【レポート】『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』イベントに映画コメンテーター有村昆氏×映画評論家くれい響氏登壇!

プロジェクト・グーテンベルク 贋札王

2018年中国大陸で公開された香港映画としては、史上No.1(12億元=200億円超)となるメガヒットを記録、また、香港電影金像奨(香港アカデミー賞)において、最優秀作品賞、監督賞、脚本賞を含む計7部門を受賞した予測不能なクライムアクションサスペンス『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』が2020年2月7日(金)より全国公開となる。

香港ノワールの傑作『男たちの挽歌』など香港映画界を代表する国民的俳優チョウ・ユンファと、“香港四大天王”の1人として活躍し『コールド・ウォー/二つの正義』など演技派俳優としても高い評価を得るアーロン・クォックがW主演を果たし、さらに『インファナル・アフェア』のフェリックス・チョン監督が仕掛ける驚愕のストーリーが話題となっている本作。

1月24日(金)、日本公開に先駆けスペースFS汐留にて映画コメンテーターの有村昆さんと映画評論家のくれい響さんによる本作完全解説トークイベントが開催された。

『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』完全解説トークイベント 概要

日程:1月24日(金)
登壇者:有村昆さん(映画コメンテーター)、くれい響さん(映画評論家)
会場:スペースFS汐留

130分の本編上映終了後、登壇した有村さんから「現段階で、本作の謎が全部わかったという方どのくらいいますか?」と問われ、あまり手が挙がらない様子に「僕もそうだったんですよ!1回だけみただけでだと難しいですよね」と有村さん。そんな中、今回のイベントは一般のお客様には上映前に配布された本作の人物相関図をみながら、2人の解説を聞いていくというスタイル。「トークイベントというよりセミナーみたいだね」という言葉も飛びだしつつもトークがスタートした。

まず、くれいさんからは本作タイトルの話から。「邦題のプロジェクト・グーテンベルクは、本作の英語タイトルからきているのですが、グーテンベルクは活版印刷技術を開発した人の名前で、劇中出てくる活版印刷を使った偽札作りのプロジェクト、という意味でこのタイトルなんだと。一方、中国語の原題は「無雙」で、これは戦国無双のように比べると秀でているもの、という意味だけれど、実は衣類など表と裏に同じ生地を使う、つまり表裏一体という意味もあるんです」と始めから興味深い解説が。これをきいた有村さん「映画を見終わったあとにその意味がわかってタイトルをみると、なるほど~となりますね」と続く。さらにくれいさん「また漢字を「夢想」(むそう)という文字にすると色々意味がみえてきますね」という独自の視点での解説が続く。

その後は、アーロン・クォック演じる贋作の名人レイ・マン、チョウ・ユンファ演じる画家と呼ばれる男ン・フクサン、彼ら偽札組織を追う香港警察やレイ・マンの元恋人など、登場人物の解説へ。全員が本作に仕組まれた謎にかかわってくるだけにネタバレポイントが満載で、その分お客様も人物相関図をみながら真剣な表情で2人の解説に耳を傾け、ときには“そうだったのか”と言わんばかりの表情で頷く観客も多くみられた。

さらに、レイ・マンと画家をとりまく事件の中で、ゴールデントライアングルの闇組織のシーンは、チョウ・ユンファが、ほとんどのアクションシーンを自ら演じ、『男たちの挽歌』で演じたマークばりの2丁拳銃姿を私たちに披露してくれるが、有村さん「ここはチョウ・ユンファファンの人たちには『来たー!』というシーンですよね!」との言葉には会場からは同意の声もあがる。そしてくれいさんからは「劇中カナダでのリアリティのあるアクションシーンと、ゴールデントライアングルで起きるデフォルメされたアクションシーンの対比もこの映画の面白さ」という指摘には「たしかに後者は往年の80年代のベタなザ・アクション映画の“ウッソ~”という荒唐無稽感がありますね!」と有村さん。

トーク終盤、「途中までは、『オーシャンズ11』のように、仲間を集めて偽札を作ってドキドキしてこれ精巧だなぁ、なんて話なのかと思っていたら途中から変わってきて、結局この映画は、悪は滅びるってことなんですよね。これって何か香港映画や中国映画におけるルール付けってあるんですか」有村さんくれいさんに解説を求めると「この映画は純粋な香港映画ではなく、中国との合作なんですが、黒社会の犯罪者などは最後に捕まらなきゃならない、という中国映画を見慣れている人にはわかる点もあるんです。そういう意味で中国では『ジョーカー』は上映できませんしね」とコメント。それを受けて有村さん「この映画は中国映画ならではの部分と香港映画の外連味がありますね」と本作の色々な魅力が次々と解説され、それを一言も聞き漏らすまいと2人の話を熱心に聞く観客の姿が目立った。

この日の観客の中には、すでに本作を複数回みている人もいるほどハマる要素が満載。最後に「この映画は1回みただけでは疑問点が色々でてくると思いますが、話が分かったうえでもう一度観てみるとより面白さが増してきます!」有村さん「わかったうえでみると映画のオープニングから違ってくると思います!」くれいさん)と2人からの熱いコメントで締めくくられた。

※有村さんとくれいさんによる『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』徹底解説は、有村昆さんのYoutubeチャンネル「有村昆のシネマラボ」で後日公開されるので、こちらもぜひお見逃しなく。

プロジェクト・グーテンベルク 贋札王

ストーリー
偽造画家のレイがタイで逮捕され香港に護送されるが、高名な美術家ユン・マンによって保釈されるところから物語は始まる―舞台は1990年代のカナダへ。貧しい画家であったレイは恋人と将来に希望を託すが、なかなか認められず、いっこうに暮らしは楽にならない。こっそりと絵画の偽造に手を染めだすレイは「画家」と名乗る男に腕を認められ、彼が運営する偽札組織で働くことになる。やがて米ドル紙幣の偽札発見テクノロジーの進化をあざ笑うように、彼の偽札造りは世界を席巻していくが…。

作品タイトル:『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』
出演:チョウ・ユンファ、アーロン・クォック、チャン・ジンチュー
監督:フェリックス・チョン
製作:Bona Film Group、Alibaba、Emperor Motion Pictures ほか
〔130分 カラー 広東語、北京語 日本語字幕 2018年 香港/中国 PG-12〕
配給:東映ビデオ

公式HP:www.gansatsuou.com
公式Twitter:@gansatsuou
公式Instagram:@gansatsuou
コピーライト:(C) 2018 Bona Entertainment Company Limited

2月7日(金)新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開

 


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