【レポート】『キネマの神様』公開記念舞台挨拶に菅田将暉、野田洋次郎、北川景子、宮本信子が登壇!沢田研二のコメントも

キネマの神様

松竹映画100周年記念作品『キネマの神様』(本日8月6日(金)公開)の公開記念舞台挨拶が8月5日(木)に、菅田将暉、野田洋次郎、北川景子、宮本信子、山田洋次監督が登壇した。さらに今回、ダブル主演として出演予定だった故・志村けんさんの代役を務めた沢田研二から、本作が公開を迎えることへの想いを綴ったコメントも発表された。

本作は1950年代ごろの日本映画の黄金期と現代を舞台に、夢を追いかけ、夢に挫折しながらも“映画の神様”を信じ続けた主人公・ゴウが時代を超えて織り成す“夢”と“愛”と“奇跡”に満ちた感動の物語が描かれる。

観客の前に立った山田監督は「去年3月にクランクインしたんですけど、何度も中断して、苦労しながら出来上がったという感じです。そしてようやくこうして封切の日を、コロナのことが解決しないままに迎えて、とても感慨無量です」と挨拶した。

主人公ゴウの若き日を演じた菅田も「50%ですけど、お客さんがいる状態での舞台挨拶は本当に貴重な時間なので感慨深いです」と、この時間をかみしめるように客席に向けて語りかけた。

若き日のテラシンを演じた野田は「映画を観た皆さんの前でお話できることが嬉しい」と挨拶し、山田組に参加したことへの感謝の気持ちを込めて、のちの主題歌である「うたかた歌」を作った経緯を尋ねられると「志村さんが倒れられたと聞いて、コロナで撮影もストップして、あんな素敵な撮影の思い出や経験がなかったことになっちゃうのかなという恐怖心で自粛期間を過ごしていて、だったら音楽にするしかないなって。僕なりの貢献がしたかったというのが入口なんです。」と、楽曲ができあがるまでのエピソードを披露。

そんな野田の想いに共鳴するかのように、共に「うたかた歌」を歌うこととなった菅田は「感謝の気持ちを込めたお手紙ですって曲をいただいて、本当に感動しましたし、山田組や世の中全体みんなが動けない中でなんとか動き出そうという気持ちにさせてくださって。」と楽曲を受け取ったときの気持ちを振り返り、この作品への感謝が込められた楽曲が菅田の心を前へと動かしたことを明かした。

「うたかた歌」を聴いて撮影中に感じたノスタルジックな感情が蘇ったという北川は、銀幕女優役として『東京物語』を再現したシーンに挑んだことについて「冷や汗です(笑)世界中にファンがいる映画の有名なシーンのオマージュを演じるということで、原節子さんを超えることは絶対できないんですけど、なるべくお芝居を近づけてやりたいなと。あとは真似するだけではなくキャスティングしていただいたんだから、自分らしさも残せたらなと思ったんですけど、パニックになりながら終わりました」と明かし、山田監督と共に役作りに励んだ日々を振り返った。

楽曲から淑子への大きな愛を感じたという、現代の淑子を演じた宮本は「ゴウちゃんはどうしようもない男なんですけど、淑子にとってはそういう人でも生涯愛する人に巡りあったという幸せがあったと思います。」と淑子が歩んだ人生への想いを語った。

本作ではもう一曲印象的な楽曲として、志村けんさんの「東村山音頭」を沢田演じる現代のゴウが歌うシーンがある。志村さんの代役としてこれまで多くを語らずにいた沢田からは、公開にあたって想いを綴ったコメントが届けられ、大勢が見守る中で発表された。

【『志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。』 あの日から新型コロナと共に歩んだ72歳精一杯の姿です。詮ないですが、志村さんのゴウが観たかった。わたしはこの作品を封切り館で“初めて”観ようと思っています。】と語った沢田の言葉に、山田監督は「初めてコメントを聞きましたが、やはりこの仕事を引き受けるのは沢田さんは相当な覚悟だったんだろうなと、改めて感じます。」と沢田とともに撮影に挑んだ撮影時を振り返った。

菅田も「一度現場に行かせていただいて、ちょうど「東村山音頭」を歌うシーンの直前だったのかな、ものすごく集中されていて、沢田さんのこの作品へ臨む思いがあふれ出ていたので、完成を楽しみにしていました。同じ人物を演じられたというのはすごく光栄です。」と語り、亡き志村さんへの想い、そして沢田と志村さんを繋ぐ絆、そして本作へ結びついた奇跡へ想いを馳せた。

語りつくせない想いが交わされながらもイベントは終盤を迎え、最後に山田監督は「この『キネマの神様』は僕の青春時代の思い出が中心になっているんですが、1930~40年代は世界中がびっくりしていたんですね、日本の映画がすごいと。今、日本の映画は沈んでいるのは問題だと思っています。劇場が閉鎖されたり、人が入れなくなっている。僕たちにとっても大問題で、一日でも早くこの状況が回復するように願っております。そういう必死な想いでの興行なんですよね。映画館に足を運ぶことを躊躇する人も多いですが、ぜひ映画館に足を運んでこの映画を観ていただきたい、味わっていただきたいと日本の映画ファンにお願いしたい」と語った。

また、菅田は「映画は公開するとお客さんのものという感覚があるのですが、公開するまでどれだけ映画に携われるかというのが楽しみだったりするのですが、そういう意味では今までで最長の長さ一緒にいれたなと思うし、十分に愛でる時間をいただけたと解釈すれば、すごく感謝だなと思いました。色んな事を知っていく中で今の自分の仕事である映画というものが、どれだけかっこよくて、自分のしんどかったり大変だったりする日々に誇りを持てるようになりました。そんな映画です。ぜひ楽しんでいただけますと幸いです。」と、公開を待つファンと映画を愛するすべての人へのメッセージを送った。

鳴りやまない拍手の中、数々の困難を数々の奇跡に変えて完成された本作の公開に向けて舞台挨拶は幕を閉じた。

ストーリー
若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)、映写技師・テラシン(野田洋次郎)とともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかし、大きな挫折をきっかけに夢を追うことを諦めてしまう。あれから約50年。かつて自身が手掛けた「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウ(沢田研二)の中で止まっていた夢が再び動き始める。これは、“映画の神様”を信じ続けた男の人生とともに紡がれる愛と友情、そして家族の物語。

キネマの神様

作品タイトル:『キネマの神様』
出演:沢田研二 菅田将暉 永野芽郁 野田洋次郎 / 北川景子 寺島しのぶ 小林稔侍 宮本信子
監督:山田洋次
脚本:山田洋次 朝原雄三
原作:原田マハ「キネマの神様」(文春文庫刊)
主題歌:「うたかた歌」RADWIMPS feat.菅田将暉(Muzinto Records/EMI)
配給:松竹

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kinema-kamisama/
公式Twitter:@kinema_kamisama
公式Instagram:https://www.instagram.com/kinema_kamisama/
コピーライト:(C)2021「キネマの神様」製作委員会

2021年8月6日(金)より全国公開中

 

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