アルジェリア“暗黒の10年”を舞台に描く、真実から生まれた希望の物語『パピチャ 未来へのランウェイ』特別映像解禁!

昨年のカンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式出品され大きな話題となった映画『パピチャ 未来へのランウェイ』が10月30日(金)よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開となる。

本作は、物語の舞台であるアルジェリアに17歳まで暮らし、この映画が長編映画監督デビュー作となるムニア・メドゥール自身の経験から生まれた物語。アルジェリアで1991年に始まった内戦、いわゆる<暗黒の10年>を舞台に、過激派のイスラム主義勢力によって内戦下で横行していた弾圧の真実を、ファッションデザイナーを夢見る少女の視点で劇的かつ瑞々しく描ききっていく。タイトルの“パピチャ”とは、アルジェリアのスラングで“愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性”という意味。

第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品されるや、全編にほとばしるそのエネルギーで世界を圧倒。媚びず、流されず、自らのために立ち向かう少女達の力強さは観客に勇気を与え、性差による抑圧に対する解放の賛辞だとして話題を呼んだ本作。
しかし、昨年12月に大統領選を控え政治情勢が不安定となっていた本国アルジェリアでは、昨年9月に実施が予定されていた先行上映が当局によって説明なしに中止され物議を醸す事態に。そして未だに本国での公開には至っていない。

1990年代、内戦下のアルジェリア。ファッションデザイナーを夢見る大学生のネジュマは、親元を離れ大学寮で暮らしている。過激派のイスラム主義勢力の台頭による抑圧が日に日に増していく中で、ネジュマをある悲劇が襲い、彼女は自由と未来のために命がけでファッションショーを行うことを決意する。そんなネジュマと時にはしゃぎ合い時に励まし合いともに青春の時間を過ごし、ネジュマのファッションショー実現のためにともに奮闘するのがルームメイトの仲間たちだ。

このたび、ネジュマを演じる注目の新進女優リナ・クードリをはじめ、アルジェリア出身の4人の“パピチャ”たちが作品の魅力などを語る特別映像が解禁された

本作の脚本を初めて読んだのは4年以上であると語るクードリは「この映画は例え何があっても絶対に作りたかった。エネルギーを溜めてた」と振り返る。ネジュマのルームメイトは性格や考え方も様々。

親友であるワシラはネジュマとは正反対の性格で、“愛”を一番に信じているタイプ。演じているシリン・ブティラはInstagramフォロワー230万超えを誇るヨーロッパで人気のインフルエンサーで、メドゥール監督は共通の知り合いを通じてSNSで連絡を取りキャスティングに至った。そんな彼女は「これは若くて美しく、自立した強い女性の物語でもある」と自信を込める。

「描かれた時代を私たちは知らない。でも撮影の間、その時代を生きてた。今のアルジェリアでもある」と語るのは、仲間の中で最も敬虔だが、その一方でファッションショー実現のカギを握ることになるサミラ役を演じるアミラ・イルダ・ドゥアウダ
監督は、彼女を本作に起用するために彼女に合う役柄を考えたという。ドゥアウダが好きなシーンのひとつとして挙げるのが、4人が海辺ではしゃぐ場面だが、メドゥール監督によると当時アルジェリアでは海に行くこと自体が禁止されていたという。監督は「深呼吸し自由を満喫するシーン」としてこの場面を重視。
カナダへ留学することを夢見るカヒナを演じるザーラ・ドゥモンディは、実生活では生物学博士。彼女もこの海の場面について「それまでの撮影とは全然違ってた」と振り返る。

彼女たち4人が、海辺や寮の部屋の中であらゆる抑圧から解放され、心からリラックスしている様子を捉えた本編シーンも切り出した。合わせて、このシーンの貴重なオフショット画像も解禁に

アルジェリアを離れる前は自身も大学寮で暮らしていたという監督は、この場所について「アルジェリアで学ぶ女子学生の多くは、大学構内に住めるように一生懸命働きます。それは勉強のためでもありますが、父親と兄に代表される家族のもとを離れて、束の間の自由を体験するためでもあります。大学の寮は、自由を感じられる場所なのです」と背景を語る。
さらに「私たちにとって寮は、自由を満喫できる場所でした。勉強もできましたが、ダンスをしたり、音楽を聴いたりすることもできました。当時は楽しい思い出ばかりなのです」と振り返る。

また、ネジュマ達のファッションショーを行うという“選択”にちなんで、選択を前にしている日本の多くの方たちに向け<自分らしく生きるための選択>をするための背中を押す一助になることを願い、本作公式noteにおいて<選択>をテーマにした豪華執筆陣によるエッセイ連載企画「マイ・チョイス-わたしがした、自分らしく生きるための選択」が展開中

筆者には、企画に賛同した各界のトップランナーとして活躍する方々が多数参加。10/14時点で、小説家の柚木麻子氏による「『守りたい』の殺意」、ジャーナリストの治部れんげ氏による「私たちがまだ使っていない「選択肢に気づく映画」」が掲載中だ。今後も、10名以上によるそれぞれがこれまでにしてきた“選択”にまつわる珠玉のエッセイを掲載していく。

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』公式note
エッセイ連載企画「マイ・チョイス-わたしがした、自分らしく生きるための選択」筆者紹介(五十音順/10月7日まで到着分)
伊藤詩織さん(ジャーナリスト)、北原みのりさん(作家・ラブピースクラブ代表)、小山圭一さん(ELLE ONLINE エディター)、治部れんげさん(ジャーナリスト)、瀬谷ルミ子さん(認定NPO法人 REALs理事長)、なみちえさん(アーティスト)、笛美さん(会社員)、松尾亜紀子さん(エトセトラブックス代表)、山本和奈さん(一般社団法人Voice Up Japan代表理事)、ヤン ヨンヒさん(映画監督)、柚木麻子さん(小説家)

◆映画『パピチャ 未来へのランウェイ』公式note URL:https://note.com/papichamovie
本企画目次ページURL:https://note.com/papichamovie/n/n12fcba4b5f2a

 

第72回カンヌ国際映画祭・ある視点部門 正式出品
第45回セザール賞<新人監督賞><有望若手女優賞>2冠

アルジェリア“暗黒の10年”を舞台に描く、真実から生まれた希望の物語

ストーリー
1990年代、アルジェリア。ファッションデザインに夢中な大学生のネジュマはナイトクラブで自作のドレスを販売している。夢は、世界中の女性の服を作るデザイナーになること。だが過激派のイスラム主義勢力の台頭によりテロが頻発する首都アルジェでは、ヒジャブの着用を強制するポスターがいたるところに貼られるように。従うことを拒むネジュマはある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、立ちはだかる障害と死の匂いに屈せずに命がけでファッションショーを行うことを決意する―。

作品タイトル:『パピチャ 未来へのランウェイ』
出演:リナ・クードリ、シリン・ブティラ、アミラ・イルダ・ドゥアウダ、ザーラ・ドゥモンディ
監督:ムニア・メドゥール
2019年/フランス・アルジェリア・ベルギー・カタール/スコープサイズ/109分/アラビア語・フランス語・英語/原題:PAPICHA/映倫G
配給:クロックワークス

公式サイト:papicha-movie.com
公式Twitter:@papichamovie
公式instagram:@papichamovie
コピーライト:(C) 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS – JOUR2FETE – CREAMINAL – CALESON – CADC

10/30(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

 

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