【レポート】映画『ジュリアン』大ヒット御礼イベントでホラー作家の平山夢明氏と松江哲明監督が本作の魅力について語る

ジュリアン

「ホラー映画よりも怖い!」と今大注目されているサスペンス映画『ジュリアン』は、現在新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて大ヒット全国公開中だ。この度、1月29日新宿シネマカリテにて、人気ホラー作家の平山夢明氏とドキュメンタリー監督の松江哲明氏登壇の大ヒット御礼イベントが開催された。

映画『ジュリアン』大ヒット御礼イベント 概要

日時:1月29日(火)
会場:シネマカリテ
登壇者(敬称略):平山夢明(作家)、松江哲明(ドキュメンタリー監督)

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まず、松江氏が「僕は3回観たんだけど観る度に新しく考えさせられる事が出てきて・・・すごいものを見たな!と思いました。普通の映画では描いていることを描いていなくて、断面だけを見せて観客に委ねるという点が本当に圧倒された」と絶賛。続いて平山氏が「これは、普通のホラーやサスペンスじゃないよね。監督は、ジュリアンが何をされたかというよりも離婚した夫婦の間で板挟みの状態ってどんな気持ちになったのだろうということを描きたかったと思う。そういう面でとてもリアルで素晴らしかった」と評価した。

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続いて話題が、本作の恐怖の根源である父親アントワーヌになると「アントワーヌが泣いて元妻に謝るシーンを観た瞬間こいつやばい!て思いました」と松江氏。それに対し「アントワーヌが自身の両親とのシーンも描くことでアントワーヌがただモンスターになったわけではなく、彼もそういう家庭で育ったことを観客に想像させているところがこの映画の監督のすごいところ」と平山氏が解説、続けて「アントワーヌ役のドゥニ・メノーシェは『イングロリアス・バスターズ』ではめっちゃいい奴だったのにどうしちゃったんだよ!って思ったよね」と映画通ならではの笑いを誘った。

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「(母ミリアムに対して)早く弁護士呼べって思うよな!でも、DVの問題において被害者の現状分析の甘さという問題もあって、監督はそういう面も良く描いていて素晴らしいと思うよ」とDV問題にも言及した。最後に松江氏が「『ジュリアン』は、映画館という暗闇でどう見えるかを1番に考えられ演出されている作品。映画館で見て欲しいし、こういう作品がもっと増えて欲しい」と結んだ。

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ストーリー
両親が離婚したため、母ミリアム、姉と暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとする。ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けるが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていく。家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待っていた。

作品タイトル:『ジュリアン』
出演:レア・ドリュッケール ドゥニ・メノーシェ トーマス・ジオリア マティルド・オネヴ
監督・脚本:グザヴィエ・ルグラン
製作:アレクサンドル・ガヴラス
撮影:ナタリー・デュラン
2017年/フランス/93分/原題:Jusqu’a la garde/カラー/5.1ch/2.39:1/日本語字幕:小路真由子
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:アンプラグド

公式サイト:Julien-movie.com
コピーライト:(c)2016 – KG Productions – France 3 Cinéma

1/25(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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