【レポート】『マイスモールランド』大阪での舞台挨拶に嵐莉菜、奥平大兼、藤井隆、川和田恵真監督が登壇! ―全国公開中

マイスモールランド

是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人監督・川和田恵真監督による商業映画デビュー作『マイスモールランド』(全国公開中)の舞台挨拶が、公開2日目の5月8日(日)に大阪で開催され、主演の嵐莉菜奥平大兼川和田監督、そして奥平演じる聡太の叔父を演じた藤井隆が登壇した。

イベント概要

日程:5月8日(日) 17:45~18:15 ※上映後イベント
登壇者:嵐莉菜、奥平大兼、藤井隆、川和田恵真監督
場所:なんばパークスシネマ スクリーン4

在留資格を失い、普通の高校生としての日常が奪われてしまった17歳の在日クルド人の主人公サーリャ(嵐莉菜)が理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探し、成長していく物語を描いた本作。

映画の中でサーリャと聡太が<大阪に行きたい>という話をするシーンになぞらえて「サーリャと聡太がついに大阪でたこ焼きを食べました!」と、まずは大阪ならではのトークからスタートした今回のイベント。

たこ焼きの感想を聞かれたは「大阪で食べるたこ焼きは、記憶にある中では初めてで、トロトロで美味しくて、本場はやっぱり違うなと思いました」と感心した様子。奥平も「大阪に来ること自体初めてなので、初上陸で。ソースがかかっているものとかかっていないものがあることにびっくりしました」と、2人とも本場の味を堪能した様子。

続いて、大阪の美大を目指す、という劇中の聡太の設定に関して聞かれた監督は「大阪芸大卒の映画監督が多くいらっしゃるので憧れていたのと、自分が高校生時代大阪に行きたいと思っていたので、高校生にとって遠出になるということから大阪にしました」と大阪の“美大”の設定には明確な意図があったことを明かした。

本作の舞台挨拶に初参加となった藤井は「何でも聞いてください!」と意気込み、さっそく嵐との共演について聞かれると「現場では本番以外の時間はほとんどマスクを着けていたが、楽しそうにころころと変わる表情や愛らしさがマスクをしていても伝わってきたし、一方で本番になると一気にサーリャになるのでこちらが引っ張ってもらえて、すごく素敵な女優さんとお仕事させてもらえているんだなと感じていました」と嵐の演技に臨む姿勢に感服したと語った。

それを聞いたも「藤井さんは本当にやさしくて。さっきも誕生日プレゼントをくれました!」と嬉しそうに話すと、すかさず藤井が「そんなこと言わんでいいんですよ!」と照れた様子で、和気あいあいとした雰囲気が伝わってきた。

嵐・奥平と三人のシーンが多かった藤井は、公開初日になんばパークスシネマで本作を鑑賞したようで、「緊張しながらもしっかりと監督と話し合って、一生懸命楽しみながら撮影に臨んでいて。作品が伝えてくるメッセージは考えさせられるものが多いが、このおふたりだからこそ爽やかな青春のシーンが出来上がっていたと思う。」と撮影当時を振り返りながら、初共演の二人に賛辞を贈った。

またそれぞれの好きなシーンを聞かれると、は「つらいシーンも多いけれど、聡太と出かけるシーンなどサーリャの幸せそうな笑顔のシーンが好きです」とはにかみながら語り、奥平はサーリャと聡太が橋の看板に手形をつけるシーンを挙げ「(嵐と)二人で『冷たい、冷たい!』と言いながら撮影したのをすごく覚えてます」と振り返った。

また、藤井は「サーリャとお父さんがサーリャの弟の学校に呼び出された帰り道に、すごく大切な話をしながら歩いている中で石を蹴りながら歩いているシーンが長回しで撮っていてさりげなくすごいなと。石にもお父さんの思いが込められているので素敵なシーンだと思います」と、サーリャの父の強い思いや家族の葛藤が強く描かれているシーンを挙げた。

最後に奥平は「ぜひ周りのいろんな方にこの作品を広めていただけると嬉しい」と力強く呼びかけ、藤井も「クルドのことについて僕自身も以前はほとんど知りませんでしたが、少しでも知ったことでニュースなどにも関心が向くようになったので、この映画を一人でも多くの方に観てもらいたいです。これからもよろしくお願いします。」と思いを込めて締めくくった。

イントロダクション
ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門のヘッドプログラマーのセバスチャン・マルクト氏が「世界共通のテーマである現代社会の矛盾を、とても美しく、映画らしい構成で物語に練りこんでいる」と称え、海外メデイア「VERDICT」に掲載されたレビューには、「川和田監督の『マイスモールランド』はあくまでフィクションとして、彼女自身がダブルとして生きる経験から、クルド人全体を描くのではなく、一人の高校生であるクルド人に焦点をあてる。彼女が生きる日本社会の中で、希望や夢を持ち、目の前の困難に立ち向かう状況を描いた特別な映画である。日本当局の非人道的な難民政策を厳しく批判する一方で、17歳の少女が自分の感情や、複数のアイデンティティによってもたらされる責任と対峙する姿を感動的に描いており、注目されるべき作品」と既に海外からも高く評価されている。

ストーリー
クルド人の家族とともに、生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳の少女、サーリャ。少し前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。ある日、難民申請が不認定となり、家族の日常が一変する。埼玉に住むサーリャは、在留資格を失った今、バイトをして、大学に進学し、東京の高校に通う聡太と自由に会うこともできない。日本に居たいと彼女が望むことは“罪”なのだろうか――?

作品タイトル:『マイスモールランド』
出演:嵐莉菜、奥平大兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴
アラシ・カーフィザデー、リリ・カーフィザデー、リオン・カーフィザデー、韓英恵、サヘル・ローズほか
監督・脚本:川和田恵真
主題歌:ROTH BART BARON「N e w M o r n i n g」
企画:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(日仏共同制作)
上映時間:114分
配給:バンダイナムコアーツ

公式サイト:mysmallland.jp
公式Twitter:@mysmallland
公式Instagram:@mysmallland
コピーライト:(c)2022「マイスモールランド」製作委員会

全国公開中

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