南仏を舞台に描かれる青春物語『君の見る世界をなぞる』ポスタービジュアル&本予告公開

第78回カンヌ国際映画祭監督週間オープニング作品に選出された『君の見る世界をなぞる』のポスタービジュアルと本予告が公開された。

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南フランスの陽光あふれる街を舞台に、大人への入り口に立つ16歳の少年の心の機微を瑞々しく描いた本作。裕福な家庭に育ちながらも、どこにも自分の居場所を見出せずにいるエンゾは、建築現場で出会ったウクライナ人移民の青年ヴラドに強く惹きつけられていく。戦争という現実を背負いながら生きるヴラドの姿は、エンゾにとって初めて触れる“本物の生”の重みだった。思春期の混乱と戸惑い、誰かのようになりたいという憧れ、そして言葉にならない欲望。その危うく曖昧な感情は、息子を理解したいと願う父親の想いとすれ違いながら、やがて彼自身の世界を静かに揺らしていく。

監督を務めたのは、『BPM ビート・パー・ミニット』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞したロバン・カンピヨ。『パリ20区、僕たちのクラス』でパルム・ドールに輝いたローラン・カンテが長年温めてきた企画を、彼の逝去後、盟友であるカンピヨ監督が遺志を受け継ぎ完成させた。フランス社会派映画の名匠ふたりの視線が交差した本作は、階級社会の断絶や戦争の影、不安と閉塞感が漂う現代を背景に、“自分とは何者か”を探し続ける若者の姿を鮮やかに映し出す。

主人公エンゾ役を演じたのは、エロワ・ポユ。元競泳選手である彼は、飾らず自然な佇まいがローラン・カンテとロバン・カンピヨの目に留まり、本作で俳優デビューを飾った。周りの世界に馴染めないエンゾを支える両親役には、『シチリアーノ 裏切りの美学』のピエルフランチェスコ・ファヴィーノと、『天使が見た夢』でカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を獲得したエロディ・ブシェーズ。さらにエンゾが淡い憧れを抱くウクライナからきた労働者ヴラド役には、実際に建築現場で働いていたウクライナ出身の俳優マクシム・スリヴィンスキーが起用されている。

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この度公開されたポスタービジュアルは、太陽の光が燦燦と降り注ぐ青空が夏らしい解放感を印象付けつつも、どこか影も感じさせるデザインとなっている。青空の下には、建築現場の見習いであるエンゾと、彼の教育係であるヴラドが並んで働く姿が捉えられているが、二人の微妙な距離からは近いようで遠いエンゾとヴラドの心の距離と、決して埋まらない現実社会の隔たりがあることがうかがえる。

また予告編では、16歳のエンゾの揺らぐ心がさらに克明に語られていく。裕福な暮らしと周囲の社会とのギャップに違和感を抱くエンゾと、故郷を離れフランスで働くウクライナ出身の外国人労働者ヴラド、そしてどこか大人びた息子を心配する父親の視点も加わり、不安定な現代だからこそ際立つ思春期の青さとドラマの展開を期待させる。

ストーリー
南仏の裕福な家庭で育った16歳のエンゾは、学校に馴染めず、建築現場で見習いとして働いている。そこで出会ったウクライナ出身の青年ヴラドに憧れを抱き、惹かれていくが、彼は兵役のため戦争へと向かわなければならない。満ち足りた生活を送る家族への反発、進むべき道のわからない将来への不安、そして親しい人が奪われる戦争の現実。自分の感情を制御できぬまま、エンゾが過ごす夏は、静かに形を変えていく。

『君の見る世界をなぞる』
出演:エロワ・ポユ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、エロディ・ブシェーズ、マクシム・スリヴィンスキー ほか
原案:ローラン・カンテ(『パリ20区、僕たちのクラス』)
監督:ロバン・カンピヨ(『BPM ビート・パー・ミニット』)
2025年|フランス、ベルギー、イタリア|フランス語、ウクライナ語|カラー|ヨーロピアンビスタ|5.1ch|102分|PG12|原題:ENZO|字幕翻訳:リネハン智子
配給:樂舎
(C)Les Films de Pierre / Lucky Red / Page 114 / Les Films du Fleuve / France 3 Cinéma / AMI, Alexandre Mattiussi
https://enzo-movie.jp/

8月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開

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