『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花、板垣李光人、松居大悟監督が大阪で舞台挨拶に登壇

映画『ミーツ・ザ・ワールド』の舞台挨拶 in 大阪が10月4日にT・ジョイ梅田にて開催され、主演の杉咲花と、板垣李光人、松居大悟監督が登壇した。

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歌舞伎町を舞台に、擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛するも自分のことは好きになれない27歳の主人公の新たな世界との出会いを描く本作。原作は、第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説。

イベントでは、まずヒロインの由嘉里を演じた杉咲が「大好きな大阪に映画を届けに来られて嬉しく思っています。今日は短い時間ですが、よろしくお願いします」、不特定多数から愛されたいホストのアサヒを演じた板垣が「東京では完成披露イベントとかあったんですが、こうやって大阪の皆さんにもひと足早くこの作品をお届けできるということで、すごく嬉しく思っております」、松居監督が「由嘉里とアサヒがちょっとゆかりのある、この大阪で公開前に舞台挨拶ができることを嬉しく思います。ゆっくりご覧なってください」と、それぞれに挨拶。

本作に出演が決まった時の気持ちを聞かれると、杉咲は「オファーをいただいた時に初めてこの原作を手にしたんですけど、手に取るように熱量が伝わってきて、由嘉里という役を演じられることが純粋にすごく楽しみな気持ちになりました」と明かした。また、板垣は「原作の金原ひとみさんとは2年前ぐらいに番組でお会いしたことがあって、その時実際にお話しさせていただいて、すごくお人柄も優しくて面白くって素敵な方だなって思っていました。金原さんの作品はいいことばかりではなくて、最後のエンディングも“みんなが見てハッピーエンド”っていうよりかは登場人物それぞれのハッピーエンドみたいな雰囲気がすごく素敵だなと思ってたので、今回こうして役者として金原さんの原作の作品に参加できることがすごく嬉しかったです」と語り、それぞれ原作に対して熱い思いがあったことを明かした。

そんな2人のキャスティングに関して、松居監督は「3年前に原作が出た時に、由嘉里は杉咲さんで勝手に(原作を)読んでいました。杉咲さんとはもう10年ぐらいのお付き合いになるんです。いつか映画を一緒にやりたいねって言ってたのが今回なのではないかと思い、声をかけさせていただきました」と満を持してのオファーだったと語った。続けて、「そこにオーディションで選んだ(ライ役の)南琴奈さんがいらっしゃった時に、みんなが気になっていた板垣李光人がここに並べば、何かワクワクするなと(笑)。本当に念願叶ったって感じです」と監督自身もキャスティングに満足している様子をうかがわせた。

さらに松居監督が「“場所に嘘つかずやろう”っていうのが今回のコンセプトだったので、例えばライのマンションは、マンションだから撮りやすい場所を探せばいいのにあえてちゃんと歌舞伎町で探したり、路地裏も全部歌舞伎町で撮影しました」とロケーションに対してのこだわりを明かすと、杉咲は「ナイターシーンがすごく多くて、”ナイターシフト“って言って完全に昼夜逆転したスケジュールで撮影していました」と歌舞伎町が舞台の映画ならではエピソードを披露。一方、板垣は「あんまり頭が働いてなかった(笑)。夜中から朝方にかけてや昼ぐらいに終わる撮影の時とか、その間の記憶が抜け落ちてるんですよね。あんまり覚えてなかった」と観客の笑いを誘っていた。

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また、“この作品は役者が演じる役どころがとてもリアルだ”という話がMCから出ると、松居監督から「杉咲さんは推し活をしてる方々にお会いしてお話を聞いたり、板垣君もホストクラブってどういうサービスをされているところなのかを見たり、ライ役の南さんもキャバクラに行ったり、みんなが細やかな努力で映画に寄り添おうとしているのを感じました」とキャスト陣への感謝の気持ちを述べた。

さらにこのイベントでは、10月2日に誕生日を迎えた杉咲へサプライズでケーキが登場。この日の為に特別発注されたケーキには、主人公・由嘉里の写真や劇中のオリジナルアニメ「ミート・イズ・マイン」のキャラクターであり、由嘉里の推しカプがプリントされたクッキーがデコレーションされており、杉咲は「こんな立派なケーキをいただいちゃって嬉しい」と笑顔を見せた。一方、由嘉里の写真入りケーキを見た板垣は「ここは杉咲さんしか食べられないですね」と語り、会場の笑いを誘った。

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最後に、松居監督は観客に「ちょっと嫌だなとか、苦しいなとか、どうしたらいいんだろうなって皆さんも生きていたら思うことがいっぱいあると思います。そういったときにこの映画がちょっと支えになってくれたら嬉しいです。どうぞ楽しんでください!」とメッセージを送り、板垣は「由嘉里は自分とどこか重なる部分を感じる方もたくさんいらっしゃるんじゃないかなと思います。この『ミーツ・ザ・ワールド』の世界の中に皆さん一人ひとり入っていただいて、そこでの出会いであったり、自分自身との出会いがあったらいいなと思います」と語った。

そして杉咲は「由嘉里は自分の好きなものとか、自分の生き方をあまり母親に理解してもらえなくて、批判的な生き方を求められてしまったり、何か指摘されたり、抑圧されて息苦しさを感じてきた人。でもライに出会ったことでその立場が逆転して、自分の価値観を押し付けるようになってしまうところが描かれています。人の幸せを願うって何だろうっていうことを考えさせられます。どれだけ噛み合わないふたりでもなぜか惹かれ合って共同生活をしているところを見ると、分かり合えない同士でも一緒に生きていくことはできるんじゃないかっていう祈りのようなものがこの映画には描かれている気がして、この映画なりの人間賛歌を受け取ってもらえたら嬉しいです」と思いを語り、会場は温かい拍手に包まれ、イベントは大盛況のうちに終了した。

ストーリー
擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」に全力で愛を注ぎながらも、自分のことは好きになれない由嘉里。27歳になって結婚・出産…と違う世界に次々と離脱する腐女子仲間をみて、このまま仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じ、婚活を始める。しかし参加した合コンで惨敗。歌舞伎町で酔いつぶれていたところ、希死念慮を抱えるキャバ嬢・ライに助けられる。ライになぜか惹かれた由嘉里は、そのままルームシェアを始めることに。やがて、既婚のNo.1ホスト・アサヒ、人の死ばかりを題材にする毒舌作家・ユキ、街に寄り添うBARのマスター・オシンと出会い、歌舞伎町での生活に安らぎを覚えていく。そんな日々の中でもライのことが気がかりな由嘉里は、かつての恋人との確執が解ければ死にたい感情は消えるかもしれないと考え、アサヒやユキ、オシンに相談する。だが、価値観を押し付けるのはよくないと言われてしまう。それでもライに生きてほしいと願う由嘉里は、元恋人との再会を試みるが―。

『ミーツ・ザ・ワールド』
出演:杉咲花 南琴奈 板垣李光人 くるま(令和ロマン) 加藤千尋 和田光沙 安藤裕子 中山祐一朗 佐藤寛太 渋川清彦 筒井真理子 蒼井優
(劇中アニメ「ミート・イズ・マイン」)村瀬歩 坂田将吾 阿座上洋平 田丸篤志
監督:松居大悟
原作:金原ひとみ「ミーツ・ザ・ワールド」(集英社文庫 刊)
脚本:國吉咲貴 松居大悟
音楽:クリープハイプ
主題歌:クリープハイプ「だからなんだって話」(ユニバーサルシグマ)
2025年/日本/カラー/アカデミー(1.37:1)/5.1ch/126分/G
配給:クロックワークス
(C)金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会
mtwmovie.com

10月24日(金)全国公開

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