【レポート】『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』ボー・バーナム監督ら登壇のトーク付プレミア試写会開催!

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ

『レディ・バード』『ムーンライト』などの話題作を手がける新進気鋭スタジオ「A24」が製作、2018年のサンダンス映画祭で大喝采を浴び、各国の映画祭で数々の賞を受賞した話題作『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』が9月20日(金)より公開となる。本作の公開を記念して、ボー・バーナム監督、そしてコラムニストの山崎まどかさんをゲストに迎え、トーク付きプレミア試写会が実施された。

プレミア試写会 概要

■日時:8月29日(木)19:20 上映回終了後 イベント:21:00 開始
■会場:ヒューマントラストシネマ有楽町
(〒100-0006 東京都千代田区有楽町2丁目7-1 有楽町イトシア・イトシアプラザ 4F)<※座席数:162席>

オフィシャルレポート

「この作品は、青春映画というもののグレードをぐっと上げた名作、そしてソーシャルメディアとティーンの関係を描いた最高傑作だと思います。」と山崎さんがまず映画の感想を興奮気味に述べると、ボー・バーナム監督は「撮影は2年前で、その頃は⽇本で上映されるなんて考えもしなかった」とその驚きを語り「この作品は孤独を感じている一人の若い女性について描いた。これは多くの人が経験してることなんですが、アメリカではあまり語られないことです。でも日本では(感覚的ですが)、孤独であることやシャイであるということの概念を認識したりする人が多いような文化に感じているので、日本のみなさんに観てもらい意義深いものと感じてもらえたら嬉しいです。」と、日本の観客への想いを熱く語った。

また、これまでも多く作られてきたティーンとソーシャルメディアの関係を描いた作品について山崎さんは「本作は女の子の孤独やシャイや哀しみを描いた作品であり、それを描くのに、ティーンとソーシャルメディアの関係を使っていますよね。これまでもこういった作品はいくつもあるんですけど、ビターで暗いものが多かった。この映画は、そこを全面肯定するわけじゃないが、否定するわけでもない。そこがとてもスイートな作品と思いました。」と、本作を絶賛。

それに対して監督は「現代のインターネットについて描かれた映像作品はあるが、僕がなんとなく思うに、大人が見下したり裁いているような作品が多い。そうではなく、ありのままを描きたいと考えました。」と本作を描いた動機を述べた後「僕自身もネットと共に育ちましたし、意義のあるものだと思っています。インターネットというものを悪いと決めてしまうのは簡単です、スマホを海に捨ててしまえばいいのだから。けど、ネットというのはすごい部分もあって、それと同時に我々を傷つけるものでもある。繋げるものであり、孤独にさせるものでもあり、刺激を受けるものであり、それでいて感覚を麻痺させるものでもあり、とても難しい。」「ネットというものは変わり続けている。僕自身も“知ってる”とは言い難い。知れば知るほど奥が深く、それについて語る権威があるわけでもない。逆に、そういう風に語る人たちは、ネットというものにきちんと注意を払っていないのでは?と思うんです。知れば知るほど深く、アンビバレントな気持ちになりますよ。そういう意味で、もっと色々な問いが増えればいいなと思ってます。」と、ネットに対する自身の考えを語った。

他Youtubeで投稿していた時代も、舞台でスタンドアップコメディをしていた時も、常に観客に対して「演技」をしている自分に常に葛藤、それをあえてネタにしていた当時を振り返り「その時はそんな葛藤をするのは舞台に立つ人間だけなのかと思っていたら、舞台が終わると13歳くらいの子が僕のところに来て『わたしもまったく同じだ』と言ってくれた。」「それがある意味、この『エイス・グレード』という作品の第一歩だったのかもしれません。そんな彼女たちが、僕の経験(ネタ)のなかに同じ気持ちを見出してくれた、と同時に僕も彼女たちの中に自分を見出すきっかけにもなった。」と語り「そういう状況ですから若い人たちはストレスも感じるでしょう、昔はセレブと言われる人々にしか当たらなかったスポットライトが、いまや多くの人々に当たっているというのが現状ですからね。」と、多くの人々が、見られていて、そして空気を読みながらパフォーマーにならなければならないという実情を語った。

観客とのティーチインを行い、まさに映画の主人公であるケイラと同世代である16歳の少年からの質問も。「僕は16歳で、主人公のケイラのようにSNSに常に触れてるし、とてもリアルに感じて感動しました。監督は自分が13歳だった頃、どんな感じだった?」との問いかけに対して監督は「13歳の頃は、何事にもワクワクしていて色々と誇張するような子で、今では恥ずかしいけどショート丈のカーゴパンツを履いているような子。プールパーティーは大嫌いだった。」「その頃はゲームボーイとかメッセンジャーくらいしか無かったよ。怖いなあ。まあ、一言でいうと負け犬だったね(笑)」と告白、会場を笑いで包んだ。。

最後には主人公エルシーのキメポーズである“グッチー”ポーズで、来場者の皆さんと記念撮影。改めて大きな拍手に包まれる中イベントは終了した。

ストーリー
中学校生活の最後の一週間を迎えたケイラは、「クラスで最も無口な子」に選ばれてしまう。不器用な自分を変えようと、SNSを駆使してクラスメイト達と繋がろうとする彼女だったが、いくつもの壁が立ちはだかる。人気者のケネディは冷たいし、好きな男の子にもどうやってアプローチして良いか分からない。お節介ばかりしてくるパパはウザイし、待ち受ける高校生活も不安でいっぱいだ。高校生活が始まる前に、憧れの男子や、クラスで人気者の女子たちに近づこうと頑張るが・・・。

作品タイトル:『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』
出演:エルシー・フィッシャー(『怪盗グルーのミニオン危機一発』※声)、
ジョシュ・ハミルトン『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、
エミリー・ロビンソン『バッド・ウィエイヴ』、ジェイク・ライアン『ブルー・ワールド・オーダー』ほか
監督・脚本:ボー・バーナム『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(出演)
製作:A24
音楽:アンナ・メレディス
2018年/アメリカ/英語/93分/原題:EIGHTH GRADE/G
日本語字幕:石田泰子
配給:トランスフォーマー

公式サイト: http://www.transformer.co.jp/m/eighthgrade/
Twitter:@EighthGrade_JP
Instagram:@kayla_day_8th
コピーライト:(c) 2018 A24 DISTRIBUTION, LLC

9月20日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国ロードショー


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