西島秀俊が主演を務める映画『存在のすべてを』の新たなキャストに、佐藤浩市、高橋一生、木村文乃、鈴木杏の4名の出演が決定した。

原作は、第9回渡辺淳一文学賞を受賞し、「本の雑誌」が選ぶ2023年度ベスト10にて第1位、2024年本屋大賞第3位を受賞した塩田武士の傑作ミステリー小説。瀬々敬久が監督を務める。
本作の舞台は、1991年秋に神奈川で起きた前代未聞の「二児同時誘拐事件」。同じ夜に姿を消した二人の少年のうち、一人は保護されたものの、もう一人の少年・内藤亮は行方不明のまま3年の月日が流れる。ある朝突然祖父母の元へ帰ってきた亮だったが、「空白の3年間」について固く口を閉ざしたまま、事件は未解決で時効を迎えた。30年後、新聞記者・門田次郎は旧知の元刑事の死をきっかけに再取材を開始。やがて、写実画家となった亮や、彼を想い続ける同級生・土屋里穂らの過去が交錯し、隠された“色鮮やかな記憶”が静かに浮かび上がっていく。
西島が事件を追う新聞記者・門田役を、広瀬すずが画廊を営む里穂役を、そして志尊淳が、彗星のごとく美術界に現れた謎の写実画家・亮役を演じる。さらに仲村トオル、斎藤工、青柳翔、光石研、永島敏行、奥田瑛二らが出演する。

佐藤浩市が演じるのは、謎多き天才写実画家・如月脩を支援する銀座の老舗画廊「六花」の店主・岸朔之介役。瀬々監督との撮影について佐藤は、「演じる役の『立ち位置』について、監督とお互いの経験値からくる『暗黙知』で認識をすり合わせながら撮影に臨みました」と現場での充実した日々を述懐している。
高橋が演じるのは、朔之介に比類なき才能を見出されていたものの、消息不明となった写実画家・野本貴彦役。今回、本作への絵画提供と監修を担当する、日本の写実絵画界を代表する画家・大畑稔浩のもとで絵画指導を受けて役に挑んだ高橋は、「『写実とは何か』を教わった時、僕が目指しているお芝居の感覚にすごく近いものを感じて、それがとても衝撃的で写実画にのめり込んでいきました。多くの方に共感していただける素敵な登場人物たちの「人間らしさ」に触れて、皆さんに楽しんでいただけることを願っています」と、本作での確かな手応えを語っている。
木村が演じるのは、貴彦の婚約者である木原優美役。木村は、「『人生は辛いことや悲しいことばかりではない』と観てくださる方にそっと寄り添えるような存在でいたいと思いながら撮影に臨んでいました」と作品に込めた想いを明かす。
鈴木が演じるのは、門田の取材に応じる中で、30年間誰にも明かさなかった“ある手紙”の存在を告白する、被害児童・亮の実母・内藤瞳役。複雑な心情を抱える難役に挑んだ鈴木は、「無気力でどこかアンバランスな、自分の人生に抗えなかった彼女の内面の揺らぎを、私なりに大切に汲み取りながら演じました。皆さんがどう受け取ってくださるのか、とても楽しみです」と決意と期待を語っている。
併せて、各キャラクターのソロカットも解禁。画廊で深みのある重厚な佇まいを見せる朔之介(佐藤)、アトリエで穏やかながらもどこか切ない表情を浮かべる貴彦(高橋)、木漏れ日の中で優しく微笑みかける優美(木村)、そして壁に背をもたれながら物憂げな眼差しを向ける瞳(鈴木)の姿が収められている。
佐藤浩市 コメント
瀬々監督とは何度もタッグを組んできた仲ですが、昭和の映画作りの良さと今の時代との折り合いをつけるのが非常にうまい方です。今回演じる岸朔之介という人物の「立ち位置」について、監督とお互いの経験値からくる「暗黙知」で認識をすり合わせながら撮影に臨みました。本作でキーとなる写実画について、僕自身これまであまり深い馴染みがありませんでした。絵画の面白さはまた違ったところにあると思っていたんです。それが現場を経験して、逆に「写実の世界の奥深さ」のようなものを改めて認識させられたと感じています。
この映画は、自分の置かれた状況だけでなく、物事を多角的に見つめる目線を与えてくれる作品です。
自分自身の立場や子供との距離感など、様々なことを思い浮かべながらじっくり鑑賞していただけたらと思います。
ぜひ劇場でご覧ください。
高橋一生 コメント
瀬々組には初めての参加でしたが、誠実に作品に向き合う方ばかりで、僕自身もこれからの自分の在り方を見つめ直すような、とても良い経験ができたと感じています。今回、役へのアプローチの軸になったのは「絵」でした。絵画の指導をしていただいた大畑稔浩さんから「写実とは何か」を教わった時、僕が目指しているお芝居の感覚にすごく近いものを感じて、それがとても衝撃的で写実画にのめり込んでいきました。
現代で失いかけてしまっているかもしれない「人間の根源」というテーマとともに、都合や合理性だけではない、人間の愚かさや美しさが内包されている作品になっていると思います。多くの方に共感していただける素敵な登場人物たちの「人間らしさ」に触れて、皆さんに楽しんでいただけることを願っています。
木村文乃 コメント
初めての瀬々組は、お芝居にじっくり向き合える「これぞ映画の現場」という非常に贅沢な環境でした。
時間に追われるのではなく、「今撮れるベストを尽くそう」という現場の熱量に、この世界に入りたての頃に抱いた「映画人の方々に交じって映画を作っている」という原点のような嬉しい感覚が蘇り、本当に素敵な時間を過ごさせていただきました。
私が演じた木原優美という役を通して、「人生は辛いことや悲しいことばかりではない」と観てくださる方にそっと寄り添えるような存在でいたいと思いながら撮影に臨んでいました。
悲しみの中にも温かな「希望」を感じていただける作品になっていますので、ぜひ気負わずに劇場で受け取っていただけたら嬉しいです。
鈴木杏 コメント
瀬々監督と20年以上ぶりにご一緒でき、また瀬々組に参加できるんだということがすごく嬉しかったです。
初めて脚本を読んだとき、私自身「この壮大なスケールの物語がどう映像化されるんだろう」とワクワクしましたし、同時に、役者の表現によって「深めがいのある作品」だと感じました。
私が演じた内藤瞳は、端から見れば「ひどい親」という記号的な存在かもしれません。でも、ただの分かりやすい人物にはしたくなかった。無気力でどこかアンバランスな、自分の人生に抗えなかった彼女の内面の揺らぎを、私なりに大切に汲み取りながら演じました。
観る時の立場、環境、年齢によって共感する人物が変わるような、色々な視点で楽しめる映画です。皆さんがどう受け取ってくださるのか、とても楽しみです。
『存在のすべてを』
出演:西島秀俊 広瀬すず 志尊淳 木村文乃 青柳翔 鈴木杏 光石研 永島敏行 奥田瑛二 斎藤工 高橋一生 仲村トオル 佐藤浩市
監督:瀬々敬久
原作:塩田武士「存在のすべてを」(朝日新聞出版刊)
配給:東映
©2027「存在のすべてを」製作委員会 ©塩田武士/朝日新聞出版
https://sonzai-movie.com/
2027年2月5日全国公開