【レポート】『ダニエル』オンライントークイベントで村瀬歩&佐藤拓也が”美声”生披露!精神科医・名越康文の見所解説も

『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッド製作、ティム・ロビンス&スーザン・サランドンの息子マイルズ・ロビンスと、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガー共演で贈る“イマジナリー×スリラー”『ダニエル』が、2月5日(金)より全国公開となる。

本作の公開に先駆けて開催された<オンライントークイベント>に、スペシャルゲストとして“吹替え”特別映像で主人公ルークとダニエルの声を務めた人気声優の村瀬歩(ルーク役)、佐藤拓也(ダニエル役)、さらに精神科医・名越康文らが登壇した。

【特別映像】 ※本作の吹き替え版は上映予定がございません。

孤独な幼少期を過ごしていたルーク(マイルズ・ロビンス)。心に大きな傷を負った彼の拠り所は、ダニエル(パトリック・シュワルツェネッガー)という名の、自分以外には見えない親友の存在だった。ある事件を機にそんな“空想上の親友”を封印したルークだったが、時が経ち不安と孤独に苛まれたことで再びダニエルを呼び起こす。カリスマ性に溢れ妖しくも美しい魅惑的なダニエルは、孤独なルークにとって“唯一の理解者”となり、やがてルークの生活は一変。全てが順調に進み、いつしかダニエルを必要としなくなるが、ダニエルはそれを許さず、次第にルークを支配しようと動き出す―。

特別映像では、【内気で繊細なルーク】の声を村瀬、【空想上の親友=ダニエル】の声を佐藤がそれぞれ担当。まずは二人がイベントに登場し、アテレコについてトークを披露した。

収録について感想を問われると、「一緒に収録出来て楽しかったですね」と顔を見合わせる二人。主人公ルークの声を演じた村瀬は「(ルークは)大学生活や両親ともうまくいかず、心に傷を抱えて“イマジナリーフレンド”を作ってしまう、という役どころなので、想像力が豊かで内にこもりがちな大学生なのかなと思って、そんな内面を大事にしながら演じました」と振り返る。一方で佐藤も、「映画のコピーにあるように、ダニエルは“何かがおかしい”という役どころ。頼りがいがあるけれど、ちょっと怖いような…そんなダニエルの一面を感じ取ってもらえるように演じました」とアピール。

村瀬歩

そう答える両者は、アニメ作品だけではなく、ゲームやドラマCDなど多数の作品で共演済みの関係。村瀬は「本作とは両極にあるような、結構大声を出す作品で(佐藤とは)共演していたので(笑)、ダニエルのゾクゾクする感じといいますか、(佐藤の)色気がある声にはドキッとするなと思いましたね」と語り、これまでの作品と違った役どころでの共演を楽しんでいた様子。対する佐藤も「役作りについて話し合いはしていないものの、お互いにいつもの感じよりはウエットな質感を重視しましたね。共同作業みたいな感じでした」とアテレコの様子を明かしていた。

佐藤拓也

さらに、二人がMCからのリクエストに応え、特別映像でのセリフを一言ずつ生披露する場面も。何度も共演を重ねている二人の息ぴったりなやり取りと“美声”に、SNSではコメントが殺到し、ファンたちを大いに沸かせていた。

前半で描かれるルークのダニエルの“ブロマンス”から一転、ダニエルが本性を露にし、ルークを“侵食”しようと動き出す、予想外の展開が描かれていく本作。イベントでは、そんな恐ろしくも美しい二人の関係性や物語について“プロ目線”で解説すべく、精神科医の名越康文が登場。

まずは本作を観た感想について、名越は「僕も年間100本くらいの作品を観ていますが、実は本当に深い作品ですよね。何か割り切れないものが残って、いい後味が残る作品なんですよ」と熱弁。MCから、まずは“イマジナリーフレンド”について問われると、「実は精神医学の名称ではないものなんですよね。一般的には多重人格だったり、解離症状とかそのように表現しますが、世の中にもイマジナリーフレンドを持つ人はたくさんいると思いますよ」と説明した。

名越康文

さらに、劇中で幼少期にルークがダニエルに危険な目に遭わされ、母親に命じられダニエルを城に閉じ込めるシーンに触れながら、名越は「心理学的には見事に正しい指標ですよね。例えば、何か怖い思い出があったとしたら、何かに閉じ込めようと気持ちを誘導したりすることが大事なんですね。馬鹿げているように見えるかもしれませんが、意外と効いたりするんです」と精神学の知識を交えながら解説する場面も。

さらにイベントでは劇中シーンごとに徹底解説する企画も実施。まずは自信の持てないルークに、ダニエルが力強い言葉で励ますシーンが紹介されると、名越は「最も印象的なのは“僕は君の一部だ”というセリフ。これは、実はルークに協力的な姿勢を見せながらも、“(ルークはダニエルに)もう支配されているんだよ”という意味と一緒なんですよね。催眠にかける手段の一つなんですよ」とプロならではの目線で解説。

すると、そんな名越の解説に村瀬は「あのシーンにそんな仕掛けがあったんですね」と驚き、一方の佐藤が「それを聞くと見え方が全然変わりますよね。一つ一つのセリフがフックになっていくようで気になりますね」と興奮気味で語り合う場面も。

続いて紹介された、何もかもが上手くいくようになり、ダニエルを必要としなくなったルークに対し、ダニエルが本性を垣間見せ、二人の関係が崩れ始める予兆を感じさせる場面について名越は「映画史に残るくらい良いシーンだと思います」と絶賛し、印象的なシーンだったと語る。「精神科医としてはあるまじき発言かもしれないですが、次第にイマジナリーフレンドだったダニエルが“人格化”されていき、ああいうこと(ルークがダニエルを支配すること)が起こりうるかもしれないと思いましたね。ダニエルがいると、ルークがますます支配されていく可能性がある。美しくも恐ろしいシーンだなと思いました」と感嘆していた。

そんな名越によるプロならではの解説の数々に、村瀬は「役者さんの表情や声から受けるインスピレーションも勿論ですが、これから映画を観る方も、名越さんが解説してくださった内容を聞いたうえで観るともっと楽しめる気がします」、佐藤も「そうだったのか!という気づきがたくさん出てきますね。全編、名越さんのコメンタリー付きで観たいくらい」とそれぞれ語っていた。

さらにイベントでは、ダニエルがルークの脳を支配するという物語にかけ、脳内診断企画も実施。診断では2021年の「脳内メーカー」を使用。まずは脳内一面に“疑”の文字で埋め尽くされた名越の診断結果が発表されると、名越は「印象悪すぎるやん」と思わずツッコミを入れつつも、「否定したい自分がいますね、当たってるかもしれません(笑)」と自白し、笑いを誘っていた。

続いて、佐藤の診断では、【妄】【悪】【学】【怒】と様々な要素が入り混じる結果に。この結果に隣の村瀬が即座に「ダニエルみたいな結果じゃん!」とつっこむと、佐藤も「ダニエルの“悪・怒”と、イマジナリーフレンドの“妄”と、“学”はルークの日常と…ダニエルみたいな結果が出ました(笑)」と思わず同意していた。

そして村瀬の診断では、【愛】を境目に【悩】【泣】という文字が半々に分かれる結果に。この結果に名越が「真ん中に“愛”があるのがルークっぽいよね!」と指摘すると、この偶然にすかさず佐藤が「もしかして僕らの今回の抜擢って、診断メーカーありきのキャスティングですか?(笑)」と笑いを交えながら締めていた。

その流れでMCから、“脳内を支配されるほど”ハマっていることについて話が及ぶと、村瀬は「最近は一人でお酒飲みながらゲーム配信しながら、ファンの皆さんと話している時間が癒しですね。それが最近楽しいです」と答え、笑顔を見せた。対する佐藤は、「僕は甘いものですね」と回答。「最近トレーニングをしたりして身体を絞ることが増えているんですが、ドーナッツを好きなだけ食べていると、過去の自分に対して悪いことしている気分になって、二度美味しくなりますね」と独特な理由を添え、笑いを誘っていた。さらに名越も「某コンビニのスイーツにハマっています。コロナ禍になってから口が寂しくて、つい一口と食べることが増えましたね」と語り、ダークな本作とは両極にある、まさかの“スイーツトーク”で意気投合していた様子だった。

そして最後には、ゲストらから映画を心待ちにするファンへ「映画の公開ももうすぐですが、まずは僕等が声を務めた特別映像を観ていただいて、作品の世界観を感じ取っていただけたら嬉しいです」(村瀬)、「引き込まれる画作りや、主演のお二人の芝居も素晴らしい作品でした。僕たちは特別映像という形での吹替え出演でしたが、欲を言えば何らかの形で、本編の吹替えもさせていただけると嬉しいなと思っています」(佐藤)、「すごく深い物語でありながらも、誰もが没入できる世界観が描かれている作品です。僕も一ファンとして、いつか吹替え版の上映が観れることを楽しみにしています」(名越)とコメントし、イベントが締めくくられた。

▼イベントの模様はこちら

イントロダクション
世界中が注目する美しき新星俳優たちの鬼気迫る熱演に加え、予測不能のスリリングな展開が評判を呼び、全米大手映画評価サイト「Rotten Tomatoes」では91%フレッシュの高評価を記録(2019年7月9日時点)。
圧倒的な感覚体験」(Little White Lies)「独創的で驚くほどの見応え」(The New York Times)「現代版の『ファイト・クラブ』」(The Times)と既に多くの海外メディアを熱狂させている。

ダニエル

作品タイトル:『ダニエル』
出演:マイルズ・ロビンス、パトリック・シュワルツェネッガー
監督・脚本:アダム・エジプト・モーティマー
製作:イライジャ・ウッド
R15+
配給:フラッグ

公式サイト:danielmovie.jp
公式Twitter:@danielmoviejp
コピーライト:(c)2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

2月5日(金)より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイント、グランドシネマサンシャイン(池袋)ほか全国公開!

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