【レポート】『モロッコ、彼女たちの朝』町のパン焼き窯見学も!迷路のような美しい旧市街を散策するオンラインツアー実施

モロッコ、彼女たちの朝

第92回アカデミー賞モロッコ代表作『モロッコ、彼女たちの朝』が8月13日(金)TOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開される。

この度、本作とクラブツーリズム株式会社がタイアップし、映画の舞台であるモロッコの旧市街を巡るオンラインツアーが実施された。

総勢100名以上が参加し大盛況となった今回のオンラインツアー。映画の舞台となるパン屋はカサブランカの旧市街にある。モロッコの旧市街は、迷路のように入り組んだ美しい路地が特徴。今回のオンラインツアーでは、近年、写真映えすることで有名な青の街シャウエンの旧市街に生中継で繋ぎ、現地在住の案内人と街歩きを楽しんだ。映画に登場する、日本人にとっては珍しい「公共のパン焼き窯」も訪問した。

オンラインツアー『モロッコ・青の街シャウエンから生中継!街歩きde旅気分60分』概要

実施日: 2021年7月28日19:00-20:00(60分)
実施方式: ウェビナー形式・WEB会議システム「Zoom」を利用

現地の案内人を務めてくれるのは、レストランのオーナーでもあるサイード氏。彼の後について、早速、路地へ一歩足を踏み入れると、青色の壁が続く世界が広がっており、思わず歓声があがった。高い壁の質感、窓のあき方など、映画の舞台となっているカサブランカの路地の雰囲気と同じだ。

少し歩くとすぐに、大きな丸パンが積み上げられた露店が目に飛び込んでくる。「モロッコ人は何よりパンが大事!」とサイード氏。モロッコではパンが主食で、中でもこの「ホブス」と呼ばれる丸パンは、日本人にとってのお米のような存在なのだとか。映画でも、主人公たちがこのパンを毎日焼いてお店に出したり、食卓に出したりする姿が映されている。

モロッコ、彼女たちの朝
モロッコ、彼女たちの朝
映画に登場する旧市街の路地
(C) Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

サイード氏はどんどん旧市街の中を進んでいく。シャウエンは本当に街全体が青いのだが、場所によっては白壁が混じっていたり、濃淡があったり、とても涼しげで綺麗で、オンラインツアーでも写真撮影を楽しむことができた。すると、いつの間にか画面には、のんびり過ごす4匹の野良猫が。イスラム教徒の人々にとって猫は聖なる動物でもあり、また、街全体が大切に飼っているようなものなのだとか。猫好きにはたまらない国である。

次にサイード氏はとある建物の中へ。と思いきや、開けた明るい場所に出た。ここは中庭(パティオ)で、モロッコの家では一般的なもの。女性たちが外出することが少ないので、開放感を得るために中庭が多いという背景もある。映画でも、主人公である女性たちは家の中で過ごしているシーンが多い。また主人公たちが楽しんでいるミントティー用の銀ポットやティーグラスがこちらにも置いてある。

モロッコ、彼女たちの朝
モロッコ、彼女たちの朝
劇中のミントティーのポットとグラス
(C) Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

次に案内してもらったのは、先ほどの露店よりもっと沢山のパンが並ぶパン屋さん。職人が、大きな窯の奥にホブスの生地を次々と差し込んでいく。実はこのパン窯、家庭でこねた生地を持ち込んで焼いてもらえるというのが特徴。映画でも登場するのだが、モロッコでは一般的で、公衆の焼き窯という感覚だろうか。焼き上がったパンを見せてもらうと、ふっくらしてとても美味しそうだ。

モロッコ、彼女たちの朝
モロッコ、彼女たちの朝
映画に登場するホブス
(C) Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

さらに路地の奥へと進んでいくと、現地はもうすぐお昼時ということもあり、町の人々とたくさんすれ違う。モロッコのコロナ禍の状況は、日本よりワクチン摂取率が少し高いそう。人気観光地のシャウエンにしては、これでも人は少ない方だが、逆にのんびりとこの美しい景色を楽しめるのは今だけ、という贅沢さもある。

路地の途中に、日本でいう藤棚のようなぶどう棚が作られていた。暑いイメージのあるモロッコだが、緑のシェードがなんとも涼しげで綺麗。ぶどうの実もついている。もっと奥へ進むと、鮮やかなピンク色の花をつけた、建物の2階くらいの高さがある大きなブーゲンビリアも。こういった、街の飾りになっている可愛らしいグリーンを人々が大切に育てている。

ツアーも終盤、次は「リヤド」と呼ばれる、昔の大臣や高官が住んでいた邸宅をリノベーションした宿泊施設へ。扉をくぐると、まずは開けた中庭が。アラビア建築らしくくりぬかれた飾り窓がエキゾチックな雰囲気でうっとりしてしまう。映画に登場するのは庶民的な家だが、それでも、幾何学模様があしらわれた壁紙や、素敵なインテリアは共通している。現地に行ける日が来たら、絶対にリヤドに泊まってみたい…という気持ちがふつふつと湧き上がる。モロッコの伝統建築に泊まれるというだけでなく、ホテルより部屋数が少ないので、スタッフの人たちのおもてなしをより身近に感じられるという良さもあるそうだ。

モロッコ、彼女たちの朝
モロッコ、彼女たちの朝
モロッコ、彼女たちの朝
映画に登場する幾何学模様の壁紙
(C) Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

そして最後に向かったのは、いちばんの人気スポットだという場所。少々の順番待ちの時間を経て、画面に写ったのは、間違いなくとっておきのフォトスポットだ。青い路地に、色とりどりの植木鉢が映えて、本当に可愛らしい。

モロッコ、彼女たちの朝

ここで本日のツアーは大満足のうちに終了。画面越しではあるが、海外旅行気分で臨場感を味わえる新しい発見であった。そして、オンラインツアーでモロッコの空気を感じた後は、ぜひ映画館へ。旅行だけでは触れることのできない、人々の生活やドラマにたっぷりと浸ってみてはいかがだろうか。

イントロダクション
本作は2019年のカンヌを皮切りに世界中の映画祭で喝采を浴び、女性監督初のアカデミー賞モロッコ代表に選出。さらに、現在までにアメリカ、フランス、ドイツなど欧米を中心に公開され、ここ日本でも初めて劇場公開されるモロッコの長編劇映画となった。製作・共同脚本に、本年度カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に監督作が正式出品された著名監督で、トゥザニ監督の夫でもあるナビール・アユーシュ。主演には『灼熱の魂』のルブナ・アザバルと、日本に初紹介されるニスリン・エラディ

ストーリー
臨月のお腹を抱えてカサブランカの路地をさまようサミア。イスラーム社会では未婚の母はタブー。美容師の仕事も住まいも失った。ある晩、路上で眠るサミアを家に招き入れたのは、小さなパン屋を営むアブラだった。アブラは夫の死後、幼い娘のワルダとの生活を守るために、心を閉ざして働き続けてきた。パン作りが得意でおしゃれ好きなサミアの登場は、孤独だった親子の生活に光をもたらす。商売は波に乗り、町中が祭りの興奮に包まれたある日、サミアに陣痛が始まった。生まれ来る子の幸せを願い、養子に出すと覚悟していた彼女だが……。

作品タイトル:『モロッコ、彼女たちの朝』
出演:ルブナ・アザバル『灼熱の魂』『テルアビブ・オン・ファイア』、ニスリン・エラディ
監督・脚本:マリヤム・トゥザニ
製作・共同脚本:ナビール・アユーシュ『アリ・ザウア』
2019年/モロッコ、フランス、ベルギー/アラビア語/101分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/英題:ADAM/日本語字幕:原田りえ
提供:ニューセレクト、ロングライド
配給:ロングライド

公式サイト:https://longride.jp/morocco-asa/
公式Twitter:@morocco_asa
コピーライト:(C) Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

8月13日(金)、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開

 

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