【レポート】映画『ファースト・マン』トロント国際映画祭記者会見でデイミアン・チャゼル監督が描く本作のテーマが明らかに

ファースト・マン

アカデミー賞で同時ノミネートされた他作品を圧倒し、世界各国でも大絶賛が巻き起こった『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督と主演ライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだ待望の最新作『ファースト・マン』(原題:FIRST MAN)は、2019年2月より全国公開となる。(東宝東和配給)

9月12日は“宇宙の日”。日本時間の9月12日に、カナダのトロント国際映画祭で、人類で初めて月面へ着陸を果たしたアポロ11号計画をニール・アームストロングの目線で描いた『ファースト・マン』の映画祭公式記者会見が実施された。(現地時間:9月11日)
記者会見に登壇したのは、前作『ラ・ラ・ランド』で一昨年のトロント国際映画祭の観客賞を受賞し、最新作が注目されるデイミアン・チャゼル監督、主演のライアン・ゴズリング、クレア・フォイほか出演者と、ニール・アームストロングの息子兄弟も参加し、終始和やかなムードで行われた。

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映画『ファースト・マン』 第43回トロント国際映画祭 概要

参加者(敬称略):デイミアン・チャゼル(監督)、ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、カイル・チャンドラー、コリー・ストール、パトリック・フュジット、オリビア・ハミルトン、リック・アームストロング/マーク・アームストロング(ニール・アームストロング息子)
公式会見:9月11日(水)10:30頃~ TIFF Bell Lightbox(※現地時間)

チャゼル監督は製作のきっかけとして「『ファースト・マン』は『セッション』に続き同様のテーマで目標や野望を達成するために払う犠牲について探求する良い機会になると考えていた。」が、進めるうちに「アームストロングは今まで描いたそのような役柄と比べ、単なる野望にとどまらずたえず彼方にある何かを見たいという欲求があった。そんな彼が、歴史上あの期間に起きていた宇宙戦争のなかで、少年の頃から抱いた飛行への情熱であったり、その何かを見たいという欲求を、自身の任務を通して昇華させたという点に興味を引かれ、何とかして映画化したいという想いに突き動かされた」と語った。

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監督から直々に本作の主演のオファーを受けたというライアン・ゴズリングは「監督から神話のように語られるアームストロングの真実の姿を描きたかったと聞き、責任重大だと感じた」と答えた。月面着陸シーンで演じることの重要性については「英雄的な瞬間を自分のことでなく、森羅万象に関わることとして名言を残した彼を理解すること、そしてその過程に携われたことは大変光栄なことだった」と語った。

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また妻のジャネットを演じたクレア・フォイは、アームストロングの人間性や、傍で支える妻の姿にスポットが当たった本作の脚本にとても感銘を受けたようで「本作の素晴らしい点は、月に行く男たちの人間性という、誰も重要視せず、興味も持たなかった面に光を当てたこと。彼らには私生活があり、(月に行くにあたって)妻や子どもと口論をしたことなど、誰も気にかけなかった。今回は脚本を読んで、“是非出演させてほしい”と思いました」とコメントした。

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会見には、アームストロング本人の息子であるリック・アームストロングとマーク・アームストロングも登壇。マークは「本作は真実に忠実であることを物語っている。すでに4、5回観ているが、昨晩も観てまた泣いてしまった。映画の内容および出演者たちの演技が、いかに真に迫っているかを物語っている作品だと思います。」と本作に賞賛を贈った。ライアン・ゴズリングによると「息子ら家族は撮影に協力と支援を惜しまず、宇宙シーンの撮影には実際のアポロ計画の宇宙飛行士ら、そしてセットには原作者のジェイムズ・R・ハンセンが常駐した」とのことで、「皆さんがニールとジャネット、そして彼らの功績をとても大切にされていて、事実と異なる描写がされないようにあらん限りの情報を提供したいと思ってくださっていることを強く感じた」と当時を知る協力者たちに感謝を捧げた。

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デイミアン・チャゼル監督×ライアン・ゴズリング主演×ジョシュ・シンガー脚本

史上最も危険なミッションである月面着陸計画に人生を捧げ、命がけで成功へと導いた実在の宇宙飛行士、アポロ11号船長ニール・アームストロング。全人類の夢であり未来を切り開いた偉業のすべてを、賞レース常連の実力派監督、脚本家、俳優らが集結し当時の記録に基づく綿密な研究と持ち前の手腕によって圧巻のリアリティと臨場感たっぷりに描かれる『ファースト・マン』。
本作は第75回ベネチア国際映画祭オープニング上映作品に選出され、上映後にはスタンディングオベーションが巻き起こり、主演ライアン・ゴズリングとクレア・フォイの演技に絶賛の声が上がった。トロント国際映画祭ではガラ・プレゼンテーション部門に選出。公式上映はIMAXスクリーンの劇場で行われ、視界に広がる没入型宇宙体験で観客を圧倒。海外の映画評論家からますますの高評価が集まっている。
今後釜山国際映画祭、ハンプトンズ国際映画祭にも出品が決まっており、本年度の賞レースが期待される。第43回トロント国際映画祭の授賞式は現地時間9月16日(日)に行われる。

第43回トロント国際映画祭 授賞式

9月16日(日)午後12:30頃~(日本時間=9月17日(月)午前1:30頃~)
※キャスト・スタッフの参加は調整中

第43回トロント国際映画祭

開催期間:9月9日~9月16日(現地時間)
ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭に次ぐ規模の来場者数を誇る北米最大の映画祭。審査員が賞を決めるコンペティション部門を持たず、すべての上映作品の中から一般の観客の投票で決まる「観客賞」が最高の賞となる。受賞結果は、現地時間16日に授賞式で発表される。
一昨年、デイミアン・チャゼル監督が手掛けた前作『ラ・ラ・ランド』では最高賞の「観客賞」を受賞。その後の賞レースを席巻するきっかけとなっただけに、最新作がどのように賞に絡んでいくのか注目が集まっている。

作品タイトル:『ファースト・マン』
出演:ライアン・ゴズリング(『ラ・ラ・ランド』(17)、『ブレードランナー 2049』(17)、クレア・フォイ(『蜘蛛の巣を払う女』(19)、カイル・チャンドラー(『キャロル』(16)、ほか
監督/製作:デイミアン・チャゼル(『ラ・ラ・ランド』(17)、『セッション』(15)
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、アダム・メリムズ、ショジュ・シンガー
脚本:ジョシュ・シンガー(『スポット・ライト 世紀のスクープ』(16)、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(18)
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ(『セッション』(15)、『ラ・ラ・ランド』(17)
※作品公開年は全て日本公開年
原題:『FIRST MAN』
全米公開:10月12日(金)
原作:「ファーストマン:ニール・アームストロングの人生」著/ジェイムズ・R・ハンセン
配給宣伝:東宝東和

公式サイト:http://www.firstman.jp/
コピーライト:
写真用:(c)Universal Pictures and DreamWorks Pictures
映像用:(c)2018 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2019年2月 全国ロードショー!

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