【レポート】『すばらしき世界』仲野太賀、憧れの西川美和監督作品へ初参加の喜びを語る!長澤まさみとの共演秘話も

すばらしき世界

直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした、西川美和監督最新作『すばらしき世界』が2月11日(木・祝)より全国ロードショーとなる。

『ディア・ドクター』『永い言い訳』などを手掛けてきた西川監督が初めて、実在の人物をモデルとした原案小説をもとにその舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑んだ。生きづらい社会の中で、一度レールを外れても懸命にやり直そうとする実在の男と、彼を追う若きテレビマンのカメラを通して「社会」と「人間」の“今”をえぐる問題作だ。

『すばらしき世界』公開記念トークイベント 概要

日時:2月5日(金) 18:30~19:30
会場:代官山蔦屋書店 3号館2階 音楽フロア内session
登壇者(敬称略):仲野太賀、西川美和監督/MC:代官山蔦屋書店 映画コンシェルジュ 吉川

今まで手掛けてきた作品を″我が子“に例え、「5人を育てあげた後に、最初はあたらな恋人ができた感じでしたが、『すばらしき世界』は6作目。前作の発表から5年が経ちましたが、ようやく巣立ってくれる、子供が成人していく感覚です。」と本作について語った西川監督。仲野が演じるテレビディレクター津乃田役のキャスティングは、役所広司演じる主人公・三上との年齢的なアンバランスさ、バディ的な側面を考えて行われたという。

中学生のときに西川監督の『ゆれる』に衝撃を受けて以来、西川監督は数少ない憧れの人だったという仲野は「その時はオーディションじゃないですけど、一回会いましょうということで、西川さんの事務所に行くことになったんです、その時は信じられない気持ちでいっぱいでした。」と述懐。その際、仲野はひとりでふらっと訪れたといい、西川監督は「これは作戦なの?こいつ、分かってるなと(笑)。ひとりできてくれたその感じで、距離が縮まったように思ったんです。そこから脚本を読んでどう感じたのか、そういうことを質問して、太賀くんから出た言葉をヒントに改訂していきました。演じる役の性格とその俳優の性格がリンクしている方が良い時とそうじゃない時がある。津乃田役は近い方が良いと思いましたし、太賀くんには、(この役に必要な)観察者の目をもっている気がしたので、実際に会って確かめたいと思いました。」と振り返った。

すばらしき世界

また、本作の撮影は石井聰亙(現:岳龍)、阪本順治、豊田利晃ら数々の名監督と組んできた笠松則通が担当。仲野も「それこそ僕も笠松さんのファンだし、笠松さんに撮ってもらえるんだという喜びがありました。でも優れた撮影の方ってみんなそうなんですけど、いざカメラの前に立つと受け入れてくれるんです。ドシッと構えているけど、とてもやりやすい環境でした」と感じたという。一方、西川監督は「笠松さんも、普段は絶対に俳優部にこう動いて欲しいとか、言わないんですけど、太賀くんにだけは言っていたよね。」

すばらしき世界

大勢のスタッフに親しまれる仲野について「妖怪・人たらし」と愛情を込めて呼ぶ西川監督。本作の発案から公開直前まで、約5年の思いを綴るエッセイを中心にまとめた近著「スクリーンが待っている」の一編「妖怪」の章がそれにあたり、「(太賀くんは)スタッフと俳優の狭間にいるような人。現場にいつ来たか分からない。照明部がひとり増えたのかなと思ったら太賀くんだったということもあって。どんなに親しみやすい俳優さんでも、現場に入ってきた瞬間に空気が変わるんですよ。緊張感があって、俳優が帰るとグッと力が抜けるような感じ。太賀くんにはそれがないんですよね」という西川監督に仲野も笑ってみせた。

さらに本作では、やり手のTVプロデューサー吉澤役として長澤まさみが出演。これまで数々の映画、CMなどで共演してきた長澤について、仲野は「僕としては強い縁を感じるし、信頼も置いていただいているなという自覚もあって。僕も信頼していますし、長澤さんだったら姉弟もできますし、上司も部下もできる。信頼関係があるので、長澤さんとの関係は楽しいですね。役者も、『はじめまして』で芝居をすることはありますけど、信頼関係があるとより大胆にならざるを得ないというか。スッと入っていける感じがあります」と感じているという。

すばらしき世界

その言葉を聞いた西川監督は「キムラ緑子さんは、役所さんとの共演が一番多いとおっしゃっていたんですよ。それで(劇中で見せる)あのお芝居じゃないですか。二人のシーンはとてもいいシーンなんです。長澤さんと太賀くんもそうなるかもね」と語ると、仲野も「波長も合うし、信頼関係や化学反応もあるので、いろんな組み合わせでやれたらいいなと思います」とコメント。

長澤は役所との共演にものすごく緊張していたそうで、その姿を間近で見ていた仲野は「西川組だからというのもあると思います。長澤さんのソワソワした感じもなかなか見ることができない(笑)。普段は、どっしりという感じではないけど、(主演という)軸が長澤さんにある現場でご一緒するところが多かったんです。でも今回は役所さんという軸があって、素直に憧れや尊敬もあるし、こっちが勝手に感じてしまっているだけなんですけど(役所さんに)どこかで試されているような気になってしまう。長澤さんは、一個一個の作品に誠実に向き合っている人なんだと改めて感じました。」と振り返った。

そして、イベントも終盤に差し掛かると、2月7日(日)に28歳の誕生日を控えていた仲野へ西川監督からサプライズでプレゼントが。上田義彦、ソール・ライターという2人の写真家の本を手渡された仲野は「ありがとうございます。うわぁ、うれしい~!!」と感激した様子でコメント。会場からは祝福の拍手が鳴り響いた。

すばらしき世界
すばらしき世界

ストーリー
下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上は、強面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎる性格の男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だった――。一度社会のレールを外れるも何とか再生したいと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンがすり寄り、ネタにしようと目論むが…。三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく――。

すばらしき世界

作品タイトル:『すばらしき世界』
出演:役所広司
仲野太賀 六角精児 北村有起哉 白竜 キムラ緑子
長澤まさみ 安田成美 / 梶芽衣子 橋爪功
脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:subarashikisekai-movie.jp
公式Twitter:@subarashiki2021
コピーライト:(c)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

2月11日(木・祝)全国公開

関連記事:
役所広司主演『すばらしき世界』お笑いトリオ「3時のヒロイン」の<30秒CM>&<インタビュー>特別映像が解禁!
役所広司主演『すばらしき世界』へROLANDからコメント映像到着「マイノリティの自分にとって、すごく共感できる作品」
『すばらしき世界』役所広司の世間を睨みつけるような表情から一変!大空を仰ぐ晴れやかな笑顔へ!新ビジュアル2種解禁
【レポート】『すばらしき世界』役所広司が西川監督に身も心も裸にされた?!仲野太賀&長澤まさみは壇上で初レポーターに
『すばらしき世界』長澤まさみがナレーションをする15秒スポット映像【ドラマ編】【問題作編】解禁&本作へのコメント到着
『すばらしき世界』にポン・ジュノ監督(『パラサイト 半地下の家族』)ほか各界から称賛コメント続々到着! ―2/11公開
仲野太賀&長澤まさみが好奇な目ですり寄る下世話なテレビマンを熱演!映画『すばらしき世界』場面写真一挙解禁
映画『すばらしき世界』ポスタービジュアル&予告編解禁!人生のレールを踏み外した男が見た、新たな世界とは―。
『すばらしき世界』シカゴ国際映画祭で観客賞も受賞!最優秀演技賞(役所広司)との2冠達成、2021年映画賞レースを牽引
『すばらしき世界』主演・役所広司がシカゴ国際映画祭でベストパフォーマンス賞受賞! ―19年ぶり、自身2度目の快挙
『すばらしき世界』トロント国際映画祭でワールドプレミア上映&役所広司・西川美和監督がリモート参加!特報も解禁
『すばらしき世界』来年2/11全国公開&トロント国際映画祭ワールドプレミア上映決定!西川監督・役所広司のコメントも
役所広司×西川美和監督初タッグ作品『すばらしき世界』2021年春公開決定!仲野太賀、長澤まさみら豪華キャストも解禁

↑上に戻る