【インタビュー】『キーパー ある兵士の奇跡』マルクス・H・ローゼンミュラー監督&プロデューサーのインタビュー到着!

キーパー ある兵士の奇跡第二次世界大戦で捕虜としてイギリスの収容所に送り込まれたナチスの兵士バート・トラウトマンが、終戦後にイギリスとドイツを結ぶ平和の架け橋となり、やがて国民的ヒーローとして敬愛されたという驚くべき実話から生まれた映画『キーパー ある兵士の奇跡』が新宿ピカデリーほか全国公開中だ。

トラウトマンには『愛を読むひと』のデヴィッド・クロス、妻のマーガレットには『サンシャイン/歌声が響く街』のフレイア・メーバー。監督は、ドイツ国内で数々の賞を受賞してきたマルクス・H・ローゼンミュラー。はじめは〈敵〉として嫌悪していたトラウトマンを〈人〉として愛し始め、やがて固い絆で結ばれていく二人の姿には、誰もが心を深く揺さぶられるはずだ。

すでに鑑賞した人からは、「観終わった後、出会えてよかったと思えた作品」「人間ドラマと愛の深さを描いた良質作」「憎しみを乗り越えようとする妻マーガレットの姿が素敵で感動した」と熱い絶賛の声が続出し、早くも話題となっている。

10月23日(金)16時30分からTBSラジオ「荻上チキ・Session」で監督への電話インタビューもオンエアされる。ゲストには、「ジョージ・ベストがいた マンチェスター・ユナイテッドの伝説」著書の川端康雄さんを迎え、映画の背景を深堀りで解説する。

監督は、ドイツ出身のマルクス・H・ローゼンミュラー。初めての長編映画『Grave Decisions』(06)でバーバリアン映画祭最優秀監督賞、ドイツ映画賞の最優秀監督賞と最優秀脚本賞、ミュンヘン映画祭監督賞を受賞。その後、『Little White Lies』(09) でドイツ映画批評家協会賞最優秀作品賞にノミネート、『Double Trouble and the Magical Mirror』(19)でイタリアのジッフォーニ映画祭最優秀作品賞にノミネートされ、世界から高い評価を得ている。

本作では、バイエルン映画祭で最優秀作品賞に輝き、サンフランシスコ・ユダヤ映画祭、セドナ国際映画祭、シネ・サン・フロンティア映画祭など各国の映画祭で観客賞受賞を果たし、映画批評サイトのロッテン・トマトでは満足度95%の高評価を獲得した(2019.8.2時点)。

この度、本作の公開を記念し、マルクス・H・ローゼンミュラー監督とプロデューサーのロバート・マルチニャックからインタビューが到着した。

 

インタビュー

キーパー ある兵士の奇跡

●バート・トラウトマンの存在を知ったのはいつですか?

ロバート:ヨーロピアンフットボールチャンピョンシップでチェコ代表チームのペトル・チェフ選手が試合中に頭蓋骨を損傷し、頭を守るヘルメットをつけているのを見た時、トラウトマンの話を思い出しました。これは映画にするべきだとひらめき、監督に話を持ちかけ、企画を立ち上げた。初めてトラウトマンと会ったのは、2008年に彼がニューレンベルグでドイツのスポーツメダルを受賞した時。トラウトマンからも快諾を得て、スペインに住む彼を訪ねて1週間の取材を行いました。

 

●どうしてトラウトマンの映画を作ろうと思ったのでしょうか?

マルクス監督:素晴らしいスポーツマンシップの話に惹かれたけど、それだけじゃない。人間社会を描いていること、そして和解と愛の物語であることに感動したからです。

●ドイツとイギリスでの公開時の反応はいかがでしたか? 海外も含め、印象的なエピソードがあったら教えてください。

ロバート:マルクス監督と私は、ドイツとイギリスの映画館をまわり、驚くほどたくさんの賞賛や感謝を受けました。ドイツで最も重要な賞であるバイエルン映画賞をはじめ、ディナール英国映画祭ではゴールデン・ヒッチコック賞(最優秀作品賞)を受賞し、国内外でも多くの賞を受賞したことに誇りを持っている。イスラエル、オーストラリア、そしてニュージーランドでの公開も成功しました。

 

●トラウトマンのご家族の反応はいかがでしたか?

ロバート:トラウトマンの2人の息子を、イギリスでのプレミアに招待し、80歳以上になるマーガレットの妹、バーバラも映画を鑑賞したよ。全員が家族の物語に感動したと、絶賛してくれました。

 

●トラウトマンの1番の魅力はどこでしょうか?

ロバート:トラウトマンは、「骨折しながらプレーを続けたゴールキーバーとしてだけで名を残したくはない」と言っていたんです。引退後、彼は2つの財団に所属し、移民の若者がサッカーを通して、環境に馴染めるよう手助けをする活動をしていた。彼はドイツから名誉賞を、イギリス政府からも大英帝国勲章(OBE)を授与されている。私たちの映画は、サッカー選手の人生を描いているだけでなく、罪、許し、そして和解がテーマなんです。

 

●監督として、最も描きたかったテーマは何ですか?

マルクス監督:様々な意味で明確な映画です。敵だった人物が、国民的ヒーローになる。それは、スポーツというものが、敵国同士が和解するために重要な役割を果たしたことも示しています。和解を描くには、罪を認め謝罪する側、その謝罪を受け入れる側の両方を描くことが必要です。個人の行動に対する責任感も大事だけど、傍観者でいることが罪になることにも目を向けなければいけない。私にとってもう一つ大切なのは、この完璧ではない世界で葛藤しながら、それでも平和な世界を切望する人々を描くことでした。

 

監督やプロデューサーが触発された伝説のゴールキーパー、トラウトマンの物語。映画で明かされていくのは、英雄として活躍する姿だけでない。いかにして罪を許し、スポーツや愛を通じて和解へと繋げていったのかという、私たちの心に刺さる普遍的なテーマだ。監督が映画に込めた平和への思いを、スクリーンで受け取ってほしい。

 

ストーリー
1945年、ナチスの兵士だったトラウトマンはイギリスの捕虜となる。収容所でサッカーをしていた時、地元チームの監督の目に留まり、ゴールキーパーとしてスカウトされ、名門サッカークラブ「マンチェスター・シティFC」に入団。ユダヤ人が多く住む街で、想像を絶する誹謗中傷を浴びながらも、トラウトマンはゴールを守り抜いた。やがて彼の活躍によって、世界で最も歴史ある大会でチームを優勝へ導き、トラウトマンは国民的英雄となる。だが、彼は誰にも打ち明けられない〈秘密の過去〉を抱えていた。そしてその秘密が、思わぬ運命を引き寄せてしまう──。

作品タイトル:『キーパー ある兵士の奇跡』
出演:デヴィッド・クロス『愛を読むひと』、フレイア・メーバー『ベロニカとの記憶』、ジョン・ヘンショウ『天使の分け前』、デイヴ・ジョーンズ『わたしは、ダニエル・ブレイク』
監督:マルクス・H・ローゼンミュラー
2018年/イギリス・ドイツ/英語・ドイツ語/119分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:The Keeper/日本語字幕:牧野琴子
配給:松竹

公式サイト:movies.shochiku.co.jp/keeper/
コピーライト:(c)2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann

絶賛公開中

 

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