日本人選手たちの視点から東京パラリンピックを捉え、彼ら彼女らが当時置かれていた社会的な立場を、明るく前向きな態度で大会に臨む外国人選手との対比を交えて浮き彫りにしていること、また、そのような選手たちをも笑顔にし、社会復帰への意欲をもたらしたパラリンピックの意義やスポーツの力を浮き彫りにしていることです。わが国の本格的な障害者スポーツ振興はこの大会から始まったといっても過言ではありません。2020年に東京パラリンピックを迎えるにあたり、一人でも多くの方に本作品をご覧いただき、2020年大会を日本で開催する意義を考えるきっかけにしていただければ幸いです。

日本パラリンピック委員会 事務局長 井田朋宏


イントロダクション

1964年、東京オリンピックは成功のうちに終わった。街が再び落ち着きを取り戻した頃、確かな意義に支えられたもうひとつのスポーツ大会が開幕する。「国際身体障害者スポーツ大会」。その第一部、「国際ストーク・マンデビル大会」の形式を取ったこの大会は、下半身麻痺のため車椅子で生活する競技者を対象にした国際大会であり、東京パラリンピックという愛称で親しまれた。パラリンピックに参加するため、身体障がい者の更生指導所では、車椅子に乗ってスポーツに励む人たちがいる。交通事故にあった人、戦争で負傷した人、病気で下半身が麻痺した人、それぞれに車椅子で生活することになった背景を語ってくれる。しかし、スポーツをするその顔に暗さはない。 大会直前、各国の選手が来日する中には「パラリンピックの父」グットマン博士の姿もある。海外の選手たちはみな明るく、日本の選手たちは彼らとの交流を通じて、社会福祉制度の違いを感じつつも、社会復帰への意識を強めていく。そして皇太子・皇太子妃両殿下(当時)が見守る中、いよいよ東京パラリンピックが幕を開ける。

作品タイトル:『東京パラリンピック 愛と栄光の祭典』
出演(役): 宇野重吉(解説)
監督・脚本:渡辺 公夫
撮影:渡辺公夫/音楽:團 伊玖磨/製作:上原 明
ドキュメンタリー/上映時間:63分/白黒/モノラル/G
配給:KADOKAWA

2019年度 劇場公開予定

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