マーティン・スコセッシが絶賛!盗むことで生計を立てるロマの少年を生々しく描く映画『チャンブラにて』1月26日(土)公開

チャンブラにて

マーティン・スコセッシが「感動的で美しい映画」と絶賛。米アカデミー賞・外国語映画賞のイタリア代表に選ばれたカルピニャーノ監督の第2作であり、前作『地中海』と同じく南イタリアのカラブリアを舞台にした映画『チャンブラにて』が1月26日(土)より公開となる。
本作は南イタリアのカラブリアで生活を営むロマの少年が生き、成長するために選んだ決断までを追う、生々しいほどに超ドキュメンタリスティックなドラマである。

イタリアのラブリア州レッジョ・カラブリア県に位置するジョイア・タウロと呼ばれるコムーネ(=共同体)。そこにあるスラムと化したひとつの通り、チャンブラには大昔から差別を受け続けているロマという民族の一部の人たちが住んでいる。ロマは元々、旅をしながら暮らす流浪の民だったが、異教徒と揶揄されるようになり、移動や行商の制限を受け、さらには生活、福祉、教育、仕事、医療といった生活に関わるあらゆることの迫害を受けたため、劣悪な環境にも関わらずチャンブラに定住せざるを得ない状況にある。まともな職に就けないロマたちの生活手段は、他人の物を盗み、それを売ることである。術はそれしかないのだ。
『チャンブラにて』を監督したジョナス・カルピニャーノも2011年、ジョイア・タウロに訪れた際、ロマから撮影機材一式が積まれた車を盗まれた。その捜索をしている折、カルピニャーノ監督は『チャンブラにて』で見事に主人公を務め上げた14歳のロマの少年、ピオ・アマートと彼の家族に出会い、ロマの非情な生活、ピオの逞しさを知り、愛情と称賛の念を抱くようになる。アマート家の生活に超接近した数々のショットは間違いなく、監督のそういった感情の現れだろう。

画像01

本作で主に描かれているのはピオと家族、ロマの暮らしぶりである。ピオよりも明らかに年下の少年ですらタバコを吸い、酒を飲み、車を運転し、博打をし、ダンスミュージックが流れるクラブで踊り、大人に混ざって高笑いをする。救いがない。そんなことはどうでもいいと、すでに高を括っているかのように。しかし、盗みをして、早く家族の役に立ちたいと大人ぶるピオに対し、祖父は見守り、父は厳しい目を向け、母は嘆き、兄は止め、叱る。そういった状況にもがくピオの様子が至極、ドキュメンタリスティックに捉えられているのだ。

画像02

『チャンブラにて』にはもうひとつ重要な柱がある。それは、イタリアの南部からやって来たアフリカの新しい移民との関係である。ピオの親友アイヴァもそのひとりだ。母に黙って行動をするピオをアイヴァは時に兄の代わりに叱り、時に助け、ピオは彼の存在を求めるようになり、ふたりの距離は近づいていく。ただ非情なだけではない、ロマの人間としての感情が他者によって揺さぶられる。演者のほぼ全員がチャンブラの生活者、つまり演技に関してはプロではない人たち。彼らの本当の生活、関係性に基づいたストーリーとはいえ、自然な振る舞いに観る者は必ず、驚きと感動を覚えるはずだ。

画像03

受賞歴

ノルウェー ベルゲン国際映画祭 Cinema Extraordinaire Award受賞
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 Best Director、Best Editing受賞
セビリヤ・ヨーロッパ映画祭 Best Actor受賞
ヘント国際映画祭 Georges Delerue Prize (Best Music)受賞
トリエステ国際映画祭 SNCCI Award & Best Italian Film受賞

ストーリー
イタリアのレッジョ・カラブリア県にあるスラム化したチャンブラには、生活に関わるあらゆることの迫害を受け、まともな職に就けないロマという民族が住んでいる。
14歳にして酒と煙草をたしなむピオは、兄のコジモからストリートで日々の糧を得る術を学び、家族やロマの仲間を支えていた。だが父親と兄が警察に拘留されたことから、家族を背負うという大きな負担が徐々にピオの肩にのしかかってくる。アフリカの移民アイヴァと知り合ったピオは、彼の協力を得て金を稼ぎ始めるのだが…。

画像04

作品タイトル:『チャンブラにて』
キャスト:ピオ・アマート、クドゥ・セイオン、ヨランダ・アマート
監督:ジョナス・カルピニャーノ
上映時間:118分
映倫区分:R15+
原題:A CIAMBRA
制作年:2017年
制作国:イタリア=アメリカ=フランス=スウェーデン
配給:武蔵野エンタテインメント株式会社

公式サイト:http://ciambra.musashino-k.jp/
コピーライト:(c)2017 STAYBLACK PRODUCTIONS SRL E RT FEATURES U.S. LLC TUTTI I DRITTI RISERVATI

2019年 1月26日より 新宿武蔵野館にてロードショー

↑上に戻る