
アザービジュアル
ワンデル監督の長編2作目となる新作『アダムの原罪』は、ベルギーの病院を舞台に、孤立した母子に寄り添おうとする看護師の葛藤と決断を、極限の没入型映像で見すえたヒューマン・サスペンス。人手不足などで慢性的に逼迫した医療現場は、病院内の厳格なルールや司法制度に沿って運営されているが、それらのシステムは決して万能ではない。母子を引き離す裁判所命令に疑問を抱いた主人公の看護師ルシーの行動、勇気ある決断に焦点を当てた物語は、人間の良心、他者への共感といった主題を織り交ぜながら、最優先して守られるべき子供の“命”についての重い問いを投げかけてくる。

アザービジュアル
今回公開されたアザービジュアル3種は、4歳のアダムが、母レベッカにしがみつく様子、射抜くような視線でこちらを見据えるアダム、ベッドに横たわり不安そうな表情を見せるアダムをそれぞれ切り取ったもの。「ただ、この子と一緒にいたいだけなのに」「ママといたい、ただそれだけーー」といった母と子の悲痛な言葉がキャッチコピーとして添えられている。

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本作をいち早く鑑賞した尾崎世界観は「これはサスペンスなどではなく、紛れもない現状だ」と指摘し、瀬々敬久は「一瞬たりとも立ち止まらない葛藤を見つめながら、動きが止まった瞬間、音が消えた瞬間、新たな世界が始まったように感じた」と鮮烈な映画体験を明かした。ほか、小野正嗣、伊藤さとり、小川紗良、今西洋介、野中モモ、門間雄介からも絶賛のコメントが届いた。
さらに、新宿武蔵野館にて、公開日の6月5日に、映画監督の呉美保を迎えたトークイベントの開催が決定。来場者には今回解禁されたアザービジュアル2種が表裏に印刷されたチラシがプレゼントされる。チケットは5月29日午前0時(28日午後24時)よりオンラインチケット発売開始(https://shinjuku.musashino-k.jp/)。

また、ローラ・ワンデル監督の前作『Playground/校庭』の限定上映も決定した。6月5日より新宿武蔵野館にて1週間限定上映される。

コメント一覧(※敬称略・順不同)
母子を守るための制度が母と子を引き離し、
わが子を守ろうと母があがけばあがくほど、母も子も追い詰められるという逆説。
ふたりを救いたいとひとり奮闘する看護師の強いまなざしが問いかける。
病院がその名にふさわしいホスピタリティーを失い、
孤立した者が素直に心を開くことができないのは、
私たち自身の罪ではないのかと。
小野正嗣(作家、フランス文学者)
これはサスペンスなどではなく、紛れもない現状だ。それが何よりも恐ろしい。
尾崎世界観(ミュージシャン・作家)
いくら救いの手を差し伸べようとも、自らこぼれてしまう命がある。
それでも希望を見いだそうと働きかける看護師の視点から捉えた母子の姿は、もどかしく強い愛に縛られていた。
これは、人間心理の難解さが痛烈なまでに突き刺さる問題作だ。
伊藤さとり(映画評論家)
休む間もない緊迫の80分。
愛ゆえに起こる過ちや衝突を、追体験するようだった。
レベッカの速い足取りと、お守りのように髪を束ねるバレッタが、目に焼きついている。
小川紗良(文筆家・映像作家・俳優)
救うことも、救われることも、一筋縄ではいかない。
一瞬たりとも立ち止まらない葛藤を見つめながら、
動きが止まった瞬間、音が消えた瞬間、新たな世界が始まったように感じた。
瀬々敬久(映画監督)
我々小児医療従事者は病気だけを診ているのではない。
人を、家族を、生活ごと丸ごと診ている。
この映画はそれをリアルに、そしてシャープに描いている。
今西洋介(小児科・新生児科医)
次から次へと発生する緊急事態を捌いてゆく看護師長の姿はどんなヒーロー映画よりもヒ―ロー的でかっこいい。
本当は誰かをヒーローにしたりしないで済みたいのだけれど。
野中モモ(ライター・翻訳者)
子どもを危険な状況に追いやる、無知で未熟な母親を、だからといって孤立させてはいけない。その犠牲となるのは、結局は子どもなのだから。
ある小児病棟で親と子に手を差し伸べる、献身的な看護師の姿を通じて、この映画は問いかける。
子どものために、親は、大人はいったいなにをするべきなのか。
門間雄介(ライター/編集者)
『アダムの原罪』
出演:レア・ドリュッケール、アナマリア・ヴァルトロメイ
監督・脚本:ローラ・ワンデル
製作:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟
2025年/ベルギー、フランス/フランス語/79分/16:9/5.1ch/原題:L’interet d‘Adam /英題:Adam‘s Sake/日本語字幕:岩辺いずみ
後援:駐日ベルギー大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
提供:ニューセレクト
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
(C)DRAGONS FILMS – LES FILMS DU FLEUVE – LES FILMS DE PIERRE – LUNANIME – FRANCE 3 CINÉMA – BE TV & ORANGE – PROXIMUS – RTBF (TÉLÉVISION BELGE) – SHELTER PROD
adam-film.com
6月5日(金) 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開



