【レポート】『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』小川あん&柳英里紗、巽啓伍&橋本薫が青春映画を語る!

オリヴィア・ワイルド初監督作品『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』が8月21日(金)より全国公開となる。

公開を控え、配給のロングライドと『アメリカン・スリープオーバー』『キングス・オブ・サマー』など日本で未公開だった傑作青春映画の上映企画などで近年、映画ファンから熱い注目を浴びる団体グッチーズ・フリースクールがコラボし、2回にわけてオンライントーク配信イベントが開催された。

第2夜は本作のモリーとエイミーの最高バディーにちなんで「友達最高!! 映画のフレンズ特集」と題し、映画に関するイベント出演や執筆も行うロックバンド never young beachのベーシスト・巽啓伍さん、同じくロックバンドのHelsinki Lambda Clubのギターボーカル・橋本薫さん、そして映画ドラマCMと幅広く活動する女優・小川あんさん、昨年監督デビューを果たした女優の柳英里紗さんが、本作の感想と、各自で選んだ「青春映画」「バディ映画」のベスト3についての熱いトークイベントを繰り広げた。

 

《第二夜》トークイベント「友達最高!! 映画のフレンズ特集」概要

日時:8月16日(日)20:00〜22:00
登壇者(※敬称略):<第一部>小川あん(女優)、柳英里紗(女優)
※柳さんはリモート出演で参加
<第二部>巽啓伍(never young beach)、橋本薫(Helsinki Lambda Club)
司会:奥浜レイラ

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

まず本作を観た感想について、リモートで出演の柳さんは「すごいハッピーで王道を貫いているのに、驚くような展開が積み重なってやってくるのがすごい。」と絶賛し、小川さんは「仲良くなるためには超えなければいけない、仕草、雰囲気、しゃべり。すべて解放していて、いいなと思った。」と主人公ふたりの友情の姿を語る。柳さんも「めちゃめちゃ解放してる。私が観たことある女性もの青春映画は、異性でもめて、がんじがらめになる。それを払拭してる。」とこれまでとは違った青春映画であることに着目した。

また、海外の学園生活に憧れがあると言う小川さん。「プロムを学校のイベントで企画したけど、日本でやっても男子が誘わないと思うから、結局できなかった。」と学生の頃を振り返り懐かしむ。柳さんは「本作ではいろんな種類の学園のパーティーがいっぱいみれるのがすごい。どのパーティーに参加したいと思った?」と最後まで小川さんと盛り上がりトークが展開した。

続く第2部では、まず巽さんが主人公ふたりについて「このふたりだけで充実しているなと思った。マスに迎合しなくても、このふたりって超最高なんだけど、それでも、補完したいものがあるんだなと大人目線で感じた。」と感想をのべると、橋本さんは「お互いが最初からめちゃくちゃ褒め合う。今までのバディ物は、ある種プロレス的。貶し合うことで仲の良さをアピールするけど、本作ではお互いに肯定しあうのが、今っぽくて面白かった。」とこれまでにないバディ作品であると分析。続けて「ヒエラルキーがありつつも、そこまでお互いに不必要に干渉せず、自立しているのが新しいなと思った。今後の学園映画のスタンダードになると思う。」とコメント。

橋本さんは学生だけでなく大人たちのキャラクターについても着目し「海外ドラマの『フレンズ』が好きで、エイミーのお母さんが、フィビー役(リサ・クドロー)の人でめちゃめちゃアガった。大人もすごくいい。ピザ屋のおっちゃんや校長先生が子供を守る存在で。そういう大人たちがよかった。」と振り返る。

最後には本作で描かれる多様性について「意識的に本作の多様性がスタンダードになればいいなと思う。」と橋本さんが話し、巽さんは「マチズモ的なのがなく、押し付けがましくなくて、自然にストーリーに入り込める。コメディでもこういう要素を取り入れてくるのが感動した。」と語り、終始盛り上がりをみせた。

続けて今回のテーマでもある<映画のフレンズ特集>で、事前に各ゲストに挙げていただいた【青春映画のベスト3】【バディ映画のベスト3】の話に。

まず小川さんは大好きな青春映画のポイントを「青春映画とは“人数”だ」として、それにちなんだ【青春映画のベスト3】をご紹介。まず1位に『グーニーズ』。グループの中で、それぞれのキャラクターの役割があることの良さをのべ、3位の『トイ・ソルジャー』でも、「みんなでテロリストに立ち向かうところや、役割分担に憧れがある」と話す。また、「主人公だけでなく、みんなが集まっているグループショットが好き」と語り、2位の『リンダ リンダ リンダ』は「思いの違う4人が集まって、誰1人かけちゃいけない存在。」とコメント。複数人の個性的なキャラクター達がともに困難を乗り越えていく青春映画への想いを熱く語った。

続いて【バディ映画のベスト3】では、1位と2位同列で『ノッキンオンヘブンズドア』。「2人が仲良くなるのがめっちゃ早い。最初に会ったときからバディみたいなところが好き。」と理屈抜きにしてバディを体現している本作を熱く語る。3位の『スケアクロウ』は「(アル・パチーノは)動きがめちゃくちゃいい」と女優ならではの視点でアル・パチーノを絶賛。そして映画の役柄についても「普通だったら、それぞれのキャストに演じさせるキャラクターが逆。こういう人物像でいかないよなと思うけど、そこが何だか自由で良かった。」予想を裏切る演出についても独自の視点で語った。

柳さんは、青春映画のポイントを「青春映画とは“物語でありドキュメント”だ」として【青春映画ベスト3】の1位に『モー娘。走る!ピンチランナー』をチョイス。小学生時代に夢中になったモーニング娘。への思いや、当時人気絶頂のアイドル達の現実とリンクするリアルな演技を振り返った。また、自身が監督し、小川さんも走るシーンが登場する『Cosmic Blue』について触れ「走る姿は、自分の生活や筋肉、あらゆるものが蓄積されているのが魅力。人が走っている姿って、まじまじとはみれないけど、映画だといつまでもみられる。」と語り、いつしかテーマは“走る”青春映画へ…。続いて“動き”が好きな俳優としてあげた、ティモシー・シャラメ出演作で、なかでも走るシーンが多い『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』をそれぞれ2位と3位にあげ、小川さんとともに独自のティモシー論を展開した。

【バディ映画のベスト3】では、1位に『ゆれる人魚』を。「顔の動きや体の動きが少ないけど、彼女たちの心の動きが表情でわかる。目で話すシーンは、お芝居以外でコミュニケーションとれていないと難しい。」と、心が通じる様子を視線だけで表現したことを絶賛。続く2位は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。なんと驚くべきことに子役時代にCM撮影でディカプリオに実際に会ったことを打ち明け、『バスケットボール・ダイアリーズ』のLAの撮影現場でディカプリオのバスケ姿を見たことがあると夢のようなエピソードを語った。3位は五社英雄監督の『肉体の門』。俳優たちの素晴らしさと「娼婦の話なのに、負の感情が少なく、たくましい。性的な部分よりも、人間として今ここで生きているということが身体から感じられる。」と熱いリスペクトを語った。

第2部に移り、青春映画のポイントを「青春映画とは“どうしようもない時間”だ」とした巽啓伍さん【青春映画ベスト3】の1位は『あのころ僕らは』。「ディカプリオが演じるのはどうしようもない男だけど、そのダメさがいい」と語り、盟友でもあるトビー・マグワイアが「優しい奴かと思ったら、そうでもない。そこがいい」と演じるキャラクターに着目しながらコメント。2位は『きみの鳥はうたえる』で「函館が舞台で、クラブに行ったり、コンビニで誰が払うかとか言ったり。下手すればだるい映画なんだけど、こっちを飽きさせない絶妙な撮り方」と三宅監督を絶賛。なんとYoutubeのコメント欄には三宅監督ご自身から絵文字のコメントも。3位は『I love ペッカー』。「主人公を演じたエドワード・ファーロングが大好き。ディカプリオもそうだけど、かっこいい人がすれた人になっていく様が好き。」と独自の視点で語る。その観点で『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のティモシー・シャラメを絶賛し「こういうシャラメを観たかったんだ!」と最近シャラメの良さに気づいたことを告白した。

【バディ映画のベスト3】はキャラクターの精神的結びつきをポイントに選出。1位は『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(エリオット・スミスの曲についても絶賛)。2位には『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』をあげた。また、3位の『キングス・オブ・サマー』については、自身の恋愛経験も振り返りながら、男同士の友情に女性が介入することで、亀裂が入ったエピソードを暴露。思春期の男同士の友情の意外な脆さについて振り返った。

橋本薫さんは、青春映画のポイントを「青春映画とは“10代のあの頃”だ」として【青春映画ベスト3】『トレインスポッティング』を1位にチョイス。「何者でもない自分が、何者かになりたくて、それが僕にとっての青春にリンクする。」と熱く語る。また、巽さん、司会の奥浜さんとライブ会場であの有名なトイレシーンを思い出すあるある話も飛び出した。続く2位は『69 sixty nine』をあげ「表面的な部分での他者との格差や、異性を意識することのモチベーションが、滑稽だけど青春」と話す。最後は『あの頃ペニー・レインと』で「(劇中バンド)スティルウォーターのライブを主人公が観る演奏シーンで人生で初めてかっこいいという感情で泣いた。」と当時の衝撃を振り返った。

【バディ映画ベスト3】は2人組に関わらずグルーヴ感に重きを置いて選出したそうで、1位は『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』。「基本体育会系でビジュアルからして『アメリカン・パイ』に近い要素がある。一瞬を大切にするのは、『ブックスマート』と通じる点がある」と話し、2位は『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』で、「本当アホだけど、4人のバディ感。」を自身のお酒の失敗話を踏まえながら、「この映画はだから反面教師(笑)」と楽しげに振り返る。3位は『50/50 フィフティ・フィフティ』で、「主人公がガンになってからの、友達の支え方や気の遣い方。そこが、すごく良い距離感で、あの感じがいいバディ関係。」と語った。

友達と一緒に『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』を観た後は、作品の感想だけでなく、きっと、あの頃の思い出の青春映画や、バディ映画などについても思わず語りたくなってしまうはず。お酒片手にほろ酔いのラフな雰囲気で、終始、バディ同士で盛り上がるトークイベントとなった。

また、ブックスマートパンフレットセットと、グッチーズ・フリースクール配給映画ブルーレイのプレゼントキャンペーンも実施中だ。配信アーカイブをみて、ハッシュタグのキーワードをチェックし、SNSでぜひご応募を。

 

◆ゲストが選んだベスト3

■小川あんさん(女優)
「青春映画とは“人数”だ」

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

【青春映画ベスト3】
1.『グーニーズ』
2.『リンダ リンダ リンダ』
3.『トイ・ソルジャー』

【バディ映画ベスト3】
1.&2.『ノッキンオンヘブンズドア』
3.『スケアクロウ』

 

■柳英里紗さん(女優)
「青春映画とは“物語でありドキュメント”だ」

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

【青春映画ベスト3】
1.『モー娘。走る!ピンチランナー』
2.『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
3.『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』

【バディ映画ベスト3】
1.『ゆれる人魚』
2.『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
3.『肉体の門』

 

■巽啓伍さん(never young beach)
「青春映画とは“どうしようもない時間”だ」

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

【青春映画ベスト3】
1.『あのころ僕らは』
2.『きみの鳥はうたえる』
3.『I love ペッカー』

【バディ映画ベスト3】
1.『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
2.『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
3.『キングス・オブ・サマー』4.『セブン』

 

■橋本薫さん(Helsinki Lambda Club)
「青春映画とは“10代のあの頃”だ」

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

【青春映画ベスト3】
1.『トレインスポッティング』
2.『69 sixty nine』
3.『あの頃ペニー・レインと』

【バディ映画ベスト3】
1.『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』
2.『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
3.『50/50 フィフティ・フィフティ』


イントロダクション
『her/世界でひとつの彼女』『リチャード・ジュエル』の女優オリヴィア・ワイルドが、“俺たち”シリーズ、『バイス』でおなじみのウィル・フェレルアダム・マッケイ製作総指揮の下、華麗に映画監督に転身。これまでになく大胆でパワフルな青春コメディは、SXSW映画祭を熱狂させ数々の映画賞を席巻した。

また、監督、脚本、主演の全てが女性主導という作品にテイラー・スウィフトナタリー・ポートマンら多くのセレブが絶賛と支持表明したことも大きな話題となり、全米を熱狂させた。

ストーリー
明日は卒業式。親友同士のモリーとエイミーは、高校生活の全てを勉学に費やし輝かしい進路を勝ちとった。ところが、パーティー三昧だった同級生たちも同じくらいハイレベルな進路を歩むこと知り驚愕。2人は失った時間を取り戻すべく、卒業パーティーに乗り込むことを決意する。

作品タイトル:『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
出演:ケイトリン・デヴァー、ビーニー・フェルドスタイン、ジェシカ・ウィリアムズ、リサ・クドロー、ウィル・フォーテ、ジェイソン・サダイキス、ビリー・ロード、ダイアナ・シルバーズ、モリー・ゴードン、ノア・ガルビン、オースティン・クルート、ヴィクトリア・ルエスガ、エデゥアルド・フランコ、ニコ・ヒラガ、メイソン・グッディング
監督:オリヴィア・ワイルド(長編初監督)
製作:アダム・マッケイ、ウィル・フェレル
2019年/アメリカ/英語/102分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:BOOKSMART/日本語字幕:髙内朝子
提供・配給:ロングライド

公式サイト:https://longride.jp/booksmart
公式Twitter:@BOOKSMART_JP
公式Instagram:booksmart_jp
#ブックスマート
コピーライト:(c) 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

8月21日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

 

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