韓国ドラマ『北極星』の制作発表会が9月2日に韓国・ソウルで開かれ、チョン・ジヒョン、カン・ドンウォンらキャスト陣とキム・ヒウォン監督、共同演出を手掛けたホ・ミョンヘン監督が登壇した。

ユ・ジェミョン、イ・ミスク、パク・ヘジュン、イ・サンヒ、チュ・ジョンヒョク
本作は、殺された夫の遺志を継ぎ、自ら大統領候補となったムンジュと、彼女のボディーガードである国籍不明のサンホが、世界を危機に陥れようとする巨悪に立ち向かうスペクタクル・ロマンスストーリー。
3年ぶりのドラマ出演となるチョン・ジヒョンは、大統領候補となり命を狙われるムンジュ役を演じる。「ムンジュは物静かですが、堂々としていて、勇敢なキャラクター。キム・ヒウォン監督とチョン・ソギョン脚本家がタッグを組む作品ですから、俳優として欲が出ました。何より、これ以上歳をとる前にカン・ドンウォンさんと共演したいと思い、出演を決めました。私は、長い間カン・ドンウォンさんの大ファンだったんです。本当に!カン・ドンウォンさんのフィジカルがとても気に入っていましたが、撮影をする中で人間性までファンになりました」と語った。

サンホ役を演じるカン・ドンウォンも「出演の決め手はチョン・ジヒョンさんが出演されること」と明言。「撮影をする中でチョン・ジヒョンさんの魅力にハマってしまいました。現場を楽しんでいる姿を見て僕も幸せな気持ちになりましたし、撮影する間いつも“ステキな人だな”と思っていました」とコメント。
また演じるサンホについて、カン・ドンウォンは「サンホは国籍も正体も不明で、世界的な軍事企業のエースです。孤独である苦悩を抱えています。ムンジュと出会い、全てを捨ててもいいという思いで、彼女を守り戦います」と役どころを説明した。

チョン・ジヒョンは「全く違う世界に住んでいたムンジュとサンホはお互いに惹かれていくと同時に、お互いを知る中で自分を顧みるようになります。エピソードが進行するほど、おもしろい関係に発展していくので、そこを重点的に観ていただきたいです」と語り、カン・ドンウォンも「大人の男女だからこそわかる“いろいろ”が雰囲気から滲み出ています」とコメントした。

本作のタイトルについて、キム・ヒウォン監督は「“輝く星へのメタファー”をこめました」と語る。続けて「劇中には、それを象徴する“あるもの”が登場します。第3話のエンディングを観るとわかりますよ。第3話までで登場人物の背景などをドラマチックに描き、第4話、第5話はスピーディにいろんな事件が起こります。第6話から第9話ではそれまでに描かれなかった感情的なものが集約されています。毎週大きな秘密が明かされるので、見逃さないでください」とコメントした。

また、本作が企画される前、「チョン・ソギョン脚本家とどんな作品がしたいか」と聞かれたキム・ヒウォン監督は、「パワフルな女性が登場する作品がしたい。それを演じるのはチョン・ジヒョンだ」と話したという。「韓国の多くの監督は、パワフルな女性キャラクターをさせるならチョン・ジヒョンさんの他にいないと考えているでしょう。長い間キャスティングリストの1位は常にチョン・ジヒョンさんですから。一度お尋ねしてみようかと連絡をしたところ、すぐに『会いましょう』とお返事をくださり、うれしかったです」と、感激した当時を振り返った。
ドラマの最大の見どころは、緊迫した状況の中で、二人が心の距離を縮め、ロマンスが生まれる過程だ。キム・ヒウォン監督は「私は美しい絵が好きなのですが、美しいお二人なので、あえてこちらが頑張らなくても自然と画になり、撮影中ずっと幸せな気持ちでした。お二人とも身長が高いので、建物が狭く見えないように美術監督と相談しながら、天井も高く作ったりしました」と語った。
カン・ドンウォンは、今回、プロデューサーの一人としても名を連ねている。「プロデューサーとしてしたことは?」という質問に「何もない」と謙虚に回答したカン・ドンウォンだが、キム・ヒウォン監督は「外国人俳優のキャスティングの手助けをしていただきましたし、現場での英語通訳まで買って出てくださいました。私は英語ができないので、外国人俳優がいらっしゃると、すっとカン・ドンウォンさんの近くに誘導しました(笑)」と、カン・ドンウォンを全面的に頼っていたと語る。
ホ・ミョンヘン監督は、これまで何度も一緒に仕事をしてきたカン・ドンウォンについて、「ご存じのように(カン・ドンウォンは)手足がすごく長いので、同じ動きをしても、他の俳優では表現できないかっこよさがあります。実際にドラマをご覧いただけば、私の言っている意味がわかると思います」と発言。登壇していた俳優たちも、一様に大きくうなずき、同意をしていた。

ムンジュの夫で“韓国の若きリーダー”として期待されていた大統領候補チャン・ジュニク役を演じるのは、パク・へジュン。チョン・ジヒョンは、撮影でパク・へジュンに会う度に「カッコいい」を連発していたという。「本当にイケメンですよね。私は挨拶代わりに「今日もかっこいいですね」と言っていたのですが、その度に当然だというような表情をするんです」とニヤリ。(カン・ドンウォンの方を向いて)あちらを見ても、(パク・ヘジュンを見て)こちらを見ても、(イケメンばかりで)幸せな現場でした」と回想した。

ジュニクの母イム・オクソン役にはイ・ミスクがキャスティングされた。「韓国の政財界に影響力を持ち息子を大統領にしようとしますが、予想外のことが起きて作戦を変更します。野心のある人物です。今回、(息子役の)オ・ジョンセさんに随分演技を習いました。ジョンセさんがこう言うんですよ。“前半の演技はイマイチだったけど、後半は演技力が伸びましたね”って! 私もそう思います(笑)後半部の私の演技に期待してください」とちゃめっ気たっぷりに語った。

オ・ジョンセは、ジュニクの弟で検事のチャン・ジュンサン役。「有能な検事ですが、幼少の頃から自分より遥かに秀でている兄にコンプレックスや妬みを持っている人物です」と役どころを説明した。兄役のパク・へジュンとは実はあまり共演シーンがなかったそうで、残念そうな表情するオ・ジョンセにMCから「兄弟愛を育むためにハグをしよう」と粋な提案が。壇上で二人が“ぎこちないハグ”をすると、会場は笑いに包まれた。

韓国の現大統領チェ・ギョンシン役を演じるのはキム・へスク。「私が演じたギョンシンは、しなやかなカリスマと強い推進力、明確な政治信念を持つ人物。オファーを受けた時、ときめきと同時に怖さを感じましたが、大統領の器と人間臭さのある人物として演じようと思いました」と紹介した。映画『10人の泥棒たち』以来、久しぶりの再会となるチョン・ジヒョンについては「政治家同士として再会できたことがうれしいです。私はチョン・ジヒョンさんのことが本当に好きなんです。撮影シーンでは、毎回シナジー効果が発揮されたと思います」と発言し、仲の良さを感じさせた。

一方、ムンジュの補佐官ヨ・ミジ役を演じるイ・サンヒは、「役作りのために大韓民国憲法を書き写した」と徹底した役作りをしたと語る。

国家情報院長官ユ・ウンハク役のユ・ジェミョンは、「国の安全に総力を懸け、国益のためなら手段を選ばない愛国心の塊。台本には想像できないようなスケールとスペクタクルな世界が広がっていました。この作品に関われることが出来て幸せでした」と感慨深い様子で話した。

ムンジュの警護を担当する補佐官パク・チャンヒ役を演じるのは、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」でブレイクしたチュ・ジョンヒョク。「役作りのために実際に大統領の警護室長にお会いし、歩き方や姿勢、ドアの開け方など、警護について学びました」と言及すると、「本作はいろんな目的を持ったたくさんのキャラクターが出てきます。人物たちの感情線に沿ってご覧いただけば、自然と共感できるのではないかと思います」と見どころを語った。

また、ジュニクの死に関わるアメリカの国務部次官補役を、本作が韓国ドラマ初出演作となるハリウッド俳優ジョン・チョーが演じる。キム・ヒウォン監督は「撮影前、オンラインでたくさんのやり取りをしました。細かいところまで台本分析をして質問を投げてくださったり、私たちが想像できないところまでアイディアを出してくださったり、作品に真摯に向き合ってくださり感謝しています。実際、韓国でお会いしたジョン・チョーさんはとても素敵な方でした。“大変な環境の中でトップにまで上り詰めたのは、やはり理由があるのだ”と思いましたね」としみじみと語った。
最後は、キム・ヒウォン監督が「キャストとスタッフが最後の瞬間までベストを尽くして作った作品です。最終話まで楽しんでご覧ください」とコメントし、1時間半の会見は幕を閉じた。
『北極星』は9月10日よりディズニープラスのスターで字幕・吹替が独占配信スタート。
スタッフ
監督:キム・ヒウォン(「涙の女王」「シスターズ」「ヴィンチェンツォ」「愛の不時着」)、ホ・ミョンヘン(『犯罪都市 PUNISHMENT』)
脚本:チョン・ソギョン(「シスターズ」『別れる決心』)
『北極星』
9月10日(水)よりディズニープラスのスターで字幕・吹替が独占配信スタート
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