【レポート】『真実』カトリーヌ・ドヌーヴ&ジュリエット・ビノシュ来日!宮本信子・宮﨑あおい・佐々木みゆと感動の初対面

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昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画21年ぶりの快挙となる最高賞“パルムドール”を受賞し、『万引き家族』が興行収入46億を超える大ヒットとなった是枝裕和監督今や世界中で新作が待ち望まれる是枝監督の、長編14作目となる最新作にして初の国際共同製作映画『真実』が10月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開となる。

是枝監督の元に、世界トップレベルの俳優陣が集結した本作は、全編フランスにて撮影。『シェルブールの雨傘』(63)のカトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、『ポンヌフの恋人』(91)のジュリエット・ビノシュ、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされた『6才のボクが、大人になるまで。』(14)のイーサン・ホークらにより、母と娘の間に隠された、ある「真実」を巡る物語が展開する。

そして、“フランス映画界の至宝”であり、本作で母娘を演じた、カトリーヌ・ドヌーヴジュリエット・ビノシュが揃って来日、10月3日(木)に開催されたジャパンプレミアに登壇した。当日は、是枝監督作品初となる日本語吹替版で声優を務めた宮本信子(カトリーヌ・ドヌーヴ)、宮﨑あおい(ジュリエット・ビノシュ)、佐々木みゆ(クレモンティーヌ・グルニエ)も登壇し、はるばる日本へやってきたドヌーヴとビノシュに花束を贈呈、ジャパンプレミアをさらに盛り上げた。

『真実』ジャパンプレミア イベント概要

日時:10月3日(木)
登壇者(※敬称略):カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、宮本信子、宮﨑あおい、佐々木みゆ、是枝裕和監督
場所:TOHOシネマズ 六本木 スクリーン7

<イベント内容>

『万引き家族』でパルムドールを受賞した是枝裕和監督最新作『真実』のジャパンプレミアに、カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュの超豪華キャストが登壇。”フランス映画界の至宝”ドヌーヴ、ビノシュの2人と、是枝監督が揃って登場すると、会場は盛大な拍手で3人を包んだ。

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国民的大女優のファビエンヌ役を演じたドヌーヴは、「皆様、こんにちは。本日はこの場に訪れられたこと、皆様に映画を紹介できることを大変嬉しく思います。この作品はフランスで撮影された映画ですが、今日はヴェネチア国際映画祭などを巡った本作が、初めて是枝監督の母国である日本の観客の前で上映される、ジャパンプレミアです。」と日本のファンへ挨拶。

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続いてファビエンヌの娘、リュミ―ル役を演じたビノシュ「“コンニチハ” 本当にここへ来ることができて、嬉しく思っています。特にカトリーヌとは強い結びつきを持って、演じることができました。彼女のような母を持つことができて幸せでした。そして是枝監督とこうして皆様に映画をご紹介できることが、非常に光栄です。彼と映画を作ることが夢でしたが、その夢が実現し、東京を訪れることができました。」と日本語のご挨拶を交えながらコメント。

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そして初の国際共同製作にチャレンジした是枝監督「ありがとうございます。こんな形で2人と映画を撮るなんて、撮り始めてからも現実味がなく、夢のようなことでした。こうして完成して3人で壇上に並んでいるのが、本当に信じられないです。撮影自体もパリで楽しい時間を過ごすことができ、その様子も作品へ映っていると思いますので、ぜひお楽しみください。」とコメントした。

ドヌーヴは是枝監督から出演オファーがきたときの気持ちを、「何度か是枝監督にお目にかかる機会をいただき、カンヌや東京などで面会を重ね、私も是非一緒に作品を手掛けたいと思いました。私を配役した上で作品を考えてくださっていたので、とても嬉しかったです。」とコメントし、「最初はお互い言語の違いもあり、通訳を介してのコミュニケーションしかできず、もどかしい想いもありました。しかし徐々に一緒に時間を過ごしていくにつれ、監督の表情や視線を見るだけで、“今のシーンをこう感じているんだろうな”と、色々なことがよく理解できるようになりました。」と、撮影時を振り返った。
2011年から是枝監督と共に映画を作ろうと話していたビノシュは、「私は『誰も知らない』(04)という作品を通じて是枝監督を知りましたが、監督の作品は子供たちがとても無邪気に描写されており、そして人生のディティールが細かく描かれている様子に感動しました。実際に監督にお会いしたところ、物静かですが、その沈黙の中に優しさ、鋭い観察眼が感じられました。やはり映画監督は目と耳のセンシビリティ、感受性が必要だと思っていますが、そのような資質を持つ真髄たる方だと思います。」と、監督への想いを熱く語った。
監督「まさに僕とビノシュさんを繋いでくれた『誰も知らない』に出演してくれた子供たちが今日客席へ駆けつけてくれていて、映画が人と人を繋いでくれるんだなと、改めて壇上で感動しています。」と胸いっぱいの様子。そして初のオールフランスロケ、そしてキャストやスタッフもフランス人という環境の中での撮影について問われると、「撮影できるのは1日8時間のみと、日本で撮影している時の半分の時間で、日本の倍くらいの日数をかけて映画を作っていったのですが、リズム感が日本と異なるので、“本当はもっと撮影できるのに!”と思っていましたが、撮影以外の時間も含めて、ゆっくりと同じ時間、場所を共有できたのは本当に良かったです。各国の映画祭などに出ると、凄い2人と映画を撮ったんだな、と思いますが、現場にいる時はひとりの女優さんと監督という関係は変わらないので、お互い信頼関係を築きながら、楽しく良い映画を作るという事だけを考えました。」とフランスの大女優と映画を製作した想いを明かした。

これまでにも何度か来日されているドヌーヴとビノシュですが、ドヌーヴ「日本のことは文化、歴史を始め、過去や現在、お料理やアートなど、あらゆることが大好きです。30年以上前から何度も足を運んでいるんですが、お仕事の関係でゆっくり滞在することがなかなか叶わず、いつもとんぼ返りなので、ぜひいつか日本を散策したいです。」とコメント。
ビノシュ「私は幸運にも河瀨直美さんの映画を日本で撮影したことがあるので、吉野の森に長い間滞在する機会がありましたが、それ以外にも南の方へ旅行したいと思っています。私も日本文化は非常に好きなんです。なぜなら日本には洗練されたデリケートな感覚があり、日本の皆さんが持つ他者への感謝のセンス、感情は野蛮な西洋文化にはないですからね。」とリスペクトを抱いていることを明かした。

さらに、2人の来日を祝して、イベントには本作で日本語吹き替えを担当したファビエンヌ役の宮本信子、リュミ―ル役の宮﨑あおい、リュミ―ルの娘・シャルロット役の佐々木みゆが会場へ駆けつけた。

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それぞれ花束を贈呈し、「このお話を頂いてから、朝から晩まで映画を拝見しておりましたので、ドヌーヴさんに対して、どこか懐かしい方にお会いした感覚がありました。今日はありがとうございます。」宮本)、「この場に一緒に立たせて頂けていることが本当に恐縮で、幸せな一日です。」宮﨑)、「今日はお越しいただき、ありがとうございます。とても嬉しいです。よろしくお願いします!」佐々木)と、2人へ感動の想いを伝えた。

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実写吹き替えは初挑戦となる宮本「初めての吹き替えのお仕事でした。声だけを入れる、だからこそファビエンヌがどのような人物なのか理解し、表現するかというのをよく考えて演じさせていただきました。」と熱い想いを持って挑戦したことを明かした。

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これまでにも是枝作品に出演されたことがある宮﨑「このお話を頂いてから、時間の許す限り作品を観て、ずっとビノシュさんを感じていたので、昨日初めてお会いしたときに、本当に涙が出てきそうになって、棒のように固まってしまった姿を監督に笑われました。声を当てていた間は、ずっとビノシュさんの気持ちを共有できていた感覚があり、すごく幸せなお仕事でした」と、心震える喜びを吐露。

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佐々木「声のお仕事は初めてだったんですけど、これはチャンスだ!って思って、頑張ってやってみたらすごく楽しくて、嬉しかったです!」と、初めてのチャレンジに満足気な様子。

是枝監督「みゆちゃんはずっと声のお仕事をやりたいと思っていたみたいなので、僕からオファーが来た時“よし!”って思ったみたいです(笑)。宮本さんは凛とした声が良いなと思っていて、宮本さんは”自分の中にいる侍がこれは断ってはいけない!と言っているから、引き受けた”と仰っていたんですが、その侍がいてくれて良かったと思っています。宮﨑さんはビノシュさんと比べると年齢的には少し若いんですけど、これまで声のお仕事を一緒にさせていただいていて、少年からおばあちゃんまで演じ分けられる女優さんだと思っているので、迷わずオファーしました。とても良いバランスで素敵なアンサンブルができたと思いますので、吹き替え版も是非楽しんでください」と、今回のキャスティングのイメージや、吹き替え版に対する想いを語った。

本作でも是枝監督ならではの深い人間ドラマ、そして母娘の関係性が見ごたえたっぷりに描かれているが、宮本も一観客として楽しく鑑賞した様子。
「ドヌーヴさん(ファビエンヌ)が撮影所を抜け出してクレープを食べにいこうとしているところを、ビノシュさん(リュミール)が迎えに行って止めるシーンがあるんですけど、なんだか親子の関係性が逆転しているようで、面白かったです。」と、宮﨑が印象的なシーンを明かすと、ドヌーヴは「私もあのシーンはお気に入りなんです。実際に女優として撮影現場にいると、長い時間待たされて、もうやってらんないわ!と抜け出したくなることが結構あります。そういった部分が非常に上手く描かれているので、私も大好きです。」と、ドヌーヴも自身の気持ちを重ねていたと暴露。「私とカトリーヌの共通点が1つあって、それは”とても食いしん坊”ということ。だからこそ、あのシーンも成功したと思います。」とビノシュも笑いを誘った。
みゆちゃん「魔女の真似をするシーンで、『ハハハッ』って魔女っぽく笑うのが、難しかったです!」と難しかったシーンを振り返りましたが、司会から「また吹替えのお仕事をやってみたいですか?」と聞かれると、「はい!」と元気よく答えた。

最後に是枝監督が代表し、これからご覧になる観客へ向けて「母と娘が逆転しているというシーンがあると仰っていましたが、映画の中では母と娘が、娘と母に見えたり、昔の誰かと誰かの親子関係が見えたり、色々な見え方をするように重層的に作ったつもりでいるので、劇中劇も含め、注目して観て頂けると、より楽しんでいただけると思います。」とコメント。フランス映画界の至宝たちに加え、日本を代表する女優陣も集結し、終始華やかな空気が漂いながらイベントは幕を閉じた。

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全ての始まりは、国民的大女優が出した【真実】という名の自伝本。
出版祝いに集まった家族たちは、綴られなかった母と娘の<真実>をやがて知ることになる――。

ストーリー
国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、テレビ俳優の娘婿ハンク(イーサン・ホーク)、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書……お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。

作品タイトル:『真実』
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ『シェルブールの雨傘』/ジュリエット・ビノシュ『ポンヌフの恋人』/イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』/リュディヴィーヌ・サニエ『8人の女たち』 撮影:エリック・ゴーティエ『クリスマス・ストーリー』『夏時間の庭』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
吹替版キャスト:宮本信子、宮﨑あおい、佐々木みゆ ほか
監督・脚本・編集:是枝裕和
吹替版演出:鍛治谷功
字幕、吹替翻訳:丸山垂穂
配給:ギャガ

公式サイト:gaga.ne.jp/shinjitsu/
コピーライト:(C)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA

10月11日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開


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