【レポート】『ディヴァイン・ディーバ』来日したディヴィーナ・ヴァレリアさんとカルーセル麻紀さんが47年ぶりの再会!

ディヴァイン・ディーバ

ブラジルで活躍したドラァグクイーン達のなかでも第一世代とよばれる、いわばドラァグクイーンカルチャー黎明期を支えた人々を追ったドキュメンタリー『ディヴァイン・ディーバ』が9月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショーとなる。この度、本作に出演している歌手のディヴィーナ・ヴァレリアさんが来日し、『ディヴァイン・ディーバ』の試写会とプレミアトークショーが実施され、ゲストのカルーセル麻紀と47年ぶりの再会を果たした。

『ディヴァイン・ディーバ』プレミアトークショー 概要

日時:8月22日(水) 18:20~19:20 映画上映後
場所:駐日ブラジル大使館(港区北青山2丁目11-12)
登壇者(敬称略):ディヴィーナ・ヴァレリア、カルーセル麻紀、MC:ヴィヴィアン佐藤

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映画上映後に大きな拍手で迎えられたヴァレリア氏は満面の笑みで観客に答えた。ブラジルの伝説のドラァグクイーンの登場に会場は盛り上がり。「実は47年前に公演で日本に来たこともある」と話すヴァレリア氏のもとに、スペシャルゲストとしてカルーセル麻紀さんが登場、お互いに大喜びした様子で熱い抱擁を交わした。実はヴァレリア氏の来日の際に対面しており、実に47年ぶりの再会を果たしたとのこと。

カルーセルさんが「映画をご覧になって素顔が映されるのが普通は嫌だと思うけれど、映画に映った素顔が素敵だった。そういった素の顔が撮れたのも監督が普通の女でなく、劇場のオーナーの孫だったから。だからこそ撮れた映画だったと思う」とこの映画の感想を語り褒めると、ヴァレリアは「まさか映画に使われるとは思わなかった。知っていたらもう少ししっかりとしたのに」と笑い、「実際には映像を撮られている時には使われることを知らなかった。監督が編集の時に舞台上を映すより舞台裏の方が重要だと気付いたと言っていた。だからこの映画では舞台裏のシーンが多くなった」と伝説のドラァグクイーン達の素顔に迫ることができた理由を明かした。

カルーセルさんが最近世間を騒がせた女性議員の「生産性がない」という発言に対して、「先進国である日本の方が、ブラジルよりよっぽど遅れている。ブラジルの方が結婚もちゃんとできるし幸せな国だと思う」と、日本の今を嘆くと、ヴァレリアが「生産性がないという発言ですが、全世界中で人口爆発が起きていて、食料問題とか色々な問題が起きている。だからゲイのカップルはもっと認められていいはず」と、独自の視点から語り場を和ませていた。

最後には現役の歌手でもあるヴァレリアさんが、劇中でも歌われる「マイ・ウェイ」を披露し、その深みのある歌声に集まった観客も感動した様子だった。日本で現役で活躍するドラァグクイーン達も駆けつけるなど、ブラジルと日本を代表するドラァグクイーンの夢の共演に観客は酔いしれ、終始異様な熱気を帯びたトークイベントは幕を閉じた。

ストーリー
1960年代のブラジル。軍司独裁政権下の厳しい時代にゲイやレズビアンなど性的少数者達には、今のような自由はなかった。だが、彼らは、女性装をして芸能の才を披露することで、自分らしく生きることを選んだ。かつてレジェンド達が歌い、踊っていた拠点であるリオ・デ・ジャネイロのヒヴァル・シアターの創立70周年を記念し、この劇場から巣立ったレジェンド達を一堂に会した「ディヴァイン・ディーバス・スペクタクル」が開催される。2014年に行われた特別版、レジェンド達のデビュー50周年祝賀イベントのプレミアでは、長い間舞台の仕事からは遠ざかっていた高齢の彼女らが、文句タラタラ四苦八苦しながら演目に挑む姿をとらえつつ、輝かしい60年代のシーンを振り返っていく。

作品タイトル:『ディヴァイン・ディーバ』
監督・脚本:レアンドラ・レアル
出演:ブリジッチ・ディ・ブジオ、マルケザ、ジャネ・ディ・カストロ、カミレK、フジカ・ディ・アリディ、ホジェリア、ディヴィーナ・ヴァレリア、エロイナ・ドス・レオパルド
2016年/ブラジル/ポルトガル語/110分/カラー/ビスタ/原題:DIVINE DIVAS
提供:青幻舎/ミモザフィルムズ
配給:ミモザフィルムズ

公式サイト:http://diva-movie.jp/
コピーライト:(c) UPSIDE DISTRIBUTION, IMP. BLUEMIND, 2017

9/1(土)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

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