レビュー
カンヌ国際映画祭審査員賞受賞の深い作品
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督が描くエゴの世界に圧倒されました。 舞台は離婚寸前の夫婦。 子どもを押し付け合う夫婦の身勝手振りに子どもの心は引き裂かれます。 ウクライナ戦闘のテレビ報道に無関心なロシア中産階級の人々。政治の世界でのエゴに対し批判する監督!さすがカンヌ国際映画祭審査員賞受賞作品。
離婚協議中のボリスとジェーニャの夫婦は、それぞれすでに別のパートナーがいて、早く新しい生活に入りたいと苛立ちを募らせていた。12歳になる息子のアレクセイをどちらが引き取るかについて言い争うふたり。耳をふさぎながら両親の口論を聞いていたアレクセイはある朝、学校に出かけたまま行方不明になってしまう。夫婦は自分たちの未来のために息子を探すが・・・・・・。
【introduction】
はじめての長編『父、帰る』(03)でヴェネツィア国際映画祭の最高賞である金獅子賞を受賞し、センセーショナルなデビューを果たしたアンドレイ・ズビャギンツェフ。以降作品を発表するごとに世界の注目を浴び、第70回カンヌ国際映画祭<審査員賞>受賞、そして本年度アカデミー賞(R)<外国語映画賞>にノミネートされた、ズビャギンツェフ最高傑作との呼び声も高い最新作。
自分を愛してくれる人との幸福を渇望し、自分が愛せなかった息子の行方を追う身勝手な両親。あまりにも大切な存在を失って初めて見つけたものは、本当の愛か、それとも空虚な幸せの正体か。愛なき世界を反転させられるものとは一体何なのか、まだやり直すことはできるのか。そして息子の安否は―。
映画史に残る慟哭のクライマックス。鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフがこの時代に生きる私たちへ贈る、本当の幸せを手に入れるために今観るべき物語。
マルヤーナ・スピヴァク、アレクセイ・ロズィン
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
共同脚本:オレグ・ネギン
2017/ロシア、フランス、ドイツ、ベルギー映画/ロシア語/シネスコ/127分/字幕翻訳:佐藤恵子/原題:Nelyubov/英題:Loveless R15+
提供:クロックワークス、ニューセレクト、STAR CHANNEL
配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム、STAR CHANNEL MOVIES
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督が描くエゴの世界に圧倒されました。 舞台は離婚寸前の夫婦。 子どもを押し付け合う夫婦の身勝手振りに子どもの心は引き裂かれます。 ウクライナ戦闘のテレビ報道に無関心なロシア中産階級の人々。政治の世界でのエゴに対し批判する監督!さすがカンヌ国際映画祭審査員賞受賞作品。