第72回サン・セバスティアン国際映画祭カリナリーシネマ部門・ベストフィルム受賞のガストロノミック・ドキュメンタリー『MUGARITZ. NO BREAD NO DESSERT』が、『ムガリッツ』の邦題で9月に日本公開されることが決定。本予告映像と場面写真が解禁された。
スペイン・バスク地方、ガストロノミーの中心地。ミシュランガイドに「レストランを超えた存在」と評され、2つ星を獲得した名門・ムガリッツの名前は、21世紀に入る頃から、業界で大きな注目を浴び始めた。グラスなどを並べずアーティスティックなオブジェだけを載せたテーブル、カトラリーを排して手や舌を直接使って味わう料理。ムガリッツの革新的な厨房に潜入したカメラは、研究開発チームやシェフたちが実験的な料理を作り上げるメニュー開発の様子に密着する。
監督を務めたのは、『REC』シリーズなどのホラー作品で知られるパコ・プラサ。もともとムガリッツの熱心なファンだった彼が、その創造の秘密を解き明かすべく厨房に潜入。ついにその全貌が明かされる。
従来のレストランコードをこともなげに崩し、ゲストの好奇心を誘い、五感を研ぎ澄まさせ、独自の世界観で今までになかった食空間を生み出したムガリッツ。毎年11～4月の6か月間は休業し、この期間はスタッフ総出で、メニュー開発に専念する。その年に誕生した料理が翌年以降に提供されることはなく、革新的なメニューはつねに更新され続ける。
この度解禁された本予告は、ムガリッツの研究開発チームが、半年かけて新メニューを開発する様子を捉えたもの。この年、オーナーシェフのアンドニ・L・アドゥリスから出されたテーマは“目に見えぬ物“。シンボリックなイラストを描き起こして壁一面を“アイデア“で埋め尽くす様子が収められている。
そして、絶え間なく映し出されるのは、まるで実験のような料理プロセスと、そこから生み出されるアートの結晶のような数々のメニュー。アドゥリスはアルゴリズムに頼らず「人を驚かせ、感動させ、怒りまで与えるメニュー」を生み出すため「全てを試して最高を選ぶ」。＜ムガリッツにはできる＞―アンドニの哲学はどのようにして“皿”に並ぶのか。
あわせて解禁されたのは、ムガリッツの研究開発チームに所属するラモン・ペリセが試食を重ねる様子を、スタッフたちが真剣な眼差しで見守る一瞬を切り取った場面写真。“まだ見ぬ体験”を追い求めるチームの果てなき探究心、そして、そのビジョンを具現化すべく集結したプロフェッショナルたちの緊張感あふれる貴重な瞬間となっている。
『ムガリッツ』
監督：パコ・プラサ
脚本：パコ・プラサ、マパ・パストール
原題：『MUGARITZ. NO BREAD NO DESSERT』／2024年／スペイン／カラー／96分／字幕翻訳：比嘉世津子
提供：ティー ワイ リミテッド
配給：ギャガ
https://gaga.ne.jp/mugaritzmovie/
9月よりシネスイッチ銀座ほか順次ロードショー