【レポート】『サイゴン・クチュール』グエン・ケイ監督来日!野宮真貴&デビット伊東&落合賢監督ら登壇のトークショー開催

サイゴン・クチュール

1969年のサイゴンで、代々続くアオザイ仕立屋で母に対し反抗を繰り返す娘・ニュイが、ある日21世紀にタイムスリップ。変わり果てた自分と店の姿に自分の《人生》を変えるべく奔走するファッション・ファンタジー『サイゴン・クチュール』が12月21日(土)より新宿K’sシネマほか全国順次公開となる。

この度、本作の監督来日イベントが11/11(月)に笹塚ボウルにて開催され、グエン・ケイ監督のほか、野宮真貴さん、デビット伊東さん、落合賢さんが登壇した。

黒のシックなアオザイで登場したケイ監督。1960年代を舞台にした映画を製作した理由について司会の映画ライター・新谷里映に問われると、「1960年代は素晴らしいことがたくさんあった、希望に満ちた時代でした。そんな時代を愛しているからです。」と答えた。また、母と娘の設定は脚本の初期段階では姉妹の設定であったことや、用意された衣装は231着に上ることなど、製作中の裏話を明かし、その度に会場からは驚きの声が上がった。

また、本作の特徴である華やかなアオザイの衣装についても言及。「ファッションデザイナーを務めたトゥイ・グエンから、フランスの植民地時代の象徴である花柄のタイルや、1960年代の象徴である水玉模様をアオザイのデザインに取り入れたいと提案されたんです。彼女のおかげで現代的でありながらもレトロな雰囲気を持つ、素晴らしい衣装となりました。嬉しいことに、この映画をきっかけにアオザイを普段から着る若い人たちが増えたんです」と明かした。

第1部の終盤にはベトナム映画『サイゴン・ボディガード』、『パパとムスメの7日間』などを手がける落合賢監督が登壇。落合が作中の華やかな色使いについて触れると、ケイ監督「1960年代はポップな色使いをする時代でした。また、ベトナムのような熱帯の場所はトロピカルカラーが映えるんです。」と顔をほころばせた。

トークショーの第2部には、ミュージシャンの野宮真貴、ベトナムにラーメン店を出店しているデビット伊東が登場。作品について野宮「とてもキュートでポップ!ピチカート・ファイヴで着ていたようなファッションがたっぷりでした。久しぶりにワクワクするような楽しい映画を観ました。ベトナムに知り合いのお店があり、アオザイをつくったことがあるのですが、劇中に出てきた水玉模様のアオザイがすごく欲しくなりました。」デビット「とにかくカワイイ映画。主人公の母親がいう「基本を大事にしろ」というセリフが印象に残りましたね。」とそれぞれ感想を述べ、その度にケイ監督は笑顔で感謝を伝えていた。

またケイ監督は2作目、そして3作目についても言及。「3作目は京都を舞台にしたいと思っているのですが、野宮さんには一番良いアオザイを10回くらい着替える役で出て欲しい。すごく似合うと思います。」とオファー。「ステージで10回着替えたことがあります。着替えは得意です。」と野宮が返すと、会場は大きな笑いに包まれた。

イベント終盤には、本作のコスチュームデザインを担当したテュイ・グエンによるブランドTHUY DESIGN HOUSEの革新的なファッションが立ち並ぶスペシャルファッションショーも開催。華やかなアオザイが会場を彩った。そしてベトナム人ダンスグループ9Flowersが作品のテーマをバックにダンスを披露、会場は大いに湧き、イベントは終幕となった。

ストーリー
1969年のサイゴン。9代続いたアオザイ仕立て屋の娘ニュイは、ミス・サイゴンに選ばれるほど美しくスタイルもファッション・センスも抜群。しかし60年代のニューファッションに夢中で、”野暮ったい”アオザイを仕立てる母と対立していた。そんなニュイがある日突然、現代にタイムスリップ!変わり果てた自分と店の姿に対面してしまう。なんと母が急逝した後、店が傾き倒産、生家も取り上げ寸前の状態だった。そこでニュイは自分の《人生》を変えるべく、ベトナムのトップデザイナーのもとで働くことに。しかし仕事では失敗ばかり。自身のファッション・センスも既に時代遅れと落ち込む。しかし青年・トアンの助けを借りつつ奮闘し、徐々に自信を取り戻していく。ニュイは果たして成りたかった《本当の人生》を取り戻すことが出来るのか?

作品タイトル:『サイゴン・クチュール』
出演:ニン・ズーン・ラン・ゴック/ホン・ヴァン/ジエム・ミー/オアン・キエウ/S.T/ゴ・タイン・バン(ベロニカ・グゥ)
監督:グエン・ケイ/チャン・ビュー・ロック
脚本:エー・タイプマシン
製作:ゴ・タイン・バン/トゥイ・グエン
主題歌:ドン・ニー
原題:Co Ba Sai Gon 英題:The Tailor
2017/ベトナム/100分
字幕協力:大阪アジアン映画祭
特別協賛:松竹株式会社
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト

公式サイト:http://saigoncouture.com/
コピーライト:(C)STUDIO68

12月21日(土)より新宿K’sシネマほか全国順次ロードショー!

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