【レポート】『ある船頭の話』釜山映画祭をはじめ世界8か所での映画祭決定に感無量のオダギリ ジョー監督ら登壇!―公開中

ある船頭の話

オダギリジョー長編初監督作品『ある船頭の話』がついに公開初日を迎え、新宿武蔵野館ほかにて全国公開中となっている。
本作は、本当に人間らしい生き方とは何か?本作は、その根源的な問いにひとりの船頭の姿を通して向き合う物語だ。

そして初日を迎えた9月13日、新宿武蔵野館にて初日舞台挨拶が行われ、主演の柄本明川島鈴遥村上虹郎、そしてオダギリジョー監督が登壇した。さらに『恋する惑星』『ブエノスアイレス』などの名カメラマンとして知られ、本作でも撮影監督を務めたクリストファー・ドイルから公開を祝福するメッセージが届き、会場は大きな盛り上がりを見せた。

映画『ある船頭の話』初日舞台挨拶 概要

日程:9月13日(金) 18:30 舞台挨拶開始 / 19:00 舞台挨拶終了
登壇者:柄本明、川島鈴遥、村上虹郎、オダギリ ジョー監督
会場:新宿武蔵野館

イベントレポート
オダギリ監督は「早く初日が来ないかな…という気持ちと、もうちょっと待ってほしいという気持ちと両方ありました…」とこの日を迎えるまでの複雑な心境を吐露しつつ「もう今日から上映なので、開き直るしかないですね」と晴れ晴れとした表情を見せた。

ある船頭の話

柄本が演じた主人公の船頭・トイチの舟に乗る客役には、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、永瀬正敏、ら実力派俳優陣から細野晴臣、野生爆弾のくっきー!など、俳優にとどまらず豪華な面々が並ぶ。柄本は「いろんな方が僕の舟に乗られてまして、古い友人もいれば大先輩、若い女性もいて、とにかくいろいろです。古い友人というのは笹野高史なんです。仲は悪いんですが、現場では仲良く撮影させていただきました」と飄々とした口調で語る。

ある船頭の話

謎の少女を演じた川島は、劇中の赤い衣装が印象的だが、感想を問われると「実はさっき、監督から『今日は(衣装デザインの)ワダエミさんがいらっしゃっているから、ちゃんとコメントしてね』って言われて緊張してるんですが…(苦笑)」と前置きし「撮影に入る前はカメラの前に自分が立っているのが想像できなかったんですが、衣装合わせの場で袖を通すと、初めて想像することができて、そのまま抵抗なく現場でも演じることができて、すごく助けていただきました」と感謝の思いを口にした。

ある船頭の話

トイチを慕う村人の源三を演じた村上は、当初の脚本ではトイチと源三が同世代の「中年2人」という設定だったことを明かし、自身が演じることが決まってからも「(セリフを)若者言葉に変えるのかと思ったら、そのままトイチと対等な生意気な口を利く男として演じることになった」と明かした。

ある船頭の話

それに対し柄本の「いつもタメ口だよな、お前」とのツッコミに、慌てて「そんなことないですよ!セリフのせいかと(笑)」と釈明。さらにオダギリ監督は、当初はトイチを自らが演じることも考えて脚本を執筆していたことを明かし、村上の「中年2人」という言葉に対し「ちょっとショックなんですけど…(笑)」と寂しそうに漏らし、会場は笑いに包まれた。

先日まで開催されていた第76回ヴェネチア国際映画祭に出品、本作は日本の長編映画で初めて<ヴェニス・デイズ>部門で上映されたが、オダギリ監督は現地の反響について「メチャメチャよかったです!あまりの反応のよさに恐縮しちゃいました」と明かし「いまだから言いますけど、エンドロールが流れた瞬間に拍手が始まったんですが、実はエンドロールも大事に作ったので、できればしっかりエンドロールまで見て拍手してほしかったです(笑)」と贅沢な不満を口にしていた。

なお、本作は現時点で、韓国の釜山映画祭、カナダのモントリオール・ニュー・シネマ映画祭をはじめ、エジプトのエル・グーナ映画祭、中国のピンヤオ映画祭、香港アジア映画祭、トルコのアンタルヤ映画祭、ハワイ国際映画祭、台北金馬(タイペイ・キンバ)映画祭で10月~11月にかけて続々出品・上映が決定。直近のエル・グーナ映画祭での上映が控えており、現地へ渡航予定のオダギリ監督は「実は(自身が主演のドラマシリーズ)『時効警察はじめました』の打ち上げの翌日の飛行機で、(打ち上げの)盛り上がりによっては行けないんじゃないかと。(笑)」と不安を口にし、エジプトに行ってみたいという川島に「(自分が)行けるかどうかわかんないから、行く?」とその場でピンチヒッターをオファー。会場は再び笑いがわき起こっていた。

そして、撮影監督のクリストファー・ドイルから祝福のビデオメッセージ披露された。ドイルは、日本映画の撮影に携われたことを「光栄」と語り、オダギリ監督への感謝の思いを口にし、日本語で「乾杯!」と映画の船出を祝福。オダギリ監督は「実は、撮影の後にクリスからメールをもらったんですが、『あと30本は一緒に作ろう』とおっしゃっていただいて本当に嬉しいです」と喜びを口にしていた。

締めの挨拶でもオダギリ監督は「クリスの画は、デカい画面で見るのが一番ですし、音にもこだわって作ったので、音響システムのいい場所で見てもらいたい気持ちが一番です。DVDが出ても買わなくてもいいし、配信が始まってもダウンロードしなくていいと思っているので、劇場で見ることをお勧めしていただければ!」と独特のオダギリ節で呼びかけ、会場は温かい拍手に包まれた。

クリストファー・ドイル メッセージ映像全文

やあ ジョー
柄本さん 川島さん 村上さん、そして観客の皆さん 来てくれてありがとう
ジョーには本当に感謝してる。映画への情熱を分かち合うチャンスをくれた
アイデアを形にする責任を共有し、撮影監督という形で私を関わらせてくれた
毎日ジョーが言うんだ「昔の日本映画のように撮りたい。カメラを動かさずワイドに撮ってくれ」と。
彼の意図が伝わるように劇場が大画面だといいな。
この映画の良さを本当に分かってもらうには、スマホの画面ではなく劇場で見てほしい
ジョーのおかげで、日本人ではないがすばらしい経験ができた
この作品には日本の歴史や伝統、国民性に対する深い敬意がこめられていると思う
日本的な作品に参加できて本当に光栄だ
最後に言わせてくれ
乾杯


イントロダクション
ひとりの船頭を通して見つめる、人間の根源。
元号が「平成」から「令和」に変わる今、文明の波や時代の移り変わりに直面した山奥の村を舞台に「本当に人間らしい生き方とは何か」を世に問う問題作が生まれた。主人公の船頭トイチを演じるのは日本を代表する名優・柄本明。ヒロイン役には川島鈴遥を抜擢。そして村人・源三役には、若手実力派・村上虹郎が出演。この他にも本作が初長編監督となるオダギリジョーのもとに超豪華なキャスト、さらに国際派スタッフが集結。撮影監督にクリストファー・ドイル、衣装デザインには『乱』で米アカデミー賞Rを受賞したワダエミ、そして世界を舞台に活躍するピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦。そして8月28日より開催される第76回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門(コンペティション)への出品が決定。監督オダギリジョーが一流の才能を集め、比類なき作家性を発揮し、圧倒的な映像美と音楽で描く、極上の物語が誕生した。



一艘の舟。全ては、そこから始まる―。
ストーリー
近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく狂い始める―。

作品タイトル:『ある船頭の話』
出演:柄本明、川島鈴遥、村上虹郎/伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優/笹野高史、草笛光子/細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功
脚本・監督:オダギリ ジョー
撮影監督:クリストファー・ドイル
衣装デザイン:ワダエミ
音楽:ティグラン・ハマシアン
配給:キノフィルムズ/木下グループ

公式HP:http://aru-sendou.jp
公式Twitter:https://twitter.com/sendou_jp
公式Facebook:www.facebook.com/sendou.jphttp://aru-sendou.jp
コピーライト:(c) 2019「ある船頭の話」製作委員会

新宿武蔵野館ほか全国公開中


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