【レポート】映画『ある船頭の話』ヴェネチアから凱旋帰国後の初会見!オダギリ ジョー監督が外国特派員協会記者会見に登壇

ある船頭の話

オダギリジョー長編初監督作品『ある船頭の話』がついに9月13日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開となる。

ヴェネチア映画祭<ヴェニス・デイズ>部門に正式出品され、監督としては初の参加となったオダギリジョー監督。この度、その熱も冷めやらぬ中、帰国後初の記者会見に出席した。

映画『ある船頭の話』日本外国特派員協会試写会&記者会見

日程:9月9日(月)
登壇者:オダギリ ジョー監督
時間:18:30 上映開始 / 20:55 記者会見開始 / 21:30 記者会見終了
会場:公益社団法人日本外国特派員協会

本作を観た外国特派員協会員の方々に温かい拍手で迎えられて、オダギリジョー監督が登場。
ヴェネチア映画祭から帰国後初の記者会見という事で、早速『ヴェネチアはどうでしたか?』と聞かれたオダギリは、「上映後、想像以上にあたたかい拍手をいただき、本当に幸せでした」と語り、続けて「街を歩いていても、“昨日映画観たよ。すごく良かったよ。“と声をかけていただき、すごく自信になった。」とヴェネチアでの反響を語った。

これまでなぜ映画を作らなかったのか?と聞かれたオダギリは、「俳優という立場を利用して映画を撮るのはよくないと思っていた。どれほど真剣に映画作りに向き合ってもどうしても<俳優オダギリジョー>というフィルターがつきまとう。フェアな評価はいただけない気がしてこれだけ時間がかかってしまいました。」と回顧。なぜ今作ろうと思ったか?という質問に対しては、「検診を受けて大げさな話ですが、残された自分の時間について真剣に向き合った事がありました。その残された時間に何をするか?本当は映画を撮りたかったのに、変なプライドで自分でやりたい気持ちを閉じ込めていたなと。1本映画を作りたいという想いが、押し込めていた気持ちを上回った」と本作を制作することになった最初のきっかけについて語った。

■外国特派員協会員のQ&A

ある船頭の話

Q.これが初めての監督作とは思えない。一つ一つのシーンが丁寧に描かれている。特に夜のシーンが美しいと感じたがあれはどうやって?

A.オダギリ「クリス(クリストファー・ドイル)の存在が大きい。本当に撮りたいと思ったシーンを全て実現してくれた。“ジョーはとにかく俳優に芝居をつけろ。アートの部分を考えろ。どうやって作るかは俺たちの仕事だから。画づくりもお前のやりたいことを全部伝えてくれ”とクリスが言ってくれて。僕はやりたいことを細かく伝えて、クリスに本当に助けられました」と続けた後に冗談交じりに、「クリスはただの酔っ払いじゃないなと思いました」と会場の笑いを誘った。

Q.こんな映画を作れるオダギリ監督の幸せの定義は?

ある船頭の話

A.オダギリ「それぞれの幸せは何か?というのがこの映画のテーマでもあるし、皆さんそれぞれの幸せを見つけてほしい。時代や環境に左右されず、自分の中で大切なものをちゃんと持てているか、という思いをこの映画に込めた。それを持てるという事が幸せなのかもしれない」

Q.音楽の使い方に感銘を受けた。どうやって作っていった?

A.オダギリ「中学時代から曲を作るのが大好きで、今でも作っている。僕はミュージシャンに憧れている俳優でもあった。役者としても監督としても、音楽には人一倍こだわりをもっていると思う。5.1サラウンドをいかに有効活用するかに重きを置いていたので、まず劇場で見ないとこの良さは伝わらない。ゆくゆくはネット配信すると思うんですけどネットでは見ないでください!(笑)」

Q.日本の“間”を意識させる、ゆっくりとしたリズムの映画。やはり、日本人的な“間”を映画で表現しようとしたのか?

ある船頭の話

A.オダギリ「時代設定を明治時代で想定していて、今我々が生きている社会とは全く違う時間の流れ方があると思った。きっと僕らはめまぐるしく移りゆく社会の中で、自分を見失いそうになる。もっと自然と寄り添う時間の流れ方があったはずだと思い、まずはそれを表現することを目指した。
この映画には、大切なものを見失っているのではないかという問いかけがあり、もしかしたら時間の流れ方もそうなのかもしれない」

Q.多くの人が初監督作で出演したがる。本作では思わなかった?

A.オダギリ「セリフを覚えるというのが結構しんどくて、そこに時間を割かれるのが嫌で、絶対に出たくなかった(笑)。でも一番の理由は、自分の作りたいものに集中したかったというのが大きい」

Q.監督として、先輩俳優との仕事はどうでしたか?

A.「多くの尊敬する先輩方に出演して頂きました。柄本さんや先輩方に僕が芝居をつけるのは失礼だと思って。役者として信頼している人たちを呼んでいるのに・・・“ここは違う”というのは野暮ですよね(笑)。
同じ役者として、どうすれば役者の心の湧き出す芝居を引き出せるかと言うのがわかるので、その点は強みだったと思います。」


イントロダクション
ひとりの船頭を通して見つめる、人間の根源。
元号が「平成」から「令和」に変わる今、文明の波や時代の移り変わりに直面した山奥の村を舞台に「本当に人間らしい生き方とは何か」を世に問う問題作が生まれた。主人公の船頭トイチを演じるのは日本を代表する名優・柄本明。ヒロイン役には川島鈴遥を抜擢。そして村人・源三役には、若手実力派・村上虹郎が出演。この他にも本作が初長編監督となるオダギリジョーのもとに超豪華なキャスト、さらに国際派スタッフが集結。撮影監督にクリストファー・ドイル、衣装デザインには『乱』で米アカデミー賞Rを受賞したワダエミ、そして世界を舞台に活躍するピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦。そして8月28日より開催される第76回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門(コンペティション)への出品が決定。監督オダギリジョーが一流の才能を集め、比類なき作家性を発揮し、圧倒的な映像美と音楽で描く、極上の物語が誕生した。



一艘の舟。全ては、そこから始まる―。
ストーリー
近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく狂い始める―。

作品タイトル:『ある船頭の話』
出演:柄本明、川島鈴遥、村上虹郎/伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優/笹野高史、草笛光子/細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功
脚本・監督:オダギリ ジョー
撮影監督:クリストファー・ドイル
衣装デザイン:ワダエミ
音楽:ティグラン・ハマシアン
配給:キノフィルムズ/木下グループ

公式HP:http://aru-sendou.jp
公式Twitter:https://twitter.com/sendou_jp
公式Facebook:www.facebook.com/sendou.jphttp://aru-sendou.jp
コピーライト:(c) 2019「ある船頭の話」製作委員会

9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開


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