【レポート】『ジュリアン』公開記念イベントで映画コメンテーターのLiLiCoが自身の経験や考えを交えて本作の魅力を語る

ジュリアン

家族ドラマでありながら、張り詰めた緊張感が観る者を襲う傑作サスペンスとして注目されている映画『ジュリアン』は、1月25日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開となる。
本作は、夫によるDVが原因で離婚した女性ミリアムとその息子ジュリアンを執拗に追いかける元夫アントワーヌの姿に「ホラー映画よりも怖い!」といった感想が多く聞かれる注目作。この度、そんな本作の公開記念イベントが開催され、本作をいたく気に入ったという映画コメンテーターのLiLiCoさんと映画ライターのよしひろまさみちさんが登壇した。

映画『ジュリアン』公開初日記念イベント 概要

日時:1月25日(金)
会場:新宿シネマカリテ
登壇者(敬称略):LiLiCo(映画コメンテーター)、よしひろまさみち(映画ライター)

LiLiCoさんは本作の冒頭で窓が映るシーンで、「外がとっても晴れているのにまったく良い気分にならない。しかも、最初はジュリアンが出てこないし、これは何なんだ!というワクワク感から始まった」と感じたらしく、「その日の状態や自分が数日間の間に経験した出来事とかで映画の観方って変わるから12月にも1月に入ってからも本作を観た」と告白。そして、「映画界の中で久しぶりの本当に“痛い”ハッピーエンドな作品」と解説した。幼少期に、DVはないものの食器が飛び交うような両親のケンカを見て耐えた記憶があるというLiLiCoさん。「居酒屋とかで皿が落ちたりしたら従業員が『失礼しましたー』とか言うけど、あれですら嫌な気持ちになる」と自身のトラウマを明かし、「一応この作品はある意味でハッピーエンドだとわたしはとったんだけど、今後、この家族の中には一生消えないトラウマが残るね」と自身の経験と合わせて語った。また、スウェーデン出身のLiLiCoさんは自身がハーフということで幼少期にイジメられた経験もあり、「アジア人ということでいじめられたけど、お母さんに伝えることはできなかった。お母さんは日本人だから傷つくと思って。そういうことって子供ながらに言いたくなかった」と当時を振り返り、「だから(ぐっと我慢し続ける)ジュリアンの気持ちがよく分かります」とコメントした。

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その後もトークは白熱し、映画の内容すべてについて語る勢いに。ラストシーンについては、父親が取る行動について「瞬間湯沸かし器のようにボッと火が付くような人、いると言えばいる。フランスの映画だけど日本でもこういう事件ありますよね」とよしひろさんが話すと、「警察に事前に訴えていたのに一番残念な結果になるというケースをニュースで頻繁で見ますよね」とLiLiCoさん。そこで、「自分の都合で世の中まわると思うなよという映画なのかもしれませんね!」と本作についてよしひろさんが話すと、「社会が僕を入れてくれませんという人いますけど…そうです入れません!」と、純烈メンバーに対する言葉ともとれる(?)コメントで、イベントを締めくくった。

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「映画通向けの映画だとは思うけど、社会問題を考えるチャンスを与えてくれる作品」とLiLiCoさんも推薦する映画『ジュリアン』は新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国順次公開中だ。

ストーリー
両親が離婚したため、母ミリアム、姉と暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとする。ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けるが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていく。家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待っていた。

作品タイトル:『ジュリアン』
出演:レア・ドリュッケール ドゥニ・メノーシェ トーマス・ジオリア マティルド・オネヴ
監督・脚本:グザヴィエ・ルグラン
製作:アレクサンドル・ガヴラス
撮影:ナタリー・デュラン
2017年/フランス/93分/原題:Jusqu’a la garde/カラー/5.1ch/2.39:1/日本語字幕:小路真由子
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:アンプラグド

公式サイト:Julien-movie.com
コピーライト:(c)2016 – KG Productions – France 3 Cinéma

1/25(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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