第72回カンヌ国際映画祭監督賞受賞!ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督『その手に触れるまで』6/12日本公開!

新型コロナウイルス感染拡大防止のため公開見合わせてとなっていた、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督最新作『その手に触れるまで』の日本公開日が6月12日(金)に決定した。

13歳の少年アメッドはどこにでもいるゲーム好きの普通の少年だったが、尊敬するイスラム指導者に感化され、過激な思想にのめり込む。ある日、学校の先生をイスラムの敵を考え、抹殺しようとする。狂信的な考えに囚われてしまった少年の気持ちを変えることはできるのだろうか…?

人の変化は急には起こらない。いくつもの出来事を積み重ね、感情の変化を丁寧にすくいとる。‟特別な子供”ではなく、“すぐそばにいる子供”の成長を見届けるような温かさをもって、ダルデンヌ兄弟にしか描けない、普遍的でいて、これまでにない少年の物語が誕生した。

本作は第72回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。ウォルター・サレス監督も称賛を贈り「鮮やか!作品の強度に驚嘆する」(ガーディアン)、「シンプルでいて、心を掴んで離さない!」(ヴァラエティ)と各メディアが絶賛した。

なお、ダルデンヌ兄弟監督作品のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品は8作品連続の快挙となる。そして、監督賞の受賞により、カンヌ国際映画祭で審査員賞を除くすべての主要賞受賞という史上初の偉業をダルデンヌ兄弟は成し遂げた。

主演はダルデンヌ兄弟が見出した新星イディル・ベン・アディ「緻密な演技で映画全体を支配する存在感をはなっている」(ル・モンド紙)、「『イゴールの約束』のジェレミー・レニエの鮮烈なデビューを思い起こさせる」(エル)とイディルを絶賛、第10回ベルギー・アカデミー賞で有望若手男優賞を受賞した。

そして、ダルデンヌ兄弟お気に入りのアルフレッド・ブレンデル演奏によるシューベルトの「ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960 第二楽章」が美しくエンドロールの幕を閉じる。

▲監督写真 コピーライト:@Christine Plenus

ストーリー
13歳の少年・アメッド。
ベルギーに暮らし、つい最近までどこにでもいるゲーム好きな少年だったが、今はイスラム教の聖典であるコーランに夢中。
小さな食品店の二階のモスク(イスラム礼拝所)で導師が行う礼拝に兄と熱心に通っている。

放課後クラスのイネス先生との“さよならの握手”を「大人のムスリムは女性に触らない」と拒否した夜、それを聞きつけた母親に叱られる。
「イネス先生は識字障害克服の恩人よ。毎晩読み書きと計算を教えに来てくれた」
そんな母の言葉にまったく耳を貸さないアメッド。
父が家を出て以来、母は毎晩酒を嗜むようになっていた。

ある日、イネス先生は歌を通じて、日常会話としてのアラビア語を学ぶ“歌の授業”を提案する。
「コーランが大切。日常会話のアラビア語は後ででもいい」
「ベルギーで暮らしてるけど、アラビア語ができるほうが仕事の選択肢も増える」
保護者の間でも意見は分かれる。

「聖なる言葉を歌で学ぶなど冒涜的だ。あの教師は背教者だ。背教者を見つけたらどうする?」
導師に問われ、アメッドは答える。
「見つけ次第、排除するべき」
うなずく導師。
「その教師は“聖戦の標的”だな」。

「アラーよ。僕の行動を受け入れてください」
アメッドは靴下にナイフを忍ばせて歩く練習をし始める。

イネス先生のアパートを訪ねるアメッド。
疑うことなく、オートロックを外す先生。
建物に入り、先生の部屋の前にアメッドは佇む。
出てきた先生に襲い掛かるが、部屋に逃げ込まれ、刺し損ねる。

アメッドは導師の元に逃げ込むが、驚いた導師は、
「モスクのため、家族のため、自主しろ」とアメッドを説き伏せる。
「自分はなにも言っていない。そうだな?」

少年院に入ったアメッド。
アラビア語を理解する先生もいる。
更生プログラムのひとつである農場作業を手伝うようになり、農場主の娘・ルイーズが牛の世話の仕方などをきさくに教えてくれる。
しかし、アメッドは動物に触れることも、親切にされることも心地悪くて仕方ない。

母親との面会日。
「元のお前に戻ってよ」
泣きながらもアメッドを抱きしめる母。

信じれば信じるほど、純粋であろうとすればするほど、頑なになっていくアメッドの心。
少年の気持ちが変わる日は来るのだろうか――。

第72回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞

作品タイトル:『その手に触れるまで』
出演:イディル・ベン・アディ、オリヴィエ・ボノー、ミリエム・アケディウ、ヴィクトリア・ブルック、クレール・ボドソン、オスマン・ムーメン
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
エンディング曲:フランツ・シューベルト「ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960 第二楽章 Andante sostenuto」(演奏:アルフレッド・ブレンデル)
後援:ベルギー大使館
2019年/ベルギー=フランス/84分/1.85:1
映倫:G
英題:YOUNG AHMED 原題:LE JEUNE AHMED
配給:ビターズ・エンド

公式サイト:bitters.co.jp/sonoteni
公式Twitter:@dardenne_cinema
公式Facebook:fb.com/Dardenne.cinema

コピーライト:(C) Les Films Du Fleuve – Archipel 35 – France 2 Cinéma – Proximus – RTBF

6/12(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

 
↑上に戻る