
物語の始まりは、約170年前にパンジュルリ神のお告げにより先住民に与えられた広大な森。カードゥベットゥ村は、長きにわたって伝承されてきた神降ろしの儀式ブータ・コーラを執り行い、土地を奪い返そうとする地主が現れてもなお、神の加護により平穏を築いていた。
しかし現代に時代が移ると、森林局に赴任したムラーリ保安官(キショール・クマール・G.)が、民が占有する無許可の土地を、国が指定する保護林に組み入れようとして、村が存亡の危機に晒される。ブータ・コーラの演者だった父を持つ、村一番の放蕩者で猛々しい水牛レースの絶対王者として君臨するシヴァ(リシャブ・シェッティ)は、村の平穏な暮らしを守るべく傲慢な森林局と対立する。

今回届いた本編映像は、古より伝わり現在でも南インドで行われている神降ろしの儀式ブータ・コーラを捉えた本編シーン。南インドの伝統的な木管楽器のナーダスワラムの音色が響くなか、画面全体にパンジュルリ神が登場。神降ろしの儀式ブータ・コーラが執り行われる様子を映し出しながら、パンジュルリ神の偉大さを紐解いていく。
暗闇の森林の中で電気もない、たいまつの明かりで照らされている中心で、パンジュルリ神の神秘的な一面が目視でき、祭礼に参加する村民の緊張感も感じることが出来る。さらに、民族音楽とロック調の音楽が融合した本作のリード楽曲「Varaha Roopam 」が儀式を盛り立てる。

太古の昔から人々に広大な森と土地を与えながら守護する存在として崇められているのが、パンジュルリ神である。神降ろしの儀式ブータ・コーラの演者が代表して、パンジュルリ神に捧げる舞を披露しながら、儀式中に「ウワァァァアアアアアーーー!」と雄たけびを上げて讃えつつ、村民たちの守護も願っているのである。
南インドに生まれ育ち、飲料水販売や不動産業といった職を掛け持ちしながら成功を夢見て、映画業界に飛び込んだという異色の経歴を持つリシャブ・シェッティ。本作では監督・脚本・主演を全てこなすマルチな才能を発揮している。
シェッティは「カーンターラのアイディアは私のルーツから生まれました。私はカルナータカの海沿いのエリア出身で、そこではブータ・コーラの儀式が行われています。ブータ・コーラは単なるパフォーマンスではなく信仰であり、今日まで伝承され我々のアイデンティティを形成しているのです。長い間インドの田舎を舞台にした映画のストーリーには、信ぴょう性のある物、感情豊かな物が少ないように感じ、リアリティのある物語を書いてみたいと考えていました。制作チームと共に、正直さを持って作るべきだと考え、希釈せず、商業化を意識せず、プライドを持って制作しようと思いました。映画の根幹にあるのは、信仰、自我、力、自然です。これらは普遍的なものだからこそ、言語や境界を越えて観客に届くのだと思います」とコメントを寄せている。




